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TV観戦 第100回天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会準々決勝 ブラウブリッツ秋田vs福山シティFC

2020-12-25 17:09:13 | サッカー視聴記(2020年以前)

前回の天皇杯の記事-5回戦・Honda vs 筑波大

<秋田スタメン> 4-4-2
GK 田中雄大
RSB 鈴木 CB 千田 CB 韓 LSB 輪笠
RSH 久富 DH 江口 DH 山田 LSH 茂
FW 中村 FW 井上

<福山スタメン> 4-1-2-3
GK 平田
RSB 帷 CB 高田 CB 田中憧 LSB 徳永
DH 曽我
IH 礒江 IH 田口
RWG 隅田 CF 吉井 LWG 高山

圧倒的な強さで今季のJ3優勝を果たした秋田。
優勝を決めるまで28戦無敗と、一気に駆け抜けたという成績を描きましたが、その反動からか残り6戦で3敗。(1勝2分)
総失点18という少なさですが、その6戦で10失点という過半数を記録してしまうなど、露骨な失速が成績に表れています。
天皇杯はそんなネジの緩みを直す格好の機会であり、ここで勝利してフルメンバーのJ1クラブと相対したい。
そして善戦して来季に繋げられれば、といった立ち位置でしょうか。

一方の福山シティFC、現状は地域リーグ(中国リーグ)のさらに下である、広島県リーグ所属との事。
文字通りに並み居る強豪を蹴散らし、ここまで辿り着いたのは見事の一言です。
ポゼッションスタイルを指標としているとの事で、堅守vs攻撃サッカーの図式が成り立つ事となったこの試合。

試合が始まり、いきなり秋田が攻勢。
ロングパス重視で、そこから押し込んでの攻撃という単純明快なものですが、何せそのパワーが凄まじい。
相手ボールになっても、激しいプレスでパスを繋がせず、即時奪回で得点を狙いにいく。
ディフェンスが何とか逃れても、セットプレーでさらに攻勢を掛けるという圧力の強さ。

生半端なポゼッションではあっという間に餌食になりそうな(実際に今季のJ3でそうしてきたのでしょう)秋田のスタイルに、やはり福山の立ち上がりは難儀なものとなりました。
ロングスロー攻勢に四苦八苦する入りになったと思いきや、続いてコーナーキック攻勢を浴びる破目に。
前半5分の秋田最初の右CK、一旦クリアするも二次攻撃で逆サイドの左からクロス。
ファーサイドで中村が跳ぶも合わず、と思いきやその奥で鈴木が拾いシュート。
ブロックで凌ぐもさらにCKとなり、今度はニアサイドへの低いクロスを鈴木がヘディングシュートにいき、これも何とかブロック。

冷や汗ものの連続となる福山、そのプレッシャーに負けたかビルドアップが壊滅状態に。
7分には千田が敵陣でカット、そのまま攻め上がった所を曽我に倒されて反則、エリアすぐ手前の直接フリーキックとなります。
キッカー江口は当然直接シュート、カーブを掛けてゴール左を狙うも惜しくも左へと外れ、またも難を逃れます。
しかしその後も自陣でのパス回しの段階でカットされるシーンの連続で、一向に秋田のプレッシャーから抜け出せず。

14分の秋田のCK、キッカー江口のクロスを中央で韓浩康(ハンホガン)が合わせヘディングシュート、しかし寸前で曽我が頭でブロック。
尚も江口のクロスから中村にヘディングシュートを浴びるも、これは枠外に。
ホッとしたのも束の間、直後に茂の前線でのカットから再び秋田が決定機、茂がそのままエリア内に入りシュート。
GK平田が何とか足で触って右ゴールポストに当たったものの、跳ね返りを茂が再度シュートしてゴール。
これだけ至近距離でシュートを浴びれば必然、というような先制点となりました。

その後も久富や井上がシュートを放つ場面を作った秋田。
福山は20分頃からようやく敵陣までパスを繋ぐ場面を作り、22分には右サイドで隅田がドリブルののち、中央から田口のミドルシュートが生まれるも枠外に。
やっと一の矢を放った、という所で飲水タイムへ。

インターバルが挟まれると、その後の福山は持ち味を発揮します。
序盤のビルドアップは極めてオーソドックスで、2センターバックとボランチ(ないしはGK)による3人の三角形を基本とするスタイル。
しかしインサイドハーフ2人への道筋を封じられ、後ろに下げた所にプレスを浴び、ボールを失うという悪循環から脱出できずという流れでした。
そこでボランチの曽我が最終ラインに降り(主にCBの脇へ)、礒江がボランチの位置を取る事で解決を図るなど工夫が見られたこの時間の福山。
序盤は全く上がる事が出来なかったサイドバックも、徐々に高い位置で受ける事が出来るようになります。

ようやくボールを握り攻撃するという自分達のサッカーを発揮する福山。
それでも好機を得るには時間が掛かり、38分に曽我の縦パスを受けた高山が反転した所、秋田・千田に倒されて反則。
エリアからすぐ手前の直接FKとなり、キッカー田口が直接狙うも壁を直撃、モノに出来ず。
しかし流れは確実に掴んでおり、40分には相手のお株を奪う敵陣左サイドでのパスカットから、中央へと繋ぎ高山がエリア内へ縦パス。
CFの吉井がポストプレイの体勢で受けてキープ、クリアされたのち右サイドから隅田のクロスが上がるも合わず。
エリア内にボールが通るというシーンを作り、試合を盛り上げます。

そして結実したのが41分でした。
左サイドを中心にパスワークののち、高山のスルーパスに走り込んだ吉井がシュート。
GK田中雄が弾いた所を詰める吉井、角度の無い左からのシュートながら見事田中雄のニアサイドを破り、同点のゴールを突き刺しました。

これで後半を迎えられれば……と思った所に落とし穴が。
終了間際に再び秋田のセットプレー攻勢となり、ロングスロー→CKと続いた所、そのCKから失点。
キッカー江口がニアサイドにクロス、これを韓がフリックでファーサイドへ送ると、久富が拾ってシュート。
トラップから間を置かずという難しいシュートだったものの、右サイドネットに突き刺して勝ち越し点を挙げた久富。
2-1となり、秋田のリードで前半を終える事となりました。

ハーフタイムで、福山は高山→高橋へと交代。
後半も「自分達のサッカー」を貫きにかかる福山。
ボールを握りパスを繋ぐというスタイルは不変であり、後半はこれにドリブルも混ぜて崩しに掛かります。
後半6分、中盤でMF3人が三角形でのパスワークののち、礒江が右サイドへスルーパス。
受けた帷がドリブルでエリア内右へと進入しグラウンダーでクロス、中央で吉井が合わせるもブロックされ、奥にこぼれたボールに高橋が跳び込んでシュートしますが惜しくもゴールの左。
これが後半最も惜しかった場面だったでしょうか。

その後も時折サイドチェンジを交えたりと、相手守備を崩さんとする試みを見せる福山。
17分、中盤で曽我から吉井へパスが渡ると、吉井はドリブルで中央突破。
秋田・千田のスライディングを受けて倒れてしまうも、礒江が拾いドリブルした事でアドバンテージ。(ここは正直警告相当ではなかったか?)
しかし礒江はエリア手前まで進むも撃ち切れず、しかもこのプレーで吉井が負傷退場してしまうという追い撃ちが。(ソンホギョンと交代)
一方の秋田も、後半一向に流れを掴めぬ展開を受け21分に2トップを共に交代。(中村・井上→田中直基・北脇)

飲水タイムを挟み(23分)、秋田も反撃。
パスカットを経て、久富の突破力を活かしての攻撃を展開するもシュートまでは結び付かず。
しかしその久富も29分に退き(青島と交代・茂が左サイドハーフ→右SHへシフト)、以降再び福山がボールを握っての攻撃という絵図になります。

38分にはCKから、キッカー礒江の中央へのクロスに帷が合わせヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
40分にはCBの田中憧がドリブルからミドルシュート(ブロック)と、圧力を掛けんとしますが、秋田の守備を破るには至らず。

その後はペースダウンを強いられる福山。
秋田はGK田中雄のロングフィードからの攻撃でその間隙を突きます。
そして42分、GK田中雄ロングフィード→山田前へ落とし→北脇と繋がった所を、福山・高田の足が北脇の顔面へと入ってしまい反則に。(高田に警告)
これで絶好の位置からのFKとなった秋田、キッカー江口は直接シュートを狙い、壁のすぐ上を越えてゴール右へ。
GK平田は(壁を信頼して?)逆側に張っていたか、(キッカーから見て)左へ動いてしまっておりゴールイン。
貴重な追加点で勝利を手繰り寄せました。

2点差でアディショナルタイムへと突入。
それでも必死にボールを動かし好機を伺う福山でしたが、守備を固めるだけとなった秋田の前に、有効打は放てず。
結局3-1のままタイムアップを告げる笛が鳴り、準決勝に進出したのは秋田となりました。
同時刻に行われたHondaと徳島の試合も、徳島が3-0で勝利し、アマチュアチームは全滅の運びとなった準々決勝。

Jリーグ入りを目指している福山ですが、元Jリーガーの所属は数えるほどという現状。
監督の小谷野拓夢氏も未だ22歳という若年と、明らかな発展途上のクラブ。
初の天皇杯出場で、ここまで駒を進められたのは上出来といえ、良い経験となった事でしょう。

勝ち抜いた秋田、途中怪しい展開にもなりましたが、無事にJクラブの貫禄を見せて準決勝へ。
その相手はJ1王者・川崎と、誰が見ても厳しい戦いとなるのは明白でしょうが、意地を見せられるか。


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