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DAZN観戦 2022年J2リーグ第22節 V・ファーレン長崎vsザスパクサツ群馬

2022-06-22 16:01:38 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(20節・栃木戦、3-2)
※前回の群馬の記事はこちら(16節・岡山戦、1-0)

<前節からの変更>

長崎=11人とも変更無しと、監督交代があっても動じないという事をアピール。しかし控えでは、秋野が1年以上に渡る長期離脱から復帰しベンチ入りというビッグニュース(?)が。

群馬=前節負傷退場したセンターバック・畑尾に代わって藤井が入る。(とはいっても前節畑尾と途中交代した本人なのだが)それ以外は不変で、出来たベンチの穴には渡辺が4試合ぶりに入った。

スタメン

折り返し地点に辿り着いた事で、動きを見せるクラブもチラホラと合わられ。
しかし最も懐疑的な要素を含ませたのが長崎で、丁度連勝していたにも拘らず、松田浩監督退任(と書いたが解任だったのかは不明)というニュースが流れる事となりました。
そしてすかさず外国人監督の招聘(ファビオ・カレーリ氏)が決まったとあり、直近の結果に拘わらずの決定事項だったのか、ないしはフロントとの意識のズレの表れかといった疑問が浮かび上がり。
様々な思いが駆け巡るのはサポーターも同様だったようで、松田氏への感謝を示す断幕のメッセージが(中継でも)一際目立つ事となったこの試合。

さて、カレーリ氏の登録まで暫定監督を務める事となったのは原田武男氏。
現役時代に「ミスターV・ファーレン」の称号を得、現在ユース監督の立場であった原田氏ですが、トップの監督経験は2017年に北九州(当時J3)で1年のみ存在し。
それでも新監督の橋渡しが求められる立場で、前節からスタメンに手を加える事はせず。
しかし試合前インタビューでは攻撃でのテコ入れを匂わすコメントを残すなど、微調整の結果がグラウンドにどう表れるかが注目されました。

そんな中試合が始まったものの、それが表れる前にデュエル合戦の様相に。
開始から間も無い前半1分に早くもエジガル・ジュニオが群馬・風間の足裏を受け、反則・警告という大荒れを予感させるシーンが生まれ。
直後の2分には長崎サイドも中盤で反則を犯すなど、ぶつかり合いの中どう自身のリズムを保つかが試される試合となった感がありました。

群馬がいつものように、右肩上がりの基本形を取っての攻撃で何度か好機を作る立ち上がり。
長崎のプレッシングもショートパス主体でかわす(7分)など、流れを得る事に成功したかに見えました。
それでも山根を軸とした左サイドでの攻撃が中心と、ややギャップがあったのは確かであり。

対する長崎は、群馬の強度をかわすようなロングボールでのビルドアップが主となり。
苦しさが滲み出ていたような立ち上がりでしたが、慣れ始めたのか次第に切り替わり。
9分には細かいパスワークで中央突破、加藤・エジガルのワンツーも交えて植中がエリア内を突き、彼のラストパスを受けたエジガルがシュートするもGK櫛引がセーブ。
これで好循環が齎されたのちの11分でした。
今度は左サイドからの攻めで、スルーパスを奥で受けた澤田が一度転倒してロストするも何とか繋ぎ直し、尚も細かく繋いだのち加藤大がエリア内左へ短いスルーパス。
走り込んだ鍬先からグラウンダーのクロス、ファーサイドに流れる所に待ち構えていた植中がシュート、左サイドネットへと突き刺す逆サイド→逆サイドへのゴール。
ドイスボランチ双方が前に出ての攻撃という、目新しさが光る先制点となった長崎。

尚も14分に自陣で植中がプレスバックでボール奪取、拾った奥田がドリブルで中央を長距離持ち運び、エリア手前でそのまま自らシュート。
ゴール右を襲ったもののポストを直撃と、惜しくも逃してしまった長崎。
一方先制された事で群馬は浮足立ったか、長崎のプレッシングをかわせないシーンが目立ち。
何とかサイドで人数を掛けて前進しても、上記のシーンのように奪われる事で逆にカウンターを招くという、自陣・敵陣双方で悪循環を招きかねない流れとなります。
そんな群馬は縋るように、立ち上がりに好機を齎していた左サイドから攻撃。
山根と加藤潤也の関係性を軸として攻め上がるほか、GK櫛引からのフィードも山根に当てるボールが多くなり。

長崎の攻撃は、群馬と同様にサイドバックの片方を寄せるという最終ライン3枚でのビルドアップという、原田氏による微調整の色が表れ始め。
しかし群馬とは対照的に左肩上がり、村松が中に絞って米田を中心に仕掛けるという方策で、右肩上がりの群馬の背後を突くような思惑だったでしょうか。
攻守双方で手を焼く群馬、それによる一瞬の隙が命取りとなります。

29分最終ラインを中心に左サイドを軸としてパスワークを展開する長崎、そこから江川が一気に中央裏へとロングパスを送る変節を見せると、走り込むエジガルが群馬CBを振り切りエリア内で収める決定機に。
そして一対一の状態で放たれたシュートをGK櫛引は見送るしか無く、2点目のゴールが生まれました。

やってはいけない2点目を与えてしまった群馬。
これですっかり消極的となり、左サイド一辺倒での攻撃からはシュートは繰り出せず。
そして目立つのは長崎のシュートシーンばかりとなります。
自身が得点出来た事で、エジガルはその後も溌溂としたプレー。
33分には植中がこぼしたボールを拾うと、そのままロングシュートを狙うも枠は捉えられず。
45分にはゴールキックの跳ね返りを拾うと自らドリブルで運び、そのままミドルシュートを放つもブロックに阻まれ。
シュートを量産していったエジガルでしたが、今までの決定力不足(前節までで3得点)を払拭するのは1試合のみでは厳しかったようでした。

道中、米田が足を痛めて1分以上倒れ込むシーン(38分)が見られたものの、無事に復帰し大過無く前半を終えた長崎。

横浜FC戦の再現を果たしたい群馬は、ハーフタイムに田中→深堀へと交代。(高木がFW→右サイドハーフに回る)
何とか反撃の狼煙を上げるべく、前半の攻撃に深堀の裏抜けを交えつつ押し込みます。
しかし後半5分に押し込んだ末に山根が奪われてのカウンターに持ち込まれ、そこからコーナーキック攻勢を受ける事に。
前半と同じく、人数を掛けた末に奪われる事で委縮しかねない流れとなった所で、事件が発生します。

9分、左サイドで山中→加藤潤ポストプレイ→山根受けてスルーパスという流れで深堀が受けた所に、追走した長崎・江川が足を掛けて倒してしまい反則。
シュートまで繋げられるかは微妙な所でしたが、主審は躊躇わずに赤いカードを突き出し、決定機阻止の判定で退場となった江川。(なお、この際主審・先立圭吾氏が出したレッドカードが丸型だった事で物議を醸したようですがここでは触れない)

10人となってしまった長崎(12分の交代まで、村松がCBに回り鍬先が右SBに回る)、まだ時間は30分以上残っており判らないという流れに。
しかしこれで得た群馬の直接フリーキックは、キッカー山中のシュートが大きく外れ。
以降ボールポゼッションは必然的に高まったものの、4-4-1の長崎に対して最終ラインの人数が過剰といった感じで、崩せる雰囲気は高まらず。

12分に長崎が奥田→奥井へと交代、右SBに入った事で鍬先がボランチに戻り。
エジガルの1トップという布陣(植中は右SH)で、前監督を彷彿とさせる4-4のブロックで守りに入る長崎。

スペースを消されては生きないという事か、15分に群馬は山根を退かせ。(天笠と交代)
何とかCK攻勢に持ち込んだ17分、キッカー風間のクロスをGK富澤がパンチングで弾くも、そのボールをエリア内で拾った高木がシュート。
ブロックされた跳ね返りを再度高木がシュートするも右へと逸れ、尚も拾って繋ぐ群馬、山中がミドルシュートにいくもブロックに阻まれ。
渾身の連撃も、長崎の強固なブロックを割る事は出来ません。

23分に植中が足を痛めた(攣った?)所で、長崎は再度ベンチが動き。
植中・エジガル→秋野・山崎へと2枚替えした事で、復帰戦の運びとなった秋野がボランチに入ります。(加藤大が右SHへシフト)
同時に群馬も岩上→奥村へと交代。

今季初めて(トランスコスモススタジアムの)ピッチに入った秋野が、直後にエリア内へのミドルパスで観衆を沸かせる(26分、山崎が合わせにいくも撃てず)一方で、ひたすら長崎のブロックの外でパスを回す事を強いられる群馬。
しかしそこから繰り出されるのはせいぜい手前からのクロスと、一向に運気は高められません。
逆に29分にミスから長崎にショートカウンターを許す(山崎がエリア内を突くも撃てず)と、続く31分にはGK富澤からのビルドアップ。
米田の見事な左→右へのサイドチェンジでプレスを剥がされると、流れるようなパスワークでエリア内左へと運ばれ、澤田のシュートが放たれるもGK櫛引が足で何とかセーブ。
どちらが数的不利なのか判らないようなシーンも作られます。

それでも何とか、左サイドに開くボランチの奥村から、奥へと運ぶ道筋を作る群馬。(34分に高木・藤井→平松・渡辺へと交代)
ようやく数的有利の戦いが出来たという印象で、奥からのクロスも何度か上がりますがシュートは撃てず。
しかし長崎は右サイドで守備に奔走する加藤大が足を攣らせてしまい、40分に再度ベンチが動き。
加藤大と澤田に代えてカイケとビクトル・イバルボを投入と、助っ人を(クリスティアーノを除いて)揃え。
CBに入ったカイケにより村松がSBへと回って(最初は左だが、後に奥井と入れ替わって右へ)米田が左SHに回り、最前線に入ったイバルボを受けて山崎は右SH、という布陣で終盤を迎えました。

42分の群馬、ボールポゼッションを高めてエリア周辺で繋ぐのが奏功し、山中が長崎・山崎に倒されて直接FKを得ます。
左ハーフレーン・エリアからすぐ手前という絶好の位置から、キッカー風間が直接シュートを放ちますが、ゴール上部を襲ったボールはGK富澤が左手一本でセーブ。
結果的に、これが一番惜しかったシーンとなったでしょうか。

アディショナルタイムに入り、平松(道中に深堀と入れ替わってFWにシフト?)を狙ったロングボールも交えて最後の攻勢を掛ける群馬。
しかしオフサイドになるなど実らずにいると、目立ったのは長崎が敵陣でボールキープするシーン。
特にイバルボのフィジカル満点のボールキープは改めて観ても見応え抜群で、人数を掛けて奪いにいくも逆に振り切られる群馬ディフェンス。

組織力を高める今季の群馬ですが、上記のシーンに象徴されるように圧倒的な個の力の前には無いも同然、といった印象を強烈に残す事となり。
結局2-0で長崎が勝利、これで3連勝となりました。
逆に今後新監督の指揮により、この好循環が止まらないかどうかが懸念となりますが、それを嬉しい悲鳴へと変える事は可能でしょうか。


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