らいちょうのあし日記

山登りが大好きで今日も日本のどこかで歩いています

晩秋の北八ヶ岳縦走

2017年12月29日 | 縦走

11月連休は北八ヶ岳へ向かう。
この時期のアルプスは、天候を読むのが難しい。
下界では秋晴れでも山頂は降雪があったり、もしくは暖かい陽気かもしれないし、
まったくわからない。
山の上の紅葉は終わっているだろうが、下の方はまだ間に合うかもしれない。
久々の3日間縦走だ、楽しくいこう!!


茅野駅からバスに乗車、1時間ほどでピラタスロープウェイ乗り場へ。
八ヶ岳へは何度も来ているが、このロープウェイを利用するのは初めてだ。
乗り場となる山麓駅は、スイスを思わせるような建物でゼラニウムの花がとても可愛く咲いている。
そしてここから山頂駅まで一気に標高2,240mまで上がる。
ここまでは観光客で賑やかである。


ロープウェイを降りたところが坪庭で、簡単な散策が出来るようだ。
啄木鳥の大きな模型に付いている紐を引っ張るとコツコツと木をつつく。
娘はこれが面白いらしく、何度も引っ張っている。


連休初日のこの日は見事な秋晴れで、それはそれは素晴らしい展望である。
北アルプス・槍ヶ岳までもはっきり見えて、気持ちが昂る。
やはり、山はいい、アルプスは最高だ!!


縞枯山を左手に見やりながら、平坦な道を進む。
木道がずっと続き、登山道としては単調で少し退屈気分…
娘の歩行に合わせてゆっくりペースで先を行く。


所々に凍結したまま融けずになっている箇所がある。
朝晩の冷え込みが想像できる。やはり、下界では秋でも山の上はもう冬だ。
今夜はどれくらい冷えるだろうかと、まだ冬慣れしていない身体を思い少しドキドキする。


17時前に青苔荘のテント場に到着。周囲を見ると、10張以上はテントがあろうか。
この時期だけに、思っていたよりも多い。
17時半、あたりはすっかり暗くなりテントの中で味噌煮込みうどん鍋を食べる。
うむ、そんなに寒く感じないぞ。大丈夫、これなら途中で起きたりせずに眠れそうだ。
ウイスキーをちびちびやりながら、いい気分になったところでサッとシュラフに潜り就寝。


翌朝6時起床、外は薄っすら曇り空であまり天気は良くなさそうだ。
小屋に牛乳を買いに行き、コッフェルに入れて温めてから娘に飲ませる。
昨夜の鍋の残りにご飯を入れて雑炊にしたものを食べる。
朝食はこれが一番身体が温まるし、食料を無駄なく残すことなく活用できる。
8時前、テント撤収して出発準備完了。気温は摂氏0度。


まずは、高見石小屋を目指す。登り1時間のコースタイムだ。
娘に最初のうちは、歩かせていたが…
ゴロゴロ石の多い登り道は、やはり難しいようなので背負子に乗せていくことにする。
本当はもう少し歩かせてやりたかったが、仕方ない。


高見石小屋に到着。天気は回復するどころか、ますます悪くなってきた。
ガスがかかり、小雨がぱらつき風も出てきた。
立ち止まることなく、先を目指す。


中山展望台まで来たが、ガスで辺り一面真っ白。
おまけに天候は悪くなるばかりだ。
とりあえず写真だけササッと撮り、一目散にこの場を過ぎる。
きっと晴れていれば、大展望が望めたのであろう…仕方ない。


中山峠からすぐの場所にある黒百合ヒュッテで昼食を取る。
この頃、空から雨まじりの雪が降りだして、食べるのも一苦労する。
長居は無用、早くしらびそ小屋まで行こう!
と、中山峠からその先を見ると下り始めの箇所が結構急な傾斜で雪で滑りそうだ。
背負子に娘を乗せてここを下るのはどうなものか、一瞬迷う。
それでも元に引き返すわけにもいかず、細心の注意を払いながら進む。


15時前、しらびそ小屋に無事到着。
降っていた雨や雪は止み、ようやくホッとして気持ちが落ち着く。
しらびそ小屋は、7年ほど前に下山時に一度通りかかったことがあった。
その時に素敵な小屋だな、と印象に残っていたので今回来ることを楽しみにしていた。
ここでは、リスや鳥が小屋の周りにエサを食べに来る姿を見ることが出来るらしい。


あいにくリスの姿を見ることは出来なかったが、いろんな鳥類を観察できた。
それも、かなりの至近距離だからとても楽しい。写真はホシガラス。
さっきまでは悪天候で何も見えず、ただ黙々と寒さと闘いながら歩いてきただけに
この光景にいつも以上の安堵感を感じる。


翌朝6時、テントの外に出ると天候はすっかり回復して快晴。
小屋前まで歩いていくと、真正面には太陽に照らされて輝く山が見える。
ミドリ池に反射して写る景色が、また美しい。
最終日、良い天気に恵まれてうれしい。


8時半、小屋をあとに下山する。
まもなく本格的な冬山が訪れるであろう北八ヶ岳の景色を堪能しながらゆっくり進む。
娘と共に冬の八ヶ岳に登れるようになるのは、何年先だろう…


バスで松原湖駅に到着したが、小海線は一日の運転数がとても少ない。
当分来ない列車をのんびり待ちながら、秋の優しい暖かい日差しで日光浴。
3日間で秋と冬を一気に体験した山行であった。
また、春先にでも来てみたいと思う。











 

 

 


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