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TV観戦 2022YBCルヴァンカップ ノックアウトステージ決勝 セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島

2022-10-24 16:00:46 | サッカー視聴記(2022年その他)

<C大阪スタメン> 4-4-2
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB マテイ・ヨニッチ CB 鳥海 LSB 山中
RSH 毎熊 DH 奥埜 DH 鈴木 LSH 為田
FW 加藤 FW 上門
<広島スタメン> 3-4-2-1
GK 大迫
RCB 塩谷 CCB 荒木 LCB 佐々木
RWB 野上 DH 野津田 DH 松本 LWB 川村
IH 満田 IH 森島
FW ナッシム・ベン・カリファ

天皇杯決勝の衝撃の結末から間もないうちに、もう一つのカップ戦も決勝を迎え。

その両方を戦う事となった広島は、激戦空しく敗者となってしまった立場。
これで天皇杯は6度目の準優勝と、目前まで迫りながらもどうしても届かない大会と化しつつあり。
果たしてこのルヴァンカップでもそれは継続されるのか、あるいは呪いを置き去りにする事が出来るのか。

世紀のキックオフから、前半1分にその広島が先制攻撃。
セレッソの浮き球パスをダイレクトで塩谷が縦パスで繋ぎ攻守交替、カリファのラストパスをエリア内で受けた満田がシュート。(GKキムジンヒョンキャッチ)
そんな意気込みを肌で感じるファーストシュートとなりました。

しかし相手のセレッソも、前年にルヴァンカップ決勝で涙を呑むという雪辱を果たしたい立場。
広島の思い溢れる攻勢を跳ね返しつつ、4分にこちらも好機を迎え。
右サイドで毎熊が持つと、上門に託したのちスルーパスに走り込んでクロス。
このグラウンダーのボールに走り込んだのは上門で、ニアサイドで合わせてのシュートはゴール右へ外れと、毎熊・上門の2人で攻撃を完結する早い攻め。
セレッソは続く5分にも、裏へのロングパスを受けた加藤がエリア内右からクロス、中央で受けた奥埜がシュートと広島ゴールを脅かすもこれはオフサイドディレイで無効となり。
かくして、ともに悪い思い出を払拭すべくの戦いが幕を切られました。

立ち上がりにハイテンションな攻撃を見せたのち、ここからは様子見に入る両チーム。
相手が2トップのため、広島の3バックでのビルドアップは殆ど可変せず。
セレッソサイドもサイドハーフを加えてのプレスにいくかどうか、試合全体を考慮しての判断を常時行っているような立ち回り。
22分に左サイドからの広島の攻撃を受けるセレッソ、佐々木→森島への縦パスに対し、奥埜が森島に付くか前に出るのか迷いを見せてしまった事でそれを通してそのまま奥まで運ばれ。
そして川村のグラウンダーでのクロスが入る(シュートには繋がらず)というシーンのような、いわば中途半端な姿勢が危ぶまれる流れだったでしょうか。
そんな相手の姿勢からある程度余裕を持ってボールを回す事は出来た広島ですが、全体的な印象は天皇杯決勝の時と同様、ボールを失わない事を重視するような攻撃。

一方一般層(この日はフジテレビの放送)にもご存じとなった風である、今季の強みである広島のプレッシング。
主に最前線のカリファがセレッソのCBヨニッチに相対し、右SBの松田に対し左シャドーが付くという姿勢。
そのためセレッソは立ち上がりに見られた右サイドからの前進はある程度諦めざるを得ないといった攻撃の流れとなりました。
言い換えれば、どれだけ逆の左サイドから良い攻めが出来るかが試される事であり。
16分自陣で山中がパスカットに成功すると、こぼれ球を拾った鈴木がスルーパス、受けた加藤がカットインでエリア内左を突き。
前述の4分のシーン同様、早い攻めで好機を作りましたが、放たれたシュートはGK大迫にセーブされて先制ならず。
この他にも長短織り交ぜながら繋ぎ、山中がクロスを上げるシーンを量産させたセレッソの左サイドアタックでしたが、得点には至りません。

先制点を奪うよりも、奪わせないといった思惑が目立つ事となり、次第に膠着状態に。
そんな展開ではセットプレーの比重が大きくなるもので、28分の広島はカリファがポストプレイをする所にセレッソ・鳥海のチャージを受け倒れて反則。
これで右ハーフレーン・エリアからやや手前という位置での直接フリーキックを得て、野津田がこれを直接狙ったものの壁を直撃、こぼれ球がその前に構えていた川村に収まるもディフェンスに阻まれ追撃できず終わり。
一方のセレッソも、36分に奥埜が広島・佐々木に倒されて反則・FKを得ましたが、こちらは右サイド深めという位置。
キッカー鈴木は当然ながらクロスを選択、中央に上がったボールを奥埜が合わせヘディングシュートを放ちましたが、枠を捉えられず。

ともにFKから矢を放ち、セットプレーから一発で仕留める事が期待されたもののその機会自体が少ない展開で、CKも28分以降は得られず。
終盤に広島が押し込みを見せ、45分には左サイドで人数を掛け、一旦途切れるも松本のパスカットで継続。
そして川村の低いクロスが入り、中央で満田が合わせにいくもセレッソ・鳥海のチャージを受けて合わせられず(反則無し)、結局フィニッシュを放てず終わり。
良く言えばお互い隙を見せない、悪く言えばリスクを回避したというような全体の印象を残す、スコアレスのままで前半を終える事となりました。

セレッソサイドで思い出されるのが前年の戦い
名古屋との一戦で、前半は優勢に試合を進めながらも、後半に2点を奪われるなど流れを一変させられての敗戦。
その時は後半頭から、ベンチに控えさせていた中心的存在の清武を投入し勝負を賭けに入ったものの、皮肉にもそこからややバランスを崩す事となり敗着といった格好となりました。
この日もその清武がベンチに控えるという同じシチュエーションでしたが、ハーフタイムでは動きを見せず。
そんな不動の姿勢を取った事が奏功したでしょうか。

後半の入りも広島が攻勢に掛かり、再びカリファが広島・鈴木に反則を受けた事で右サイド奥からのFKを得たのが後半3分。
しかしここから、クリアボールを為田が拾ってセレッソのカウンターが齎された(シュートには繋がらず)事で、展開はにわかにセレッソペースとなります。
5分には敵陣右サイドで松田がボール奪取して好機に繋げるなど、勢い付いたか前掛かりな姿勢も見せていき。

そしてそれが得点に繋がる事となりました。
7分(記録上は8分)、セレッソの攻撃を切り最終ラインでボールを持つ広島、前述の奪われたシーンも過ったか佐々木はGKへのバックパスを選択。
しかしこれが短くなり、反応良く前に出たセレッソ・加藤がエリア内でカットに成功、GKと一対一という願っても無い好機を迎えます。
そして大迫を右にかわし、やや体勢を崩しながらも放ったシュートがゴールに突き刺さり。
値千金の先制弾を奪い、興奮のままゴール裏のサポーターに向かって吠える加藤。

その流れのまま押し切りたいセレッソは13分にもチャンス。
しかもGKキムジンヒョンのロングフィード一本という作り方で、抜け出してヘッドで受けた毎熊がそのままエリア内へ進入しシュート。
GK大迫のビッグセーブに阻まれるも、引き続きの右CKからもヨニッチがヘディングシュートを放ち、ゴール左へ際どく外れと脅かし続けます。

何とか試合を決められずに済んだ広島、15分にカリファが右サイドで突破を図り、囲まれて奪われるも野津田のパスカットで即時奪回。
そして満田が右ハーフレーン・エリア手前からシュートを放ち(ゴール右へ外れる)、反撃体制を整え。
18分には右サイドで人数掛けてのパスワークから、野上の低いクロスがニアサイドを突き、跳び込んだカリファのヘディングシュートが放たれましたがGKキムジンヒョンのセーブに阻まれます。
段々とパワーを持っての攻撃が出来るようになった広島、それを保つべく直後には松本→ピエロス・ソティリウへと交代。
最前線に入るソティリウを受け、カリファがシャドーへ・満田がボランチへと一列ずつ降り。

その後セットプレーから、19分に佐々木がヘディングシュート(枠外)・23分にカリファがヘディングシュート(ゴール右へ外れる)と同点を狙う広島。
それを受けたセレッソは、20分に鈴木が顔面にボールを受けて倒れ込んだり、23分に加藤が反則を受けると同時に足を攣らせてしまうなど(仕方無いにせよ)劣勢の様相を見せるに至ってしまい。
担架で運ばれた立役者の加藤の姿を受け、このタイミングで清武を投入するセレッソベンチ。(同時に上門→北野へと交代)

押され気味となるのは仕方無いですが、それでも落ち着かせる時間は確保したいというセレッソ。
27分にCKを獲得するもそこから広島のカウンターを招いてしまい、森島の右からのクロスにソティリウが合わせるも枠外に。
冷静さを保ちたいセレッソ、直後にはヨニッチがクリアにいった所に広島・カリファが足裏でチャージしてしまい反則・警告。
広島サイドの蛮行といえるシーンでしたがこれが伏線となり、結果的にその後の物議を醸すシーンを招いてしまいます。

31分、ハイボールの競り合いで再びヨニッチとカリファのやり合いとなり、今度はヨニッチの反則に。
すると次の瞬間、起き上がったカリファに対しヨニッチが激高して小突いてしまい、追加で警告を受ける事態となります。
しかしこれだけでは終わらないのが、VARというシステムが導入された現代のサッカー。
退場か否かで審判団はVARチェックに突入、OFRにまで発展するというヨニッチならびにセレッソサイドにとって緊張の瞬間となり。
そしてヨニッチがカリファに手を出した際に拳を握っていた、言わばパンチのような形になっていた映像が公に晒される事に。
言い訳の利かない形が出来上がってしまった末に、フィールドに戻ってきた主審(山本雄大氏)はヨニッチに対して赤いカードを突き出します。
退場処分となり、以降10人での凌ぎを余儀なくされたセレッソ。
すかさず(といっても長らく試合が止まっていたため35分)為田→西尾へ交代してCBを補充します。
<後半35分以降のC大阪> 4-4-1
GK キムジンヒョン

RSB 松田 CB 西尾 CB 鳥海 LSB 山中
RSH 毎熊 DH 奥埜 DH 鈴木 LSH 森島
FW 北野
一方の広島も同時に野津田→柏に交代、左ウイングバックに入った事により川村が本職のボランチに回ります。

といっても、セレッソがその形をハッキリ姿にし始めたのは39分の事。
それは、36分に山中が広島・野上のチャージを受けて激しく痛んでいた(反則・野上に警告)のが主要因であり、中々起き上がれずにベンチも一度は交代要員(舩木)を準備した程で。
しかし2分程経過して起き上がった山中、男気を見せてその後もプレーを継続するに至ります。
その後空中戦で北野を倒した荒木も警告を受ける(40分)など、退場者を出した事で荒さが浮き彫りになってきた試合絵図。

数的優位となった広島、当然ビハインドを跳ね返すべく攻撃権を支配。
セレッソの4-4-1ブロックの外側でひたすらパスを繋ぎチャンスを伺うその姿は、獲物を狙う虎、いや熊そのものといった所でしょうか。
しかし攻撃を切ったのちは、広島の最終ライン裏へアバウトに蹴り出すだけという、後は守り切るのみというセレッソの姿勢が強い状況。
それを前に中々フィニッシュを見出せず、45分に川村がミドルシュートを狙うも枠を捉えられません。
そしてアディショナルに入る直前に最後のカードを切る広島、塩谷・野上→柴﨑・茶島へと2枚替えするとともに、川村が最終ラインに降り佐々木が右に回るという変則的3バックに。
満田の1アンカー+2トップの3-3-2-2(3-1-4-2)に近いフォーメーションで、もはやDFを多くする意味は無い、と言わんとばかりの布陣に勝負を賭けます。

そして再び川村が放ったシュートがブロックされた事で右CKを得る広島。
VARチェックもあった事で9分という長丁場のATですが、得た好機はとにかく掴まなければ後が無い。
そんな思いも乗せながらの、キッカー満田のクロスから放たれたカリファのヘディングシュート、セレッソもこれを鳥海が眼前でのブロックで防ぎ。
しかし戴冠への思いが交錯したこのシーンは、それがあまりにも強かったのか鳥海が腕でブロックする形となってしまっており、プレーが途切れた(といってもこぼれ球をさらに荒木・カリファが立て続けにシュートしていたが)のちVARチェックに入る審判団。
そしてOFRとなり、先程のヨニッチの蛮行同様に鳥海の上げた腕にボールが当たるシーンが晒された結果、判定が覆り鳥海のハンド・広島のPKに。

先日の天皇杯と同じく試合終盤に得たPKですが、同点だったその時とは一転して決めなければ地獄、という場面。
託されたのはソティリウで、多大なプレッシャーのなかキッチリとGKキムジンヒョンの逆を突いてゴール右へシュート。
ついに同点に追い付き、文字通りに息を吹き返した広島。

こうなると数的不利の相手に対し俄然勢い付くものであり。
右サイドを押し込んで得た右CK、既に時間は10分経過と再度のVARチェックで長引いたATでしたが、最後といってもいいチャンス。
キッカー満田から上がったクロスにニアサイドで佐々木が跳び、流れるもその奥で合わせたのはソティリウ。
頭から跳び込んだかに見えての足で合わせるという高等技術で放たれたシュートがゴールに突き刺さり、劇的な逆転ゴールが生まれます。
得点を挙げたソティリウがユニフォームを脱ぐほどに、大興奮の渦に包まれる広島サイド。(当然ソティリウに警告)

耐えきれなかったセレッソ、最後の望みを託しキックオフ→鳥海のロングパスから攻め上がり。
パワープレイの如く前線に上がった西尾からシュートが放たれるも、GK大迫に抑えられて万事休す。
1-2で試合終了を告げる笛が吹かれ、広島がルヴァンカップならびに初のカップ戦制覇という栄光に辿り着きました。

その偉業に対し外野から言葉は要らないでしょうが、折りしも試合前日に、闘病中だった元日本代表FW・工藤の逝去が伝えられるという悲しみに包まれたサッカー界。
試合前の黙とうを始め、元同僚であり馴染み深い広島サイドは、工藤のユニフォームをベンチ掲げて試合に臨む事となり。
そんな不幸も乗り越えながら、また一歩強くなったという評価が相応しいでしょうか。


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