らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

北穂高岳東稜(G.W後半編)

2011年05月17日 | バリエーション

ゴールデンウィーク前半は剱岳を登ってきたが、まだ休みは残っていた。
強風で破壊されたテントの上張とポールを購入する為、一旦下山して再び山行きの準備を整えた
私たちは、今度は北アルプス.北穂高岳東稜登攀を目指して出発したのでした。

5/6、朝一番の新幹線で名古屋まで行き、特急に乗換えて松本まで。
そこから松電とバスを乗り継ぎ、お昼前に上高地に到着。
これだと高山経由で行くよりも早く到着出来たし、ワタシは松本から新島々まで、
車窓からのどかな風景を見るのが大好きなのである。
まぁ、次回からこの移動手段を使おう、と一人勝手に決めていた。
さて、今日は涸沢まで登らねばいけない。上高地からは所要6時間ある。
初日の寝不足気味の身体には少々キツイが仕方ない・・
頑張って歩き始めたのでした。


平日だったせいか、G.Wなのに静かな上高地
ここから見る穂高連峰はいつの季節も美しいのです。


涸沢ヒュッテが見えてくるも中々着かない・・もう、この時ワタシは疲労困憊状態。
18時、予定通り6時間掛かって涸沢到着。
連休中、200張あったというテント場はこの日わずか20張強程度でした。
こんなに空いてる涸沢、初めて!


5月連休の山行は必ずこの鯉のぼりをテントに付けて泳がせます。
我が家の恒例行事なのです


今度は強風でテントが吹き飛ばされないようにと、深~く雪を掘りガッチリ設営。
そして今夜はすき焼きです。生卵持参で、山ご飯とは思えぬ贅沢感がありました。
ここまで重たい思いをして担いできてよかった!


翌朝は5時半起床、8時出発とやや遅め。
そんなに慌てなくても今日は混雑もないだろうし、雪も締まってて歩きやすい
だろうと、二人考えていたが・・・


なんてことはない、登り始めてしばらくすると太陽がぎらぎらと雪面を照らしつけ気温は
グングン上昇。おかげで、東稜取り付きまで1時間のつもりがズボ足と暑さに悩まされ、
なんと2時間も掛かってしまった。
「剱岳はず~っと寒くて雪も硬かったのに・・計算違いだったね」と、二人で反省する


稜上をしばらく進むと細いリッジに出たので、ここからは
ロープを出してスタカットで登攀開始。今年は積雪が多くて、岩が
あまり出ていないようだった


リッジの両側は見事にすっぱり切れ落ちていて、かなりの高度感。
でもそれ以上に、雪質が悪くて崩れはしないかとヒヤヒヤした


核心部のゴジラの背は雪が多くて登り始めはチョット難儀したが、
思っていたよりもあっという間に終わってしまった。
最後は本来なら10mの懸垂下降なのだが、この雪の多さのため
クライムダウンで東稜のコルに降りた。


この辺りから、すっかり空は雲に覆われてしまった。さっきまで太陽はどこに?
ここからはコンテで進む。途中、雪が腐ってピッケルも引っかからなくて
苦労した箇所もあった


13時15分、北穂高小屋に到着。ガスっていて何にも見えなかったが、久々のバリエーションを
二人で登頂出来たのでうれしかった。


小屋の周りをつがいの雷鳥が遊んでいた。モコモコしていて何とも愛らしい姿に心癒されます


小屋テラスで休憩した後、今度は下山開始。北穂沢はかなりの急傾斜で、下り始めの1時間は
後ろ向き体勢で下降しました。山は登りより降りの方が断然怖い!とワタシは思う


傾斜が緩くなってきたところでやっと、景色を見る余裕も出てきた
再び太陽が出てきて青空が戻り、前穂北尾根の上部を照らしてくれた。



16時半、涸沢小屋に到着。ここでアイゼンと登攀用具を外し、登頂祝い用のワインを購入。
テント場に戻ると、10張しか残っていなかった。昨日よりもさらに静かな涸沢テント場で、
満足感いっぱいの私たちは五一ワインを1本、軽々空けました~


5/8日曜日、今日でゴールデンウィークも終わり。さぁ、下界に帰らなきゃ。
降雪のあった涸沢の朝は寒かったが、この雪の世界ともしばらくお別れと思うと少し寂しい・・


徳沢まで来ると、もうすっかり春。ゆっくり、ゆっくり、充実感に浸りながら帰路に着きました。

今年ほど山三昧の連休はいままでなかったと思う。
また、無事にすべての目標を達成出来たことでとても自信につながりました。
さぁ、今度はどこの山を登ろうかなぁ。

 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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