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DAZN観戦 2024年J3リーグ第23節 カターレ富山vsAC長野パルセイロ

2024-07-29 16:00:16 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 富山は夏バージョンのユニフォーム、という事で赤が強く出たカラーに。

上位カテゴリの中断期間による空白を埋めた功労者であるJ3も、今節を持って中断に入り。
目下7戦無敗・5戦連続無失点と、上昇機運がハッキリしているホームの富山は、それを維持して良い気分でブレイクする事が出来るかという一戦となりました。

そんな好調な相手に対し、6戦未勝利という真逆のような立場の長野は立ち上がりから、それを阻まんとハイテンションで挑み。
相手サイドバックに対し、ウイングバックが果敢に規制を掛けにいくというハイプレスの姿勢で、その順風なペースを乱さんと試みます。

前半4分、富山はGK田川からの組み立てで、右から前進の姿勢をとるや例に漏れず西矢に対して田中が前に出る長野。
しかしその規制が遅れたためにその裏を取り、末木→高橋馨レイオフ→末木1タッチパスから中央→左と逆サイドへ展開し好機を生み出した富山。(安光が左ポケットへ切り込んでクロス気味にシュート、ゴール右へ外れる)
プレスの間に位置取るボランチへのパス出しが絶妙で、奪われる事無く繋いでいく富山の前に、その姿勢は実る事無く時間を潰していきます。

一方長野の主体的な攻撃は、元々ハイプレス嗜好が強めの富山を相手にしては苦戦必至という戦前の勝手な予想。
8分、ボランチの高橋耕にパスを送った所それに引っ掛かってこぼれるも、近藤が繋いで前進を果たし。
三田フリック→山中キープで中央で溜めを作った末に左へ展開、田中が持ち運んで上げたクロスを浮田が合わせヘディングシュート。
GK田川がセーブと際どいフィニッシュを生み出します。
いくら富山といえど、真夏の気候+3バックvs2トップという悪条件が重なれば、そのプレッシングも抑え気味にならざるを得ず。
一応サイドハーフが前に出て前線3枚の体勢も、多くはミドルプレスの姿勢で構える時間が長くなりました。

そんな双方の状態から、何処と無く「ハイプレスに出た方の負け」な展開に。
当然ながら、正直に前から奪わんとして果たせずという長野の方が狼狽激しい状態となり、13分にロングパスを収めた碓井聖に対し杉井がスライディングでボールをこぼすもあろう事か逆方向に転がる絶妙なスルーパスと化してしまい。
拾い直した碓井聖がドリブル、右ハーフレーン・エリア手前で切り返してクロス(フィニッシュには繋がらず)という具合に、相手ディフェンスのバタつきに対し労せずして薄い部分を突けるようになる富山。

そして続く14分、ここも碓井聖を狙ったロングパスを先んじて池ヶ谷がカットするも、収められず碓井聖に奪い返されるという事態に。
奪取地点は既に左サイド奥で、すかさずグラウンダーでクロスを送った碓井聖、中央で合わせにいった高橋馨の足下でスライディングでカットに入る杉井。
それ自体は成功するも、こぼれ球が左腕に当たったとされてハンドを取られ、与PKとなってしまいます。
かなり微妙な判定でのPK故か、心を落ち着ける時間をやや長く取って蹴りにいったキッカーのキャプテン吉平。
ゴール右へ蹴り込み、反応したGK金に触れられるも無事にゴールゲット。
やや不可解な判定ながらも、流れ的には順風といった先制点を挙げた富山。

スコアが動いた事で、その通りに富山へとペースが固定され。
18分、鍋田ロングパス→碓井聖落としを経て、高橋馨が果敢にロングシュート(ゴール上へ外れる)を放った事でホームの観衆を沸かせるとともに雰囲気を味方に付け。
続く19分には敵陣で碓井聖がボール奪取とプレスを嵌めた(その後戻して作り直し)事で、長野の反撃体制にも蓋をする事に成功。
こうしてひたすら殴り続ける体勢を築くと、25分に安光のパスカットから攻撃開始、溜めを作りながらパスを繋いだ末に中央→右へと展開。
西矢からクロスを入れると見せかけ戻しを選択すると、中央から椎名が裏抜けする吉平へミドルパスを送り、綺麗に合わせシュートを放った吉平。
しかしゴール上へ外してしまい、決定機を逃すと同時に飲水タイムが挟まれました。

命拾いした長野ですが、ブレイク明けも28分、最終ラインで池ヶ谷がコントロールミスして吉平に奪われる(その後碓井聖がエリア内を突くも撃てず)という具合に不安定ぶりは何ら変わる事は無く。
パスミスから好機を作られたりと、安い失点の危機が過るなかでの反撃を強いられる展開に。

32分、最終ラインでパスを繋ぐも、富山の崩れない守備隊形を受け右サイド裏へのロングパスを選択。
これを浮田が収めて何とか上がってきた近藤へ繋ぎ、奥に切り込んでカットインからマイナスのクロス(ブロックされコーナーキックに)と、際どく掻い潜って好機を作り上げ。
この右CKは、ショートコーナーからの繋ぎを経て古賀がミドルシュート(エリア内でブロック)とフィニッシュに繋げたものの、好循環をもたらすには至りません。
40分に再び近藤が右サイド奥へ切り込み、ポケットからマイナスのクロス。
今度は浮田がニアで受けてキープし、鍋田に倒された事でPKか、というシーンになるもこちらは笛は鳴らず。
やっと作った好機も、不満を貯めるのみという結果に終わります。

結局これが長野の前半最後の好機となり、以降は再び富山の独壇場という展開に。
高橋耕が吉平に倒されて痛む(34分)→逆に吉平が高橋耕(41分)に倒されて痛むという珍妙な絵図が繋がったのち、敵陣でボールゲインを多発させるという本来の姿を描く富山。
45分には西矢が敵陣でボールをこぼし、拾いにいった吉平が古賀に腕で引っ張られ阻止された事で反則となり。
この右サイド遠目でのフリーキックから、クロスの跳ね返りを拾ったのち河井がミドルシュートを放つもゴール上へと外れ。
欲しかった2点目は奪えず、その後のアディショナルタイムでは長野がボール保持するも何も起こす事は出来ず、前半終了となりました。

当然ながら良いとは言えない流れの長野、ハーフタイムで2枚替えに踏みきり。
池ヶ谷・山中→西村・忽那へと2枚替え、高橋耕が空いた右センターバックに降りる事で、流れを変えに掛かりました。

後半開始とともに、前半終わり際から引き継がれるように始まる長野のボール保持。
しかし今度は流れは良好で、しっかりと好機を作り続けてポゼッションスタイル本来の威力を発揮します。

その要因は投入された西村で、前線3枚の姿勢を取る富山の裏に位置取り、特にサイドに流れる事で前に出たSHの背後を取る形に。
そこでパスを引き出し、前線への橋渡し役に徹した事で前半とは雲泥の差という攻めの流れを構築。

最初のフィニッシュは後半4分で、右スローインから浮田がポストプレイで浮かせ、ポケットへ走り込んだ忽那がダイレクトでシュート。(GK田川がセーブ)
その忽那の働きも絶妙で、前進に成功したボールを自らチャンスエリアへ運ぶ・中央で受け逆サイドへ展開するという具合に多彩な矛へと繋げ。
まずは采配が大当たりという事を示した長野。

一転圧される事となった富山ですが、最初の好機となった8分、その長野のベクトルの逆を突くような決定機。
左サイドでの前進の姿勢から、河井のサイドチェンジで薄い右サイドを突き、スルーパスに走り込んだ椎名のグラウンダーのクロスが中央の碓井聖へ。
しかしワントラップから放たれたシュートは大野がブロックと、好循環を得た直後に失点してしまうという喜劇的な流れは何とか防ぎ。
引き続きペースを保つ長野、10分に右サイドでの前進から中央→左と逆サイドへ送る攻めで、ポケットへのスルーパスに走り込んだ田中がグラウンダーでクロス。
そしてニアで走り込んだ忽那がシュートしますが、GK田川のセーブに阻まれます。

次第に守護神頼みな展開を強いられる富山、14分に椎名・吉平→松岡・布施谷へ2枚替えと、こちらも采配で流れを変えんとしますが果たされる事は無く。
投入直後こそ長野のパスミスから好機を生み出したものの、フィニッシュには繋げられずに終わると再び長野のターンとなり。
ハイプレスに出た所を間を通されるなど、相手のペースを強引に断ち切りにいった所を突かれるという絵図をサッカーで示される事となります。

そして19分、右サイドを近藤→高橋耕へとプレスの間を通すパスで突破したのちに前進、敵陣で細かく繋ぐ状況へ持ち込む長野。
そして中央でのキープから、近藤がエリア内左へ送ったミドルパスを田中が折り返すと、綺麗に裏を取った三田が後ろから神山に倒され。
今度は反則の笛が鳴り響き(神山に警告)、PKにはPKで返すという格好のシーンが訪れます。
トップスコアラーの浮田がキッカーを務める、同点への千載一遇のチャンス。
そしてゴール左へシュートが放たれましたが、GK田川がこれを読みきってセーブし、こぼれ球を自ら抑えて凌ぎます。
この絶体絶命のピンチも防ぐという具合に、守護神頼みというマイナス面が最大の武器と化した瞬間に。
その後ラインアウトしたのち、PKの前から準備していた交代カードを切る富山。(河井・碓井聖→坪川・松本、22分)

後半の飲水タイムが挟まれた後は、第4クォーターに相応しい激しく攻撃権が入れ替わる展開に。
27分に富山のカウンター→長野のカウンターというそれを象徴する絵図が発生も、結局お互いスピードダウンを強いられるなど実にならず。

そんな試合絵図を変える状況に苛まれたのは、28分に三田が足を攣らせた長野の方でした。
慌てて交代の準備をするも、三田がピッチ外に退き暫く10人での戦いを強いられる事に。
富山がパスを回している間に三田が復帰し何とか綻びは防ぐも、想定外という絵図を見せてしまった事に変わり無く。

そして30分に交代敢行し、三田とともに田中も退け、パクスビン・砂森を投入します。(杉井が左WBへ回る)
長いブランクを経てプレー続行の運びとなっているベテラン・砂森ですが、その試合勘は未だ盤石では無いようで。(今季6試合目)
その影響か、最終ラインからのパスワークが距離感が近いものとなり、恐々としたものに見えました。
もう一人のパクスビンも、果敢にハイプレスに出るも周囲との連動性に欠けて間延びを招いてしまい。
その隙に運ばれて富山の好機となる(32分、シュートには繋がらず)など、後半頭の交代とは打って変わって流れを断ち切るものに。

一方富山も、35分に末木が足を攣らせた事で交代を余儀なくされ。
しかしこちらは直後に交代に成功し井上を投入、前線に入った事で高橋馨がボランチへと回り。
坪川・高橋馨と、試合当初とは異なるドイスボランチとなりましたが、長野の失速ぶりもあり破綻無く残り時間を過ごします。

長野の最後の交代は39分で、古賀→木原。
これでパクスビンがボランチに回ったようでしたが、前述の前に出る姿勢により西村アンカーの3-3-2-2にも見えるようであり。

布陣的にも不安定となってしまった事で、前半のような最後方のバタつき具合が復活してしまう長野。
42分左サイドをワンタッチの連続で運んでいく富山、井上の前進を経て中央へとサイドを変えるも、松本→松岡へのラストパスが遮断され。
好機が途切れたと思ったその刹那、長野は戻しを経てGK金のフィードで脱出しようするも大野にぶち当たってしまい、こぼれ球をエリア内で松本が収める泣きっ面に蜂の状態に。
しかし突如訪れたこの決定機、松本のシュートをGK金が足でセーブとモノに出来ず。

九死に一生を得たという長野ですが、その後攻撃に出た所、遮断されて薄くなった後方を突かれるの連続。
好機は作るものの危機の方が目立つという流れで、そのままATへ突入します。

そして左からの杉井のクロスを、木原がトラップするも収まらずクリアされると富山のカウンターとなり、松本のポストプレイから井上がドリブルで一気に持ち運んだ末に左ポケットへスルーパス。
そこに布施谷が抜け出すという、まさに紙同然となった相手のディフェンスを綺麗に突いた所で、必死に阻止せんとした大野のスライディングで倒されて反則の笛が鳴り。
これで3度目のPKと、度重なるPK判定もあり納得出来ないという態度を示す長野ですが、パクスビンが異議による警告を受けるのみに終わります。
大野のスライディングは、芝の状態の悪さもあり引っ掛かった格好となったのも災いしたため、この判定は残念ながら3度のPKのうち最も妥当なものに映り。
そしてキッカーの位置には松岡が着き、右上へと蹴り込んでゴール。
その瞬間、松岡はパフォーマンスでは無く涙を流すという感動を招く絵図となりましたが、どうやらこれがホーム初得点だった故の事。

ともかくようやく2点差となり、長野がすっかり衰えた事で安全圏と化し、その後も富山の攻撃権は続き。
そしてラストプレーは富山のCKと、長野が最後まで反撃の機運を高められないまま、GK金がキャッチした所で試合終了の笛が鳴り響きました。

終わってみればこの日も無失点を維持と、目論見通り良い状態のまま中断を迎えた富山。
今年も大外から追い掛ける立場になりましたが、前年勝ち点ゼロの差で昇格を逃したという悔しい経験が、最後の最後で生きる時は来るでしょうか。

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