※前回の松本の記事はこちら(33節・栃木戦、0-1)
※前回の長崎の記事はこちら(39節・栃木戦、3-0)
10試合未勝利と、負のサイクルから抜け出す事が出来ず仕舞いとなった松本。
ここ4試合では3引き分けと善戦するも、最下位である以上とうていそれだけでは足りず、前節終了をもって降格確定と相成ってしまいました。
その要因としては概ねこの記事の内容に納得です(特に2度目の栃木戦の下り)が、個人的には選手の大幅入れ替えがここまで大きなマイナス要因になった事に愕然としており。
やはり大幅な転換は重大な影響を与えかねないものだと、開幕前にこんな事を書いていた自分自身の認識の甘さにも反省したい気持ちで一杯ですが、兎にも角にも来季はJ3へ戦いの場を移す事を強いられる松本。
そんな茨の道を締めくくるかのように、ホーム最終戦が組まれた最終節。
3-4-1-2のフォーメーションを多用している名波浩監督以降のスタメンですが、この試合で観たようにプレッシングに甘さが目立つのが今季の松本。
そうなると故障者続出で最終ラインが脆弱な5-3-2のブロックでは守り切れない……という試合が多くあったので、個人的には素直に3-4-2-1にした方が良いのではと思ったものですが。(試合中の微調整でも、3-3-2-2へのシフトが多い)
FW・ルカオやボランチ・安東、センターバック・橋内といった、故障に苦しめられた選手が復帰して迎えた最終戦。
また後半戦は全く起用されていなかったFW・横山が久々のスタメンに名を連ね。
前半2分の最初のチャンスで、佐藤が果敢にミドルシュートを放っていく(GK富澤キャッチ)など、背負っていた重荷を下ろすかのように積極性を見せる松本。
7分には左サイドのスローインから、横山の落としを受けた安藤がグラウンダーでサイドを変え、受けた宮部がエリア内右に進入してシュート。(ゴール左へ外れる)
一方の長崎はカイオ・セザールが欠場し、キャプテンマークは毎熊が付けるという、31節・山口戦(3-1)以来の光景が。
松本の攻勢にも慌てず、普段通りのディフェンスで跳ね返しつつ、長短を織り交ぜた攻撃でゲームを支配せんとします。
カイオ不在により本職のボランチに戻った加藤大が上下動してボールを引き出しつつ、好機を演出していくのが印象的でした。
立ち上がりは一進一退といった展開でしたが、次第に松本の空回りが目立ち。
17分に右サイドから安東のクロスが上がり、ニアサイドでルカオが落として中央で横山がシュートチャンスを迎えましたが、ミート出来ずに終わります。
来年以降の星として期待される横山ですが、裏抜け以外のプレーでは若さ故の甘さが露呈してしまう、というのは前半戦とさして印象は変わらず。
それでも22分にセットプレーでチャンスを迎える松本、左サイドからのフリーキックでキッカー・セルジーニョのクロスを、中央ややファー寄りで野々村が合わせヘディングシュート。
しかし右ゴールポストを直撃してしまい決められずとなり、若手がフィニッシュに絡むも結果を残せなかった第1クォーターの松本。(23分に居飲水タイム)
昇格はならなかったものの、上位(4位)に居座る力を発揮したい長崎。
ブレイクが明けると、左サイドバック・加藤聖のフィードが冴え渡り始めます。
26分、その加藤聖のロングパスを受けた都倉から植中→ウェリントン・ハットと渡り、ハットがエリア内へスルーパスを送るもブロックされ。
しかし直後に再度、自陣での加藤大のボール奪取で攻撃権を得た長崎、加藤聖の裏へのロングパスが都倉に渡る黄金連係。
左サイドで松本・橋内との対峙からグラウンダーでクロスを入れた都倉、ニアサイドに走り込んだ植中が合わせ、「ゴールへのパス」の如きシュートで先制点を齎します。
これで2桁得点の10点目に乗せた植中。
以降も加藤聖を軸に攻撃を作る長崎は33分に決定機。
自陣左サイドでのスローインから、返しを受けた加藤聖が斜めの縦パス、左ハーフレーンで受けた加藤大がすかさず裏へスルーパス。
抜け出した植中がエリア内でGKと一対一という絶好のシーンとなりましたが、放たれたシュートはGK圍がセーブして2点目はならず。
こうして見せ続けた裏狙いの攻撃は、他の起点でも有効となり。
36分には鍬先のロングパスを都倉が走り込んで受け、エリア内右へ進入してシュート、しかしこれもGK圍のセーブに阻まれます。
続く39分には、ハットの右→左のサイドチェンジを加藤聖が受けると、米田に託したのち前へと走り込む加藤聖。
そしてリターンを受けて左ハーフレーンからシュート(松本・常田がブロック)と、フィニッシュにも顔を出し、松本ディフェンスを混乱させます。
何とか地元で意地を見せたい松本、終了間際の45分に再度横山に好機が訪れ。
長崎のコーナーキックからのカウンターで、セルジーニョのスルーパスを受けて左ハーフレーンをドリブルで突き進む横山。
そしてエリア内左へと進入しますが、シュートは撃ち切れずディフェンスに遭いモノに出来ません。(放送席では横パスを選択したとの事)
結局0-1のまま前半を終え、この日も好機を掴めなかった横山、ハーフタイムで榎本に交代となってしまいました。
そんな訳で、どちらかというと後ろ向きな交代に見えた松本。
その姿勢を突くように早々の後半1分にボールキープする松本・佐藤に対して植中がプレスバックして奪取、鍬先のスルーパスを受けた都倉が持ち運び、エリア手前左からエリア内へと短いスルーパスを送り。
走り込んだ米田からのクロスが上がり、ファーサイドでハットがヘディングシュートを放つと、GK圍のセーブも及ばずボールはゴール内へ。
最初の好機をキッチリとモノにした長崎、0-2とリードを広げました。
何とか反撃したい松本。
6分に長崎・加藤聖に対して榎本がアフターチャージしてしまい、警告を受けたものの、起点となっていた加藤聖を抑える姿勢が功を奏したでしょうか。
以降ボールを握り、最終ラインから繋ぐ事で好機を作る松本。
迎えた10分常田の左→右へのサイドチェンジから、右サイドで人数を掛けてパスワーク、一旦はスルーパスが遮断されるもセルジーニョが拾ってクロス。
ファーサイドに上がったボールを大外で外山が折り返し、榎本が頭から跳び込んで合わせにいき、こぼれた所を宮部が押し込み。
人数を掛けた攻撃で1点を返し、反撃の狼煙を上げます。
同時に佐藤・安東→稲福・河合へと2枚替え、名波監督の十八番である3-3-2-2(3-1-4-2)へのシフトを敢行した松本。
これがプロ初出場となったユース上がりの稲福、しかも1アンカーという重責を担う事となります。
尚もペースを維持して長崎を押し込んでいく松本、14分・15分と立て続けにセルジーニョがシュートを放ち。(前者・後者共にブロックに阻まれる)
その傍らで、15分にルカオが長崎・加藤聖にオフェンスファールを犯すと、両軍激高して(特にセルジーニョが)ヒートアップしてしまうシーンも見られます。
逆転に向けてテンションも高まりを見せる松本と、それを受ける格好となった長崎。
しかし20分には長崎・鍬先が、松本・河合のスライディングをまともに受け(反則無し)、痛んでしまい続行不可能となる餌食になってしまいます。
鍬先が担架で運ばれ長崎が10人になっている最中、今度は松本・ルカオが長崎・江川のチャージを受けて倒れ込んでしまうなど、テンションの高さが別方向へと向かってしまっていたこの時間帯。(ルカオは無事に復帰)
そんなタイミングで取られた飲水タイムは最高(?)のブレイクとなり、明ける際に鍬先と併せて2枚替えを敢行した長崎。(鍬先・加藤聖→磯村・澤田、米田が左サイドハーフ→左SBへシフト)
以降はどちらともいえない流れになり、松本は31分に橋内→田中パウロ淳一へと交代。(野々村が中央CB・宮部が右CBへ回り、パウロが右ウイングバック)
起点となる加藤聖が退いたものの、32分には江川のロングパスを都倉が収め、敵陣でサッカーを展開する長崎。
最後は米田のミドルパスを都倉がエリア内へと落とし、走り込んだ植中がシュートするも惜しくもオフサイドを取られ。
長崎ペースの匂いが漂うものの、34分には植中が足を攣らせてしまう再度のアクシデントに見舞われ。
ここで植中に代え、今季限りの引退を表明している玉田を投入した長崎ベンチ。
未だ若年ながらも、アンカーとして攻撃を組み立てる松本・稲福。
35分にはその稲福が最終ラインで展開したのち、左サイドで受けてクロスを上げると、中央でルカオがヘディングシュート。(GK富澤セーブ)
一方の長崎、38分に玉田のパスを受けたハットがエリア内へスルーパス、走り込んだ加藤大のクロスがこぼれた所に玉田が反応して反転シュート。(ブロック)
松本は稲福の成長、長崎は玉田の花道と、情緒的な雰囲気を醸し出してきた試合終盤。
40分に松本が決定機を逃し(河合の縦パスをエリア内で受けた榎本がシュート・GK富澤が足でセーブ)、アディショナルに入った後は、玉田の最後の雄姿が存分に発揮され。
CK攻勢に入った長崎、キッカーを玉田が務め、1本目は左からのクロスを都倉が合わせヘディングシュート。(GK圍セーブ)
2本目は右から同じくクロスが入り、バウンドしたボールがファーへ流れ、毎熊が跳び込んで頭で合わせ。(枠外)
その後も好機が訪れる長崎、玉田がパスを散らして組み立てたのち、右からハットクロス→都倉ポストプレイを経て再度玉田の下へ。
そしてシュートを放った玉田ですが、枠を捉えられずと名残惜しいシーンとなりました。
その間にも松本は反撃を試みましたが、そんな送り出しの雰囲気には勝てず。
1-2のまま試合終了となり、未勝利が11戦に伸びた末にシーズンを終える事となってしまいました。
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