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DAZN観戦 2022年J2リーグ第41節 ファジアーノ岡山vsブラウブリッツ秋田

2022-10-19 18:11:05 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(36節・徳島戦、0-1)
※前回の秋田の記事はこちら(39節・熊本戦、2-1)

<前節からの変更>

岡山=ステファン・ムークの出場停止も含め3人変更。そのムークの左シャドーには河井が入る。その他は左ウイングバックが成瀬→佐野、FWの片割れが永井→チアゴ・アウベス。チアゴはベンチ外が3試合続いたが復帰即スタメンと、負けられない戦いを控え出し惜しみは無い模様。

秋田=2人変更だが、その2人はドイスボランチ両方と異色の入れ替え。稲葉・藤山が揃ってベンチ外となり、スタメンに入ったのは江口・井上。ベンチに出来た穴には、吉村が今季初のメンバー入りを果たす。

スタメン

2強(新潟・横浜FC)以外で、唯一自動昇格の可能性を残しているのが岡山。
それでも残り2戦全勝がマストという厳しい条件であり。
そんな特別な試合となったホーム最終戦、選手入場時のアンセムはいつものものでは無く、演奏団によるJリーグ公式アンセムが流された辺りにいつもと違う感が高められたでしょうか。(といっても岡山は定期的に演奏団を採用している)

対戦相手の秋田も、中心選手の稲葉不在というイレギュラーを抱えて挑み、また前半戦のチームメイトであった輪笠が敵として相対する事象も発生。
前半2分に早くも右サイドから江口がロングスローを投げ入れ、ニアサイドでの青木のポストプレイを経て茂がダイレクトでシュート(枠外)という得意手を見せます。
しかしこれにより岡山サイドも、以降徳元のロングスローを常用する流れが出来上がり、ロングスローの応酬という絵図が繰り広げられる事に。

戦術的には、ロングボールを多用する立ち上がりを経た岡山が、次第にビルドアップの際に秋田のプレッシングを受ける立場に移り変わり。
しかしその幕開けである9分、右サイドで柳がパスを受けた所に秋田は茂が喰い付き、「2トップ+サイドハーフ1人」によるプレッシングの姿勢を見せ。
柳→河野へ出された所にさらにサイドバックの才藤が出ていった所、河野のミドルパスでかわされるというシーンを作ってしまった秋田。(このパスをチアゴが落とすも繋がらず)
これを受けた秋田は、岡山のウイングバックにSHが付く体勢を崩さず、破綻を防ぐ事を重視します。
それでも、岡山はSBに近い属性の左センターバック・徳元が控えているので、彼と左WB(佐野)の二枚看板を軸にした左サイドアタックを防ぐのに難儀する秋田。

一方秋田の攻撃は、立ち上がりの時間を過ぎたのちもロングボールを軸とする平常運行。
ゴールキックなど最後尾からの蹴り込みは、右SHの中村をターゲットとする姿勢はほぼ不変。
これにより2トップを2人ともその前方に配置でき、繋がった際はより圧力を持った速攻が出来るという印象でした。
24分にはその流れ(GK田中雄大ロングフィード→中村フリック)から、さらに青木の落としがエリア内へ繋がり、齋藤恵太がシュート。(GK堀田キャッチ)

空中戦(ヘディング・ダイレクトパスの応酬によるボールの右往左往)のシーンも膨れ上がり、そこから生まれる好機。
27分にはクリアボールを岡山・輪笠が拾い、チアゴに繋がってミドルシュートが放たれたもののエリア内で秋田・千田がブロックで防ぎ。(その後さらにチアゴが連続でミドルシュート、枠外)
続く28分今度は井上が拾って秋田の攻撃、左サイド奥を突いて茂が左ポケットからマイナスのクロス。
これが誰も居ない中央へと転がり、後方から走り込んだ井上がシュートするも、岡山・河井のブロックに阻まれゴールならず。

エアバトルでは互角以上といった秋田ですが、岡山の左サイドアタックには苦戦が続き。
数的不利を嫌ってか、次第にボランチの江口が右に流れて前進を防ぐというシーンが増え。
すると岡山は左→右へのサイドチェンジも絡め始めるという具合に、ドツボに嵌ったような守備を強いられていったのが30分台。
そんな状況を受け、以降はSHの片側が降りての5バックの姿勢を取るようになりました。
しかし中村・茂のどちらが降りるのかは決まっていないといった感じで、両方降りてしまい6バックに近い布陣も見られ。
42分にはその6バックの体制から、池田が前に出てパスカットに成功した事でカウンターに持ち込み、齋藤恵のドリブルの横で並走する池田。
そしてパスを受けて左からクロスを入れる(ブロック)という、CBらしからぬ好機の絡み方を見せました。

それでもハッキリと引く姿勢になった事で、終盤は岡山が攻撃権を支配。
徳元のロングスローも多くなり、堅固な守備をこじ開けんとしましたが、さしたるフィニッシュは放てず時間は過ぎていき。
結局スコアレスのまま前半を終えました。

ハーフタイムでの交代は無く迎えた後半。
試合絵図は大きく変わらずも、秋田はHTを挟んだ事で基本の4-4-2ブロックを維持する微調整を行い。
しかしそれにより立ち上がりから岡山が攻勢を掛け、前半同様に左サイドで繋いでの前進、空中戦からボールを確保しての攻撃を絡めて作られる好機。

そして迎えた後半5分、右サイドからの攻めで河野のスルーパスを受けたチアゴが奥で溜めを作り、マイナスのクロスをエリア内へ送り。
これを中央で河井が合わせシュート、GK田中雄が触れるもゴール左へと突き刺さり
自動昇格に向け、欲しかった先制点を獲得した岡山。
河井は移籍後初ゴールとの事で、この押し迫った時期に初ゴールが胸すく先制点となった事によりホームの雰囲気も高揚します。

逆にカウンター主体の秋田にとって、リードを奪われる事は苦しいの一言であり。
ともに逆転負けが皆無という今季の成績も、その色を一層強める要素。

その後も秋田のアバウトな前進を凌ぎつつ、攻撃権を確保する岡山。
リードした事でその振る舞いは盤石に映っていたものの、11分にゴールキックの際、ヨルディ・バイスがGKに代わってそのままロングフィードを蹴るというシーンが見られました。

それでも全体の姿勢は変わらず、14分には徳元のロングスローから2点目を奪わんと攻勢を掛け。
こぼれ球をチアゴがミドルシュート、ブロックに阻まれるも尚もボールを確保し、バイスや柳といったターゲットマンをエリア内に残してチャンスを伺う岡山。
しかしそれが仇となり、デュークのポストプレイが柳に繋がらず、クリアボールを青木に拾われると一気に秋田の得意手のカウンターに持ち込まれます。
スルーパス一発で裏を取られると、齋藤恵がそのスピードで岡山・河井を追い抜いて受けてドリブルに入り、そのままエリア内に切り込みシュート。
そしてゴールまで奪ってしまうという、凄まじい前へのパワーを見せたロングカウンターを完遂させて同点に追い付きました。

主体的に攻め上がる一方で、カウンターも警戒しなければならない岡山。
尚も16分に敵陣でボール支配を軸として攻めるも、またもデュークのポストプレイがズレた所を秋田・茂に拾われる事態となりましたが、ここは輪笠がカバーして防ぎ。
さらに18分には、パスを空振りするというミスで青木に拾われるシーンを作ってしまい。(その後右サイドから中村がクロスも精度欠く)

じっくり繋ごうとするとカウンターを意識して堅くなり、かといってロングボール攻勢も秋田の硬さ(同点以降再び5バックへの色が強まる)の前に難儀。
攻撃権は握るも、目立ったフィニッシュはチアゴのミドルシュートぐらいといった岡山のこの時間帯となりました。
膠着状態となった所で、22分に両者ベンチが動き。
岡山はチアゴ・田中雄大→永井・ハンイヴォンへと2枚替え。(ハンイヴォンは左WBに入り、佐野がシャドーに回る)
秋田は齋藤恵・中村・茂→武・小暮・三上へと一挙に3枚替え。

中村というターゲットが退いた事で、以降秋田の攻撃はロングボール・スローインをひたすら青木目掛けて入れるという姿勢へ。
つまりは攻撃に拘わる枚数が1人減る事を意味し、その通りにフィニッシュに繋がる攻撃は殆ど無くなり、ただ陣地を押し戻す意味合いの域を出なくなります。

岡山が秋田ディフェンスを破れるかどうかに懸かってきた風である試合の行方。
29分には自陣でのスローインから徳元の左→右サイドチェンジを経て、受けた河野のアーリークロスにデュークが合わせヘディングシュート。(枠外)
秋田のブロックが揃う前に、という姿勢を見せるも勝ち越しはならず。
左WBがハンイヴォンに代わった事で、徳元もコンビネーションで左サイドを踏襲するという事が出来ず、逆サイドへのフィードという選択が多くなり。
31分に再び左サイドからロングボールを送る徳元、今度は裏への対角線のロングパスで、受けた永井が右サイド奥からのクロス。
そしてニアサイドに入り込んだデュークが再度ヘディングシュート(枠外)と、何とかストロングヘッダーにゴールを齎さんと手を変え品を変え。
(30分に岡山は河野・河井→成瀬・仙波に交代)

守勢を強いられる秋田は、31分に井上→小柳へと交代。
ボランチの強度を高め、岡山の圧力を跳ね返しに掛かります。

33分にはハンイヴォンが左サイドからカットインシュートでゴールを狙うも、右へ大きく逸れてしまいタッチを割る結末に。
連係が落ちつつある中、個の力で何とかしようという意図は見られるも空回りといった印象。
それでも34分にハンイヴォンの切り込みから左CKを得て、ここからCK攻勢に入る岡山。(キッカーは全て仙波)
3本目の右CKの後、防いでマイボールにした秋田ですがバイスがボール奪取し尚も継続する岡山、エリア内左奥からのハンイヴォンのクロス。
仙波のポストプレイを経て、成瀬がダイレクトでシュートを放つと秋田・千田がブロック。
これが千田の左腕に当たったとして、岡山サイドはバイス・柳といった「激しい剣幕で詰め寄る」人材が揃っている状況そのままに、主審に詰め寄って抗議する一幕を生んでしまいます。
当然ながら判定は覆る訳も無く、その後の4本目のCKもモノに出来ず。

乾坤一擲のシュートも実らなかった事で、以降岡山の攻撃は「ただ圧力を掛ける」といったものに落ち込み。(40分に輪笠→本山に交代)
CKや徳元のロングスローのシーンは膨らむも、単なる放り込みに映る攻撃も多く、秋田の姿勢とも相成り「玉蹴り」の応酬という流れも生まれます。
44分に秋田が右サイドで加賀の縦パスから前進していく攻撃を仕掛け、それを防いだ岡山がカウンター。
バイス→永井→ハンイヴォンと各々ドリブルを交えつつ繋いでいき、左からハンイヴォンがカットインでエリア内左を突いてクロス。
大外で成瀬が足から跳び込むも僅かに合わずと、形になったという観点ではこの攻撃が最も惜しかったでしょうか。
それでもどうしても勝ち越し点が奪えないまま、時間はアディショナルタイムへ。

何としても2点目が欲しい岡山の絵図を見て、「リードしているのは秋田」という錯覚も生まれかねない状況。
試合を落ち着かせんとするように、秋田のスローインの際に加賀が遅延行為で警告を貰ってしまった事もそれを加速させ。

そして最後は、岡山サイドにもその意識が生まれてしまったでしょうか。
秋田が右サイドのスローインからパスを繋ぎ、奥を取った小暮が低いクロスを入れると、ボールはフリーになっていた青木の下へ。
放たれた青木のシュートがゴールネットを揺らし、自動昇格への幕を下ろす勝ち越し点となりました。
とにかくゴールを……という意識が、岡山ディフェンスの足を止めてしまったかの如き失点でした。

その後も諦めずに攻める岡山、2本得たCKではGK堀田も前線に上がってゴールを狙いましたが、実る事は無く。
1-2のまま秋田が勝利に辿り着き、ナイトゲームの横浜FCの結果を待つ事無く、順位が確定する運びとなりました。(横浜FC2位・岡山3位)
最後は今季初の逆転負けという形で自動昇格が絶たれてしまいましたが、何とか切り替えてプレーオフに挑んで貰いたいものです。

コメント
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