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DAZN観戦 2020年J2リーグ第36節 V・ファーレン長崎vs松本山雅FC

2020-11-27 18:41:08 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(34節・琉球戦)
※前回の松本の記事はこちら(34節・町田戦)

3位の長崎にとっては、とにかく結果が求められるであろう最後の5連戦。
上位2チーム(徳島・福岡)を唯一追い掛けられる存在として、佳境へ突入している昇格に向けての戦い。

その中でも、亀川やルアンと主力の長期離脱が目立って来ましたが、この日は二見・毎熊が4試合ぶりのスタメン。
故障があったかどうかは不明ですが、総力を結集させて悲願達成を果たさんとしているようです。

最終ラインでボールを繋ぐ遅攻が主体の長崎。
それに対し松本は最初に攻撃権を得るも形には出来ずと、やや大人しめの試合の入り。
長崎が1本コーナーキックを得ただけで、決定機は無く推移していきます。

そんな展開から一転、という程でも無いですが、反則という要素が緊張感を与えていきます。
前半9分に松本が、自陣からのフリーキックでありながら、喝を入れるようにキッカー・セルジーニョが直接エリア内へとロビングを入れたのがその切欠だったでしょうか。
その直後の10分、ボールを長崎・名倉に奪われたジャエルが、取り返さんとスライディングで名倉を倒してしまい反則・警告を受けたのが始まり。
14分に今度は逆のパターンで、前が奪う→秋野が前を倒す→反則という流れで、秋野にも警告が。
正直これはちょっと厳しめの判定では無いか……と思っていた矢先、16分にも警告が出されます。
今度は正真正銘、松本・浦田がパスを出した所、カイオ・セザールのアフターチャージで倒れるという妥当なもの。
短時間で3度も黄色いカードが突き出されるという、ピリピリした雰囲気に。(この日の主審は松尾一氏)

長崎はあくまでポゼッションによる遅攻の姿勢を崩さず。
FKは遠目からでもエリア内へと送る姿勢の松本に対し、敵陣で反則を受けても、簡単にクロスを入れたりはせず繋いでいきます。
それでも、離脱者(亀川・米田)によるサイドバックの推進力不足は隠せず、それをカバーしようと名倉・氣田のサイドハーフが果敢に仕掛けていく攻撃。
19分に名倉がエリア手前から、25分には名倉のカットインから氣田がシュートを放ち(前者・後者ともブロックに阻まれる)、積極的な姿勢を見せていきます。
前回の5連戦から継続し、この日まで7試合連続のスタメンと、欠かせない存在になっている名倉。
一方の氣田も4試合連続のスタメンと、この両翼(?)が橋頭堡となりつつあるのでしょうか。

遅めの飲水タイム(27分)を挟んだ直後は、松本が一転して攻撃権を支配。
伝統のロングパス攻勢に加え、ポゼッションの割合も増やしつつある新旧融合の攻撃はこの日も健在で、そんな相手に押され気味の長崎は31分に再び警告を受けてしまいます(氣田)。
さらに32分自陣でのパスミスをジャエルがエリア内左で掻っ攫い、そのままシュートという絶好機となりましたが、ここはGK徳重がセーブ。

この時間帯を凌いだ長崎、するとペースを奪い返すのに成功。
ここでも目立ったのは名倉・氣田の2人で、彼らを中心にドリブルやワンツーを絡めての前進による攻撃。
そして41分、中盤でのパスワークから氣田がドリブルで前進ののちエリア内へスルーパス、走り込んで受けた富樫がバックパス。
エリア手前で氣田→名倉→玉田と渡り、後ろ向きで受けた玉田が反転しつつのボールキープからミドルシュート。
外側からカーブを掛けたボールがゴール左を襲い、GK村山も見送るしかない絶妙なコースに突き刺さり。
これぞベテラン、という玉田の美技が炸裂し、長崎が欲しかった先制点を挙げました。

ビハインドとなった松本はアディショナルタイムに攻勢を掛け、最後はエリアからすぐ手前での直接FK。
これをジャエルが直接狙うも、壁を直撃しモノに出来ず、前半を終えます。

低迷期から脱出したものの、既に今季の昇格の芽は無い松本。
そんなモチベーションを失っても可笑しくないチームですが、唯一上位クラブとの対戦では善戦。
成績が芳しくなかった前半戦も、福岡に勝利(1-0)・長崎に引き分け(2-2)と、中々の結果が残っています。

そして監督を代えて臨んだ後半戦、最初の試合で徳島に引き分け(1-1)と意地を見せ、ここから建て直しの道を歩んだ松本。
32節・福岡戦では再び1-0で勝利と、ダブル達成を果たすに至ります。
昇格を争っている3クラブに対しここまで5戦で、2勝2分1敗と立派に渡り合い、そして最後に残ったこの日の長崎戦。
前回の長崎戦は0-2から追い付いての引き分けであり、この執念をこの日も発揮する事となります。

ハーフタイムで両軍動きを見せ、長崎は江川→鹿山に交代。(毎熊が右SB→左SBへ)
松本はジャエル→阪野へと交代しました。

同点に追い付きたい松本は攻勢を掛け、後半1分にはクリアボールを拾った塚川が右サイドからクロスを上げると、ニアサイドでセルジーニョが合わせますが威力無くGK徳重がキャッチ。
6分はセルジーニョの佐藤とのスイッチから左サイドへ、そして高橋からのクロスを阪野が頭で合わせますが、戻りながらとなったシュートは浮き上がり枠外に。
この2つのシーンに象徴されるように、良い形は作っても良いフィニッシュに結び付かない。
逆にその間にも長崎の攻撃に晒され、2分にはパスワークで崩された所を、秋野が際どいミドルシュート。(ゴール右に外れる)
7分には右サイドをワンツーで突破した氣田からグラウンダーのクロス、これを受けた玉田がシュートするも何とかブロック。
質の高い長崎の攻撃が目立つ事となりました。

質の長崎・量の松本という攻撃が繰り広げられる後半の展開。
松本はセルジーニョが幅広く動きボールを引き出す事で、質の差をカバーしようとするも如何ともし難く。
そうなるとベンチも最初に動き、15分に前・浦田→杉本・鈴木へと交代します。
一方の長崎も、20分に玉田・富樫に代え、大竹とエジガル・ジュニオを投入。
この期に及んで出場してくるエジガルの存在で、質の面ではいよいよ絶望的な差を付けられる松本サイド、そんな事を想像してしまいました。

双方交代が為されても大まかな展開は変わらず、挟まれる飲水タイム。(25分)
そして再開され、尚も攻め上がる松本に対し、28分に長崎のカウンターが炸裂。
奪ったボールを氣田が拾い、大竹が右サイドへスルーパスを送ると、走り込んで受けたのはエジガル。
そのままドリブルで一気にエリア内へと進入し、松本を絶望の淵に落とすシュートが放たれようとしましたが、何とかブロックで凌ぎます。

何とか同点に追い付きたい松本、尚も手数を増やすものの次第に息切れ。
34分には左でのスローインから、セルジーニョが浮かせるフリックの後、阪野のポストプレイを受けてエリア手前からシュート。(ゴール上へ外れる)
ボールの出し手・受け手・そしてフィニッシュと、何でもこなさんとするセルジーニョ。
逆に言うと、それだけやらないと長崎のような質の高いチームには追い付けない、という事を証明するようなシーンでしたが。

終盤を迎え、松本ベンチは大きく動きます。
39分に高橋・常田→田中・中美へと交代、フォーメーションを4-4-2へとシフトします。
先んじて交代枠を使い切っていた長崎(33分にカイオ・氣田→加藤・畑)に対し、こちらも最後の交代。
2トップにはセルジーニョ・阪野、最終ラインは右から田中・橋内・大野・鈴木と、勝負を賭ける布陣変更なのは明白の松本。

しかし長崎とミラーマッチ風になってしまったのが拙かったか、意気込みとは裏腹に長崎が攻撃権を独占してしまいます。
ここで追加点を奪われるのは決定的であり、それを防がんとした佐藤(名倉のドリブルにスライディングで反則)が警告を受ける等、凌ぎの時間帯を強いられる松本。
44分には再びエジガルが持ち込み、畑とのワンツーを経てエリア内に進入してシュート。(ブロック)
45分には大竹がエリア内からシュート(ブロック)と、同点どころでは無い展開を描いてしまいます。

そしてATに突入した後もペースを握ったままの長崎。
しかし敵陣深めでFKを得ると、キッカーの加藤は時間稼ぎに出たのか、散々フェイントした挙句に遅延行為で警告を受けてしまいます。
時間を使う行動は王道ですが、腰が据わっていないようであったこの場面の加藤。

尚もボール支配する長崎に対し、3分が過ぎた所でようやく攻撃に出る松本。
エリア内へのロングパスを阪野が胸で落とすもクリアされ、拾おうとした塚川が長崎・名倉に倒されて反則。
最後のチャンスともいうべき右サイドからのFK、クロスを上げるという場面で、GK村山までもが前線に上がります。
そしてセルジーニョからエリア中央へとクロスが上がり、GK村山が合わせようとする手前で跳び込み、ヘディングシュートを放ったのは塚川。
長崎のGK徳重のセーブも及ばず、土壇場での同点ゴールとなりました。

歓喜に沸く松本サイドの一方、目前の勝利が逃げていく事態に襲われる長崎。
最後にキックオフから攻め上がり、右サイドから加藤のクロスがファーサイドへ向かい、名倉が合わせにいく決定機を作ります。
しかし名倉のシュートは枠を捉えられず、試合終了の笛が。
先んじて2位・福岡が引き分けで終えていただけに、長崎にとっては痛すぎる引き分けとなりました。

一方、再び長崎相手に追い付いての引き分けという結果となった松本。
力量差に立ち向かい、意地を結果に表す事となった上位との対決を終え、後は残り6試合で何処まで順位を上げられるか。


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