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TV観戦 FUJIFILMスーパーカップ2025 ヴィッセル神戸vsサンフレッチェ広島

2025-02-10 16:00:42 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスでコートチェンジ。

神戸ベンチメンバー=前川(GK) マテウス・トゥーレル 本多 酒井 扇原 汰木 鍬先 大迫勇也 武藤

広島ベンチメンバー=田中雄大(GK) 山﨑 川辺 新井直人 菅 井上潮音 越道 満田 中村


タイトルの一角、と聞こえは良いスーパーカップ。
しかしあくまで開幕前の前哨戦という立ち位置で、前年のタイトル獲得クラブ(ただし今回は神戸がリーグ・天皇杯双方制覇のため、リーグ2位の広島が繰り上げ)にとってはチーム編成の順風ぶりをアピールする場であり。そして他クラブの研究材料に
それがここから、ACLが交わっての過密日程のスタートとなる試合ならば尚更です。
そのためこれが最後の開催という哀愁漂わせるレギュレーションですが、これから始まる長期戦を見据えて水面下で火花を散らすといったお互いのクラブ。

神戸は3日後にACLエリート第7節が控えているため、必然的にメンバーを落とさざるを得ない状況。
一方の広島も同じACLとはいえ中4日かつACLセカンドのため、その場でターンオーバーを仕掛けても何とかなるという思惑だったでしょうか。
唯一の例外が若手枠といえる中島(前年リーグ戦12試合・302分出場)と、ベストメンバー度合いでは差が付いたスタメンとなりました。
その中で劣る側の神戸において、注視したいのは長期離脱からの復帰試合となった齊藤のパフォーマンスなのは明白、というような構成に。

国立競技場というサッカーをするにはやや難がある環境で、この日もキックオフ前にコートチェンジが行われた上でキックオフ。
すると広島のペースで開幕する、スタメンが示した予想通りの展開に。
サイドチェンジを多用して神戸ディフェンスを揺さぶる、両ウイングバックの幅を存分に生かして神戸陣内でサッカーを展開していきます。

神戸は強度で劣るスタメン攻勢ななか、何とか長所のハイプレスで巻き返したい状況に。
しかしここでも広島は巧く、最終ライン間での繋ぎにより敢えてそのプレッシングを呼び込むスタイルを徹底。
流石に綺麗にかわすまではいかず、WBへハメパスを送る事も多々ありましたが、前に出させたうえで送るロングボールが良く効き。
後手に回った神戸ディフェンスがラインアウトを余儀なくされると、右スローインですかさず中野が飛距離を出して右奥を取る事を貫き。
二重三重にも相手がやられて嫌な所をひたすら突くスタイルは、この状態の神戸にとっては厄介な事この上ない、そんな風に映りました。

そして12分、先制点は武器の一つである中野の右スローインからで、ターゲットのジャーメインがワイドに開いて受けてからのパスワーク。
人数を掛けてボールを上下させる事で神戸ディフェンスの喰い付きを誘う、ここでも相手の脆弱な部分を突く攻め手の末に上げられた中野のクロス。
これを中央ででアルスランが見事に合わせると、放たれたヘディングシュートがゴールバー内側を叩きゴール内にバウンドした事で、齎されました。

泣く子も黙るといった攻勢によるゴールで、早くもリードを奪った広島。
その後もロングボール→スローインというコンボを続け、神戸をひたすら自陣へと追い込み。
巻き返したい神戸ですが、追い掛ける展開で肝となるボール保持の面も、広島のハイプレスにより乱れがちに。
サイドに叩いたボールをトラップできずにタッチを割るというシーンを量産し、尚も広島にスローインを与えてしまう悪循環に陥り。

19分に神戸が自陣浅めでの日高の奪取からカウンターに持ち込むも、フィニッシュには持ち込めず。
ここからやや硬直し、お互い最終ラインの裏を取りにいく展開に。
しかしやはりそこでも差異が見られ、21分の神戸は佐々木大が左サイドで降りて受け、パスワークで溜めを作ったうえで最後方からロングパス。
これに飯野が中央へ絞って抜け出しましたが、GK大迫敬が前に出てクリアと、執念の組み立ても実りません。
逆に広島は直後の22分、相手クリアを中盤で確保し、左への展開ののちすぐさま東がポケットへとロングパス。
これにアルスランが抜け出して奥から折り返し(繋がらず)と、神戸が前に出たいというスコア上の展開も巧く利用し、悠々と相手陣内奥でのプレーに持ち込む優位性を保ち。
23分に再度右スローイン、中野は今度は直接ポケットへと投げ入れ、収めた加藤がシュート(ブロック)と変化を付け。
この攻めが途切れた直後、塩谷が前に出てボール奪取と継続しアルスランがミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、全体前に押し上げての攻勢が続く広島。

何処を見ても劣勢が続く神戸ですが、保持で落ち着ける時間が殆ど無いのが問題、というのが個人的な感想。
前年のレギュラー陣が殆ど居ないなかでは仕方無いと言え、30分過ぎ辺りからその辺りを踏まえた立ち回りへと舵を切り。
岩波のフィード力を活かす攻撃、つまりはロングボールでのビルドアップの形を取り始めます。
岩波が送ったボールを、佐々木大や冨永がフリックで前線に繋げるという、単純ながらも強力な手法で攻撃権を確保。
そして33分に(両軍通じて)この日初のコーナーキックに持ち込むという具合に、奏功すると思われたこの神戸の変節。

しかし34分、右サイドで塩谷ロングパス→中野フリック→加藤と相手と同様の手法で奥を取りCKに持ち込んだ広島により雲散霧消され。
再び攻撃権を握る広島が敵陣でボール保持を続け、例によってサイドで人数を掛けたパスワークに持ち込んでから、スルーパス・ミドルパスでポケットを取りにいく攻めでプレッシャーを与え続けます。
神戸唯一の攻めは39分で、日高がパスカットしてからのカウンターで敵陣右奥へ持ち込んだ佐々木大。
中央への戻しから齊藤がミドルシュート(GK大迫敬キャッチ)とフィニッシュに繋げるも、齊藤のコンディションが良好な事をアピールするのがやっとであり。

その後も広島は左右を幅広く使う攻撃で、スローイン・CKも交えて好機を続け。
43分には中野のロングスローを、ジャーメインが直接ヘディングシュートに持ち込み。(GK新井章キャッチ)
45分にもロングスローの跳ね返りを荒木がヘディングシュート(GK新井章キャッチ)と、昨今流行りのロングスローの攻防でも優位性を示し。
得点は1点のみですが、このままでは(神戸の)逆転は望み薄という展開を重厚に描いた末に前半が終了します。

当然巻き返したい神戸ですが、ベンチにレギュラー陣が控えているのが強みであり。
しかしそれは予定調和的な采配に映る危惧も孕んでいるため、(勝利を目指すのであれば)何処で尻を叩くような交代策が出来るか。
早速ハーフタイムで飯野→汰木に交代と、1枚切ってきた吉田孝之監督。

キックオフからの攻めで、その汰木が入った右サイド奥へとロングボールを届け、采配をチーム力に還元せんと立ち回った神戸。
後半2分にクリアボールからの速攻で好機(小池が左からクロス)に繋げ、その意思を実らせんとします。

しかし根本的な部分、つまり広島の強度を上回る事は出来ず。
3分に佐々木大から反則気味に奪った荒木から反転攻撃に入る広島、中島→アルスランと経由しての前進を経て、中央のジャーメインへ縦パスが打ち込まれ。
ここでジャーメインが岩波に倒されて受けられず(反則無し)と、神戸ベンチが動いた事で、ピッチ上の雰囲気も開幕前の親善試合→真剣勝負へと変貌を見せたでしょうか。
際どいデュエルが膨らむ事で、再度広島優位へと針が振れた感がありました。

9分の神戸、ゴールキックで佐々木大を狙ったロングフィードから、空中戦を経てボール確保し前進を図り。
すると佐々木大のスイッチで広島ディフェンスを剥がす事に成功し、山内が中央突破から右ポケットへ決定的なパスを送ります。
走り込んだ汰木はポストプレイで再度山内に託す選択を採り、フリーで放たれた山内のシュートをGK大迫敬がセーブ。
こぼれ球を冨永が詰めたものの塩谷のブロックを経てゴールバーを掠め枠外と、悔やまれる決定機逸となってしまいました。
それでもゴールまで後一歩まで迫った事でムードを高めたかに見えましたが、左CKで継続したものの逆に広島のカウンターを招き。
田中聡→アルスランと繋ぎ、左ポケットへ送られたスルーパスに走り込んだジャーメインがシュート。
こちらも力んで枠外に終わったものの、依然としてペースと勢いで上回る絵図を見せる広島。

そして15分辺りで、再度カードの使用を図る神戸。
それも大迫勇・武藤・酒井の3人を一挙投入という手段に出、強引に広島を上回らんとします。

しかし広島も、その3人が準備完了となっても泰然自若と自分達の攻勢を続け。
ボール保持で神戸ディフェンスを揺さぶりながら、若い中島が要所で際どいスルーパス・間を通すパスを見せる事で観衆を沸かせつつ、好機を生み出します。
一向にボールが出ないまま、広島のCKで途切れたのが18分。
セットプレー守備の状況ながらも、これ以上待たされては……という事で交代に踏みきる神戸。
退いたのは本山・佐々木大・小池で、汰木が左ウイングに回ったものの酒井はそのまま左サイドバックに入り。

この広島の右CKを防いだ神戸。
21分に左スローインから、大迫勇がクロスという逆説的な好機ながらも、冨永がヘディングシュート(GK大迫敬キャッチ)とフィニッシュで終わり。
このまま主力組を利用して流れを変えたい所でしたが、22分に縦パスを受ける大迫が荒木に潰され、笛は鳴らずに広島の好機に。
そして左ワイドで持ったアルスランが、カットインで中央に移るとそのままエリア内へ進入と、多少強引ながらもシュート(齊藤がブロック)に持ち込み。
折角神戸が良い攻撃を見せても、散発的に留めてペースを作らせないという広島のこの日の流れはここでも健在であり。

そしてそれが得点にも繋がります。
以降ボール保持を続け、中島→アルスランというホットラインを経て、ジャーメインがペナルティアークで受けた所を山川に倒されて反則。
エリアからすぐ手前という直接フリーキックを得ると、ここで広島ベンチも動いて東・田中聡→菅・川辺へと2枚替え。
このFKこそ、中島の直接シュートが壁に防がれるも、こぼれ球を拾って右CKに持ち込むという具合に再度セットプレー。
キッカーは菅に代わり(以前は東)、上げられたファーサイドへのクロスを荒木が合わせヘディングシュート。
ゾーン守備の意識外から駆け込むという、典型的な攻略法により放たれたフィニッシュでゴールゲットとなりました。

これで苦しくなった神戸。
これまでの手法よろしく、ボール保持時には右肩上がりの布陣を取って地上での前進を図りますが、その上がる人材が酒井では無いという普段とは違う状態なのが苦しくあり。
逆の左サイドで絞り気味に残る酒井ですが、一向に右サイドで好循環が生まれないのを受け、左から大迫勇・汰木との連携で攻め上がり活路を見出します。(31分に広島はアルスラン→中村へと交代)

32分、左サイドでその3人によるパスワークで広島ディフェンスを喰い付かせた末に、大迫勇のスルーパスで裏を取り突破に成功。
一気に酒井・汰木の2人がボールに走り込む(受けたのは酒井)というやや珍妙な絵図ながら、生まれた好機でクロスがブロックされてCKに持ち込みます。
こうした相手の性質(マンツーマン気味に付いてくる)を利用し攻勢を作り上げたい所でしたが、一度付けられた広島優位の道筋を一変させるのはやはり難しく。
直後のCKで、またも広島のカウンターが発生した所を、齊藤が(中村へ)反則で阻止して警告という具合に悪い流れは払拭出来ません。

それでも終盤を迎え、広島サイドもパスミスが目立ち始め。
神戸がそれをモノに出来ない事で、悪く言えばダレてきたという印象が高まり。
40分に5人目の交代を敢行した神戸(日高→鍬先)、結局控え組のアピールとしての成果は厳しいの一言だったでしょうか。
44分に広島も最後の交代、中野・加藤→新井直・越道へと2枚替え。

45分、GK新井章が例によって大迫勇狙いのロングフィード。
この日は荒木に完全に抑えられているという空中戦でしたが、ここではこぼれ球を武藤の落としという2人掛かりでのポストワークから確保。
そして持った大迫勇が汰木へとスルーパスを送り、一度目は遮断されるもすかさずポケットへ送り返し、抜け出した汰木がクロス。
ファーで走り込む山内の前でクリアされるも、こぼれ球を拾って保持に入り。
敵陣での攻勢に入れたものの既に試合も最終盤、最終ラインへの戻しから大迫勇の裏抜けに賭ける事を余儀なくされます。
そして岩波のロングパスを左ポケットで受けた大迫勇、期待に応えて切り返しで荒木をかわしてからのシュートでゴールネットを揺らしましたが、オフサイドディレイの笛が鳴り無念のノーゴール。

最後の望みが絶たれるように、アディショナルタイム突入後は広島の攻撃ばかりが目立つ状態に。
深めに切り込んで(越道が)カットインを見せたり、戻して保持に入る選択をしたりと、あらゆる手段で時間を進めに掛かる広島。

意地を見せたい神戸、目安時間(+5分)を過ぎても尚続いた所で、最後の好機に持ち込み。
例によって大迫勇が加わっての左サイドからの攻撃で、(山内が)エリア内へスルーパスを送るも通らず、クリアボールを大迫勇がブロックして武藤が拾う状況に。
しかしシュートは打てずに終わり、結局無得点で終了となりました。

0-2で試合終了となり、制した広島はこれで通算5度目のスーパーカップ制覇との事。
メンバーの差異はあれど、逆に下位クラブに対する番狂わせは許さないという事を内容で示した一日だったでしょうか。

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