ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

2021年J2リーグ第37節 FC町田ゼルビアvs松本山雅FC in町田GIONスタジアム

2021-11-05 18:23:13 | サッカー観戦記

祝日(文化の日)という事で、J1・J2全試合が組まれた水曜日。
尚、J1の方はルヴァン杯決勝を挟んだため(名古屋・セレッソ以外は)休養十分でしょうが、J2の方は平常運転で連戦というキツい日程となっており。
数多ある選択肢から選んだのは、今季から天空の城へと変貌を遂げた町田・野津田。
当然選んだ座席はバックスタンド3階と、勇んで町田・鶴川へ向かいました。

登山をしない以上バスで向かう以外に選択肢は無い。
甲府は前払いでチケット制、徳島は無料、さてここ町田は……。
普通に後払いでした。
一般の市バス(まあ厚別開催時の札幌もそうですが)に乗り込み、いざ直行。

 

襲い掛かる半渋滞

町田街道は交通量の多さにも拘わらず基本1車線のみなのが、祝日という要素もありモロに影響してしまったようで。
HPには所要時間20分とありましたが、これはもっとかかりそうかな……。

と思っていたら、20分そこそこで何ら問題無く野津田公園に到着。
この牛歩状態は織り込み済みだったようです。

そしてそこに待ち受けていたものは……

ゼルビーランド。
多くの出店で賑わう中、早速その輪に入ってみると……

 

RPGか!?と心の中で突っ込まずにはいられないデザイン。
サポーター=天空の城へと向かう戦士、という事なのでしょう。中でモンスターに倒されない事を

そんな少年心を擽る空間で、ガチャガチャを1回回し、グッズコーナーを物色し……。
といっても大きな散財はせず。

ガチャガチャの中身は……ビール片手のゼルビーでした。
酒大好きな自分ですが、昼間の試合故に呑むのは試合後と決めていたので誘惑には負けん。

珍しくアウェーの商品も取り揃っていたグッズコーナー。

 

結局選んだのは、どちらとも食に関するものとなり。
松本はこの他にも、カルビー・ポテトチップスとコラボするなど、食品でのチーム発信に余念が無いようで。(ただしポテチはこの日は無し)
一方、サッカーグッズとして有名になりつつある浅田飴。
火付け役は大分・片野坂知宏監督のような気がしますが、浅田飴がスポンサードしている町田でもしっかりと売られていました。

 

バルーンモニュメントにライブステージなど、ウィルス禍から抜け出して平常の試合開催風景に戻りつつある。
そんな雰囲気を目で感じながら、昼飯を購入してスタジアム内へ。
事前のスタジアムグルメ情報を観た時点で心を奪われていましたが、選択したのはローストビーフカレー。
少々張る値段を身に沁みつつ、美味しく頂きました。

メインスタンドの様子。

高所からの観戦と、向かう前に「ピッチから遠くなりすぎやしないか」「選手達は小さくしか観えないのでは」という懸念をしていましたが、そんな事は無く。
むしろ兼用スタジアムでは中々難しい、俯瞰視点での観戦を存分に堪能する事が出来ました。
これは何度でも足を運ぶ価値はあるでしょう。

反面、そんな居心地のためかサポーターもバックスタンドに陣取るようになってしまっており。
おかげで閑散としつつあったゴール裏。
まあこれは入場制限が無くなった時にどうなるかでしょうな。

場内で買った追加の食糧(おにぎりandマリトッツォ)を食していると、試合前のパフォーマンスが。

 

バックスタンドの眼前で行われたチアパフォーマンス。
開幕で組体操を披露したのち、ダンスへと移行。

こうして観ると、主に中央後列に上背のある子が配置されており。
中央でポストワークを頑張るセンターフォワードか……などと、重度のサッカーオタクっぽい考えを浮かべつつ鑑賞しました。単に目立つ場所に年長の子を配置した感ともいう

 

そんなダンスの輪には加わらなかったゼルビー。(チアの入場の際にハイタッチはしていた)
今まで自分が観て来た、可愛い形のマスコットとは一線を成す、クールさが売りというイメージ。
しかし織りなす雰囲気に抗えなかったのか、RPG風のコスプレをしての場内一周でした。

 

魔導士ゼルビー。

そんな試合前の雰囲気とは裏腹に、切羽詰まった感が表れていたのが松本。
現状J2最下位という危機的状況で、是が非でもここから勝ち点を持ち帰りたい立場。

試合前から長々としたメッセージをつづった断幕が掲げられていましたが、練習時間の段階ではさらに追加されます。

 

果たしてサポーターの願いは叶うのか。

練習の最中、町田サイドで目立っていたのがスキンヘッドの指導者。

町田でスキンヘッドといえば、説明不要のランコ・ポポヴィッチ監督。
しかし試合前にして、監督自ら練習の輪に加わるとは……

と場内では勝手に思っていましたが、後に調べた結果、腹心のヘッドコーチ(ヴラディッツア・グルイッチ氏)も同様のヘアースタイルであり。
よって、あれはグルイッチ氏の姿だったのでしょう。

その他、松本では田中パウロ淳一の緑髪に視点を奪われつつの練習観戦となりました。

尚、町田選手登場の際には、バックスタンドから火花が立つ演出が。
この存在が、後に(自分の脳内で)一悶着起こす事になるとはこの時は想像出来ず。

そして練習が終了し、スタメン発表の時間がやって参りました。
アウェイ・松本の簡素なメンバー紹介ののち、いよいよホームサイドの紹介へ。
DAZN中継でお馴染みの音楽(丁度注目選手紹介~監督インタビュー辺りでかかっているもの)をバックに、と思いきや……。

このタイミングで再度火花が立ち、しかも今度は爆音の効果音付き。
思わず悲鳴を上げそうになってしまう程で、音楽の印象はたちまち薄れてしまう事となり。
正直この演出は微妙だな……と感じましたが、その後さらにその思いが強まるとはこの時は(略

深津が出場停止なため、ディフェンスリーダーには必然的に高橋が。
水本はベンチに留め置かれ、相方には森下を起用してきました。

その他は前回観た際(35節・栃木戦、0-0)と変わらぬメンバーでしたが、サイドバック・奥山と三鬼の左右が入れ替わっていたのが差異。

 

町田が誇る鉄板のドイスボランチも、連戦も何のそのでしっかりスタメン。

町田初のJリーグ入りを実現させたポポヴィッチ氏。
今度は初のJ1へ押し上げるのが仕事となりましたが、残念ながら今季は善戦したもののほぼ絶望的に。
果たして来季は叶えられるでしょうか。

そして選手入場の時間が。
個人的に最も好きなアンセム(参考動画)をバックに、テンションを上げて迎える体制を……。
と思いきや、登場口にかかっているスモーク演出が気になって仕方が無い。

只ならぬ雰囲気を醸し出しつつ、現れる審判団と選手達。
しかもここで再度火花(当然爆音付き)演出が起こり、再びビビらされます。

 

アンセムを楽しみつつ……という思いにふけれず残念がっている自分を尻目に、整列完了。
尚、後にDAZNで確認した際はさほど目立っていなかった爆音。
バックスタンドという近距離故の影響だったようで。(ようは自分が悪い)

そんな特異な雰囲気が影響したのか、スタメンの図を撮り忘れるという失態をしてしまいました。この日のスタメン

<町田 4-4-1-1>
GK 福井
RSB 奥山 CB 森下 CB 高橋 LSB 三鬼
RSH 吉尾 DH 佐野 DH 高江 LSH 太田
ST 平戸 FW 中島
<松本 3-4-2-1>
GK 圍
RCB 宮部 CCB 野々村 LCB 常田
RWB 下川 DH 佐藤和弘 DH 安東 LWB 外山
IH 河合 IH 山口
FW 鈴木

松本の方は、故障離脱が長かった元水戸コンビ・山口と安東が揃ってスタメン。
これは今季初との事で、何とか起爆剤にしたい、という所でしょうか。

試合開始の笛が鳴り、早速の前半1分、佐野のスルーパスが中島に通って好機。
平戸のエリア手前からのシュートが炸裂し、GK圍にセーブされるも、これが文字通り町田攻勢の号砲となります。
直後のコーナーキックでも、クロスがクリアされたのちにまたも平戸がシュート、GK圍のセーブで再度CK。
このCKが一つの揺さぶりとなっている町田、キッカーを平戸・吉尾の2人で使い分けると共に、ショートコーナーも絡めてクロッサーを判り辛くしての攻撃を見せ。
松本は早くも防戦を強いられる事となりました。

6分には右サイドから高江がロングシュートを狙う(枠外)など、やりたい放題になってきた町田の攻撃。
その状況を改善しようと松本は段々前掛かりな姿勢が見られましたが、それが仇となります。
9分左サイドに開いて持ち上がった高橋がミドルパス、これ一本で松本の裏を取り、走り込んだ太田がグラウンダーでクロス。
そしてファーサイドで吉尾が合わせシュート、ゴールネットに突き刺して先制点。

早々の先制ゴールで、かつ以降もペースを握りっぱなしの町田。
松本エリア内でのプレーを量産させ、大量得点も夢では無いムードになって来ましたが、2点目を奪えぬまま飲水タイムへ。(23分)

広告無し、という男らしいスタイル。(しかしアディショナルタイム表示の際にはあった)

ブレイク明け、松本は山口を1列上げて3-4-1-2気味へとマイナーチェンジ。
前線2人によるプレッシングに活路を見出さんとしますが、これが更なる深みに嵌る要素となります。
町田はボランチを1人降ろした、後ろ3枚でのビルドアップが冴え渡る事となり。
「そんな拙稚なプレスでは我らは乱れん」というメッセージを発するように、以降フィニッシュ地獄ともいうべき攻勢を見せていく町田。

26分には吉尾のドリブルを松本・常田が反則で止めて警告。
そのフリーキックで、キッカー平戸は変化を付け、高江→吉尾とグラウンダーで繋いだのち中央遠目から吉尾がシュート。(枠外)
29分には平戸のスルーパスに走り込んだ太田がエリア内からシュート。(GK圍セーブ)
33分にも右サイドでのパスカットから素早く縦に繋ぎ、高江がエリア内からシュート(GK圍セーブ)と松本ゴールを脅かし。

松本は勝ち点を持ち帰るどころか、下手したら虐殺スコアで敗れかねない状況。
何とかゴール前で凌ぎ希望を繋がんとします。

いきなり裏へスルーパスを通されたのをはじめ、試合序盤から前からいくのか後ろで守るのか中途半端な印象だった前半の松本。
飲水タイム後は前からいく事に舵を切ったようでしたが、2枚でのプレッシングがかえって仇となり。
連動して3枚・4枚とプレスを掛けられるような体制は作っていなかったのでしょうか。(出来ていたら目下4連敗中とはなっていないと思われ)

結局町田は攻め続けたものの、2点目はお預けとなり前半を終えます。

ハーフタイムの最中、再度場内一周するゼルビー。
正直、コスプレを脱ぐとか別のコスプレとか何かしら変化が欲しかった所でしたが気にしない。

その変化が何より欲しい状況なのは松本。
HTにベンチは動き、元水戸コンビ(安東・山口)を諦め、榎本と伊藤を投入します。
そして佐藤和をアンカーにした、3-3-2-2(3-1-4-2)のフォーメーションへとシフト。(鈴木がシャドーに降りる)

それでも町田からペースを剥がすには至らず。
多少はパスワークで攻め込めるようになったものの、やはり目立つのは町田のシュートシーン。
後半4分に平戸がシュート(枠外)、6分に太田がシュート(枠外)と、危険なエリアから撃たれる場面が続きます。
しかし町田サイドは、6分に三鬼が足を痛め続行不能となってしまい。
岡田を投入し、そのまま左SBへ配置します。

ムードが変わりかねない状況となりましたが、9分にそれを振り払う得点が。
吉尾の右サイドでのパスカットから、敵陣中央で平戸と太田がパス交換で揺さぶった末、吉尾が中央やや右からシュート。
左足で巻くシュートでゴールマウスを捉える、綺麗なゴールとなり待望の追加点を挙げた町田。

意気消沈しても仕方が無い状況の松本を尻目に、さらに攻める町田。
12分にはCKの流れから佐野がミドルシュート。(枠外)
15分には太田の中央突破から、中央で細かく繋いだのち平戸シュート(ブロック)→中島シュート(ブロック)と連撃を浴びせ。
松本は18分に再度2枚替え、外山・鈴木→パウロ・小手川へと交代しますが、大量失点が現実味を帯びてくる展開となってきます。

しかし19分に、町田がセットプレー(FK)から高橋がヘディングシュートを放ち(ブロック)、防いだ松本が逆にチャンス。
自分が上記の攻撃のメモを取っているうちに、いつの間にか榎本がエリア内右へと進入する事態になっており。(後に映像を見返した結果、小手川のスルーパスを受けてそのままドリブルで進入)
そして切り返しから放たれた榎本のシュートがネットを揺らし、1点を返した松本。
スタジアム内に嫌な雰囲気が過りますが、22分に平戸のスルーパスから太田がエリア内でシュート(GK圍セーブ)と、依然として流れは町田。

そして飲水タイムを挟んだ(25分)所で、松本は最後の選手交代。
前節復帰を果たしたセルジーニョを投入し全てを賭けます。(河合と交代)
一方の町田も、その直後(27分)に吉尾・中島→長谷川アーリアジャスール・ドゥドゥと2枚替え。
双方のベンチワークが交錯し、第4クォーターに挑みます。

ロングパスをドゥドゥに後ろ向きで受けさせるなど、イメージとのギャップも見られたその後の町田ですが、迎えた29分。
佐野のロングパスを受けた平戸が右サイドでキープ、追い越した長谷川アーリアへスルーパスが送られると、長谷川アーリアからの低いクロスが中央へ。
これをGK圍が跳び込んでかき出しますが、こぼれ球に佐野が走り込んで勝負あり。
再び2点差に突き放す3点目を挙げた町田。

しかしサポーターのメッセージの通り、諦める事を許されない松本。
32分に右サイドで伊藤が町田・森下の反則を受けてのFK。
キッカー・セルジーニョのクロスがピンポイントで中央に入ると、叩き付けるヘディングシュートを放ったのは榎本。
ゴールネットに突き刺し、榎本のこの日2ゴール目で追いすがる松本。
町田にとっては深津不在が重くのしかかった格好で、僅少差で終盤を迎えます。

こうなると、同点を目指さんと俄然勢い付く松本。
36分に再度榎本がヘディングシュートを放つもGK福井がキャッチ。
38分には左CKから、セルジーニョがショートコーナーを経て、クロスと見せかけてシュートを放ちますがこれもGK福井がキャッチ。
アンカーの佐藤和の脇に、セルジーニョ・小手川のどちらかが降りてくる事で、ビルドアップが円滑となったのが要因でしょうか。

一転してゴールを脅かされる展開となった町田。
最後の交代は40分で、平戸・太田→水本・安井へと2枚替え。
前線の選手を削ってCBの水本を入れた事で、5バックの体勢(3-4-2-1)を敷くのは明白であり、守備固めに入ります。
その直後に安井のディフェンスからボールが繋がり、佐野が際どいシュートを放つ(GK圍セーブ)場面が見られましたが、以降松本の攻勢を受けに回るのが基本形に。

何とか町田ディフェンスをこじ開けたい松本。
サイドで人数を掛け、パスワークののちにクロスを入れるまでは持ち込めるものの、フィニッシュに繋げられぬままATへと突入します。
尚も右サイドから、CBの宮部が攻撃に加わりクロスを入れるシーンを量産する松本。
そこから小手川がヘディングシュートを放ったりしましたが、やはりゴールを奪う事は出来ず。
最後は時間を使う展開に持ち込んだ町田、無事に試合終了の笛を聞き届け。
3-2のまま、ハラハラドキドキながらも勝利を挙げる事に成功しました。

帰りも当然バスを利用しましたが、鶴川では無く町田駅まで向かうバスを選択。
その結果、運行会社も異なっていたため、料金前払いと往復で差異が。

勝利した事で、新潟をかわして6位に浮上した町田。
4年前の2018年にクラブ最高順位(4位)を記録した事は記憶に新しいですが、3位・長崎とは勝ち点差5で、その更新が残された今季の目標となるでしょう。
一方の松本は最下位脱出ならず、18位との差も広がり。
日に日に降格が現実味を帯びてくる中、乱戦に持ち込んだこの日も勝利出来ずとあっては、もはやなるようにしかならない状況でしょうか。


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