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DAZN観戦 2024年J2リーグ第37節 横浜FCvs栃木SC

2024-11-07 16:00:16 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の横浜FCの記事はこちら(35節・仙台戦、0-3)
※前回の栃木の記事はこちら(34節・愛媛戦、1-1)

<横浜FCスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 35節から「あと1勝、ないしは相手(3位の長崎)が勝利できず」という昇格リーチだが、今節まで決められず。
  • 前節(岡山戦、2-4)出場停止だったガブリエウがスタメンに復帰。
  • 高橋が累積警告により出場停止。
  • 武田が今季限りでの引退を発表。
  • 負傷離脱から復帰の室井は、24節(水戸戦、2-2)以来の出場。

<栃木スタメン>

  • 前節(清水戦、0-1)の結果により降格が確定。
  • 長期離脱していた福森健が前節復帰して途中出場、今節スタメンに。

奮戦及ばず降格という結果になってしまった栃木。
それでも戦績を見れば、夏場の中断明けからは2勝(5分5敗)のみというものなので納得感もあり。

「J2・J3を往復するクラブ」の割合も近年膨れ上がっているJリーグ。
今季降格が決まった栃木や群馬も、2度目のJ3に足を踏み入れる事となりますが、昇格後の歩みから見ても依然として「J3に定着しても可笑しくない規模のクラブ」であり。
J2→J1への昇格と違い、それ自体が大したブーストにならないのは一目瞭然であり、定着のためには知恵と工夫そして手段が必要なのは明白。
補強と、それに掛けられる費用の面で苦しさがにじみ出る立場な以上、この段階でコケてしまえば低迷は避けられず。
来季は逆に這い上がるための努力をするシーズンですが、仮に1年で昇格を果たしても、復権には長期的視野が不可欠でしょう。

さて、この日の相手は昇格リーチの横浜FC。
といっても足踏み続きという、栃木とは逆の立場で藻掻いている状態を強いられているクラブ。
そしてこの日はスタメンを5人変更と、「あと一つ」をつかみ取るための采配が功を奏すか、それとも試行錯誤地獄に嵌るかの分水点の試合となったでしょうか。

櫻川が1トップに入った事で、アバウトなボールを前へ送るスタイル(ターゲット・裏抜け双方を使う)で入った横浜FC。
硬さが内容に表れるのが明らかな状況で、それを少しでも和らげる手法を取り。

言わずと知れた、そのフィードの中心となるのは福森晃ですが、この日は栃木も同姓の福森健がスタメンに復帰。
そして彼もプレースキッカーを務める、同等の立場となり。
10分に左サイドからの攻めでスルーパスを供給する福森健、すると櫻川のアフターチャージを受けて反則並びに警告対象となり。
これで得た遠目からのフリーキック、福森健は当然というべきか放り込みを選択し、中央へ上がったクロスに大谷が合わせにいくもGK市川がパンチングで掻き出し。
その姿に発奮を見せたか、福森晃の方も17分に左サイド中盤からのFKで放り込みを選択……と見せかけ、短く繋いだのちにンドカの放り込みと変化を付けます。

この「相手の上位互換を見せ付ける」ような立ち回りが奏功したか、その後栃木陣内で空中戦に持ち込まれると、クリアにいった福島のハンドを誘発。
これで中央やや左の、絶好の位置で直接FKを得た横浜FC。
当然キッカーは福森晃で、その「悪魔の左足」を炸裂させる舞台が整います。
そして満を持して放たれた直接シュート、外から巻く軌道で壁を越えたものの、ゴール左へ外れてしまいモノにならず。

流石にアバウトな立ち回りの一辺倒では苦しくなるのは明白で、20分が過ぎると、地上での繋ぎも選択肢に入れ始める横浜FC。
しかし室井や中野が裏抜けで良い所を見せていたため、これがズレを生んでしまったでしょうか。
23分にパスミスをラファエルに拾われて栃木が矢印を反転、左サイドを運んでいき、スルーパスに走り込んだ福森健が奥からクロス。
跳ね返されるも、拾った玄のミドルシュートがゴールを襲い、エリア内で(ンドカが)ブロックと何とか防ぎます。

この日の横浜FCは、やはり長いボールを使っていくのが費用対効果の面では有効で、29分に福森晃が対角線のロングパスを山根に通し。
その後カプリーニを走らせる浮き球パスは遮断されるも、繋ぎ直したのち自ら右奥へ切り込む山根。
クロスはブロックされるもコーナーに持ち込み、キッカー福森晃のクロスをガブリエウが合わせヘディングシュート(GK丹野キャッチ)と、クロス攻勢に舵を振っていき。
この日の山根は「大して切り込まず、精度の低いアーリークロスを連射する」という以前のイメージとはほぼ決別し、度々奥へドリブルしては、入れられるクロスの質も多種多様と変化を付け。
過去2試合の不調ぶりから脱却させたい、という意欲が如実に表れていた1人だったでしょうか。

後方から福森晃を中心とした組み立てと、前線で威力を発揮する山根・中野・室井というスピードアタッカーにより、再三ゴールに迫る横浜FCですが1点が遠く。
一方栃木の攻撃機会は散発的で、ターゲット(矢野)狙いのロングボールが(横浜FCディフェンスの強度により)全く有効打にならず。
そしてサイドからの攻めでたまにアタッキングサードに持ち込める、という流れで、一言で言えば不発。
45分に久々の攻撃チャンスが訪れ、横浜FCのプレッシングを引き付けて中央から運ぶ状況となるも、組み立てのためにボールキープする玄がプレスバックを受け奪われてしまい。
この試合ならびに現代サッカーにおけるスピードの重要性に、やや置いていかれた感じがするプレイメーカータイプの選手、という絵図に。
これのいなし方を発揮出来なければ、徳島ではレギュラーは難しいといった印象を残しました。

結局スコアレスのまま前半が終了。
膠着している故に動き辛く、ハーフタイムでの交代は無く後半開始。

長崎の結果をアテにする訳にはいかない横浜FCが、立ち上がりからロングボール中心で果敢に仕掛け。
後半3分に前線でカプリーニが反則を受け、右サイドからのFKでキッカー福森晃のクロスを、櫻川が中央で合わせヘディングシュート。(ゴール右へ外れる)
5分には小倉が右ワイドの山根へロングパスを通し、そのまま奥へ切り込んでクロスと、前半の攻めの流れを保ちます。

しかし栃木も、ボックス内の守備で何とかやらせず、無失点を保ち。
11分に一瞬の隙を突き、中盤でパスカットした福森健のドリブルが(山根に)反則で止められ、このFKで福森健がクロスを入れるという具合に同じ体制で応戦。

このぶつかり合いが副作用も生んでしまい、12分には室井のドリブルを反則で阻止した玄が警告を受け。
続く13分にはスルーパスを受けた石田が小倉のスライディングにより倒れた事で反則・警告と、お互いカードの量産体制に表れてしまい。
これがお互い、その後の展開を難しくしてしまった感があり。

先にベンチが動いたのは栃木で15分、カードを貰った玄を退ける采配を見せ大森を投入。(同時に石田→森俊に交代)
しかし尚も横浜FCが攻め上がる流れで、17分に長短のパスで中盤で動かした末に、右サイドで山根が裏へロングパス。
走り込んだ櫻川のクロスはブロックされるも、こぼれ球に対し素早く駆け込んだ山根が再度クロス。
低い軌道でニアを突いた所、ラファエルのクリアが入りましたがこれがあろう事かゴールへ向かってしまい、GK丹野がキャッチと危機一髪の場面に。

難しい展開と化した事で、このまま守りきるのも困難と判断した栃木。
その後右スローインの連続で深めまで押し込み、何とかこじ開けを狙う意識を見せるも実りは少なく。

そんな前掛かりになってきた相手に対し、横浜FCは22分のカウンター発動(左サイドでスルーパスに走り込んだカプリーニがクロス)を切欠に背後を突きに掛かり。
29分には右サイド奥でロングパスを受けたカプリーニ、切り返しから上げたクロスは実らずも、こぼれ球を繋げて再び彼の下へ。
今度は中央寄りという位置で、躊躇わずミドルシュートを選択したカプリーニでしたがゴール右へと外れ、どうしても先制点を挙げられません。
次第に燃料切れも露わになり、25分に中野・室井→村田・パウロへ2枚替え。
そして30分にカプリーニ→伊藤と、交代カードを切っていく四方田修平監督。

栃木ベンチも、31分に福森健・大島→高嶋・山本へと2枚替え。
これにより福島がウイングバックへと上がり、右に入った事で森俊が左WBと、ポジションチェンジが絡み。

時間も進み、お互い前への意識は強まるも、疲労感には勝てず。
そのため間延びした布陣となり、相手がそこでボールを持つと、撤退のみを早くしてリトリートに入るという具合に一変するサッカーの絵面。
前半からずっと、ボール保持で落ち着く時間が殆ど無い展開だった故に、その分消耗も早まってしまったでしょうか。

こうなると、これまで押され気味だった栃木にも勝つチャンスが生まれ。
投入された高嶋の長い飛距離のスローインにより陣地回復、そして敵陣でロングスローに繋げるという具合に、無理矢理気味ながらその風穴を広げんとします。

39分、ガブリエウのロングパスに詰めた山本がブロックし、ラインぎりぎりで拾い直した事でディフェンスに遭って左からその高嶋のロングスローに。
これが中央まで跳ぶボールとなり、矢野がフリックで合わせファーに流れた所に、足から跳び込んだ福島。
合わせれば1点という場面でしたが、ミートしきれずそのままラインアウト。
おまけにその福島が足を攣らせてしまい起き上がれない事態にまで繋がり、決定機逸の代償はあまりにも……と言いたくなるシーンに。
結局倒れたままピッチ外に移され、その後交代の運びとなります。(川名を投入、森俊が再度右WBに回る・42分)
同時に横浜FCも、小倉→井上へと交代。

昇格を決めたい横浜FCですが、ゴールどころか攻勢を保つ事すら叶わずに44分再度栃木の決定機。
またもロングスローで、今度は右から投げ入れた高嶋のボールが先程と変わらず中央まで届き、ラファエルが合わせヘディングシュート。
……と見せかけて実際はガブリエウのクリアがゴールに向かったもので、これが右隅を突く強烈なフィニッシュと化した所にGK市川が横っ飛びでセーブ、しかし容赦なく襲い掛かる大谷の追撃のシュート。
これもGK市川が倒れたままキャッチと防ぎきり、守護神ぶりを最大限に発揮。

この奮起を攻撃に繋げたい横浜FC。
45分に村田が左ワイドから切り込むも、栃木の堅守ぶりも依然として健在なためカットインに切り替え中央へ。
そしてミドルシュートと、何とかこじ開けんとするフィニッシュも高嶋のブロックで防がれ、試合はアディショナルタイムを残すのみとなります。

何とか1点が欲しい横浜FC、そのホーム(ニッパツ三ツ沢球技場)のスタンドの声援も悲壮感漂うものに。
中盤からのFKで福森晃が放り込み、そこからまたも村田が左からカットインを経てミドルシュートを放ち。
森俊のブロックに阻まれ、尚も繋がんとした所を奪われて栃木のカウンターと、疲労感は誰の目にも隠せない状態。
しかしその栃木の攻撃も、撃てずに切られたのちGK市川のフィードから逆に横浜FCがカウンターと、試合終盤らしいオープン極まれりの展開に。

それでも最後は、栃木のリトリートに対し横浜FCがボール保持から崩しを図る状況に持ち込まれ。
しかし結局果たせず、ガブリエウの手前からのクロスに終わった所で、試合終了を告げる笛が鳴り響きました。

最悪の結果にはならずも、またも勝てなかった横浜FC。
その後長崎勝利(千葉戦、2-1)の一報を受けた事で、最終節にまで伸びる事となった自動昇格。
勝ち点差は3ながら、得失点差は僅か1なので、(横浜FCが)敗戦・(長崎が)勝利で入れ替わりが必至という状態にまで持ち込まれてしまいました。
それでも、まだ有利な状況には変わらず。
この日取り戻した無失点サッカーを保てれば良く、決して慌てぶりが露わとなる試合は見せたくない所でしょう。

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