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DAZN観戦 2022年J1リーグ第17節 サンフレッチェ広島vsセレッソ大阪

2022-06-21 16:55:49 | サッカー視聴記(2022年J1)

<広島スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 大迫
RCB 塩谷 CCB 荒木 LCB 佐々木
RWB 藤井 DH 野津田 LWB 東
IH 森島 IH 満田
FW ナッシム・ベン・カリファ FW ジュニオール・サントス
<C大阪スタメン> 4-2-3-1
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB マテイ・ヨニッチ CB 鳥海 LSB 西尾
DH 奥埜 DH 原川
RSH 毎熊 CH 清武 LSH 為田
FW ブルーノ・メンデス

5月からスタメンに抜擢された毎熊。
長崎ではサイドバック(右)が主で、そこから一列上がった前線(サイドハーフ)でのプレーとなっていますが、期待に違わぬ活躍を見せ。
3得点を挙げて月間MVPを受賞する運びとなりましたが、J2でのプレーぶりを知っている者からすれば「良くやってくれた」と「これぐらいやれる」という相反の想いが錯誤する所でしょうか。
そんな下からの突き上げが刺激となり、成績的にも上昇機運を描いているセレッソ。それだけに我儘ぶりを見せた挙句契約解除となった乾はマイナスの存在だったのだろうがこれ以上は言わない

一方の広島も、満田という売り出し中の選手が居り好調なチーム。
相似する者同士が激突すると、どんな展開が示されるのか注目される試合となり。

広島は早速、売りである前線からのプレッシングを前面に押し出し。
セレッソのビルドアップは、最後方のGKキムジンヒョンの足下の技術に拠る部分が大きいので、腕の見せ所となる予感を孕ませ。
アンカー的な立ち位置を取る原川のチェックを二列目以後に任せ、サントスとカリファが常時チェイスを掛けるという体勢の広島。

それに対してセレッソは清武が降りて来て出所を増やしつつ、広島のチェイスをかわした上で裏抜けを狙うパスを中心とした組み立て。
その裏には常にボランチである奥埜が走り込みにいくという具合に、文字通り広島の体勢をひっくり返しに行かんとします。
しかし裏抜け一本をメインにする以上、「1本でも繋がれば……」という攻撃に終始し、その結果相手ボールとなり。

こうしたゲームモデルにより、広島サイドもショートカウンター狙いから、最終ラインからの主体的な攻撃への転換を余儀なくされます。
セレッソペースの立ち上がりが終焉を迎えた前半13分、左サイドから満田のミドルパスを受けた森島がミドルシュート(枠外)と、ファーストシュートに辿り着き。
以降、広島がボールポゼッションを高める流れが幕を開けます。
その始まりこそ、最終ライン(3バックの左右)は殆ど上がりを見せずというぎこちないものでしたが、慣れというのは恐ろしく。
時間が進むにつれて塩谷や佐々木も攻撃に絡む機会が増えていき、サイドに人数を掛けて押し込むという形が出来上がり。
それによりボールを失うと即時奪回という意識がより強まった印象で、セレッソの縦へのパスに対しても激しくデュエルを仕掛けていき。
24分には浮き球を受けようとした奥埜に対し塩谷が激しくチャージ、反則・警告を受けてしまいますが、セレッソサイドはその所為でカウンターも仕掛け辛くなります。

32分の広島は自陣からのフリーキックを素早くリスタートし右へ展開、森島のスルーパスに走り込んだ藤井のクロスに、カリファが頭で合わせますが枠外に。
セレッソサイドは自陣で守る時間が長くなった所に、速攻気味に攻撃を受けては目線を合わせるのが大変というような場面でしたが、その後の34分にはセレッソも素早い攻撃。
最終ラインからの繋ぎで、西尾縦パス→清武フリック→毎熊裏へ浮き球→走り込んだ奥埜右へ浮き球というダイレクトパスの連続で、メンデスがエリア内を突いてシュート。
しかしGK大迫のセーブに阻まれます。

初の決定機はモノに出来なかったセレッソ、以降前半終了まで好機を作る事は出来ず。
以降は再び広島がボールを握る流れへと戻り。
セレッソはプレスを掛けたいという意図は伝わるも、アンカー野津田の脇で受ける森島・満田の存在もあり、それは実る事は無く。
それでも広島の決定機は40分の東のミドルシュート(GKキムジンヒョンセーブ)ぐらいのもので、結局前半はスコアレスで終了となります。

ハーフタイムでの交代は両チーム無く、賽は投げられた後半戦。
セレッソのキックオフからの攻撃を跳ね返した広島、クリアボールが直接サントスに収まると、ドリブルののち中央からミドルシュートを放ち。(枠外)
エースの一撃に、激しく動く予感が……という定番じみた開幕となると、直後の後半2分にはセレッソがやり返し。
ロングボールの跳ね返りを左サイドで拾い、為田のクロスが上がるとニアサイドで清武・メンデスの2人が跳ぶのを越えバウンドしたボールを、ファーサイド奥で合わせたのは毎熊。
しかしゴールから近い位置というのがかえって仇となったかヘディングは浮いてしまい、ゴール上へと逸れてしまいました。

ともに一撃を放ったのち、前半と同様の流れ、つまり広島が主体的な攻撃を繰り広げる展開へと移行する立ち上がり。
しかしそれが広島サイドに安心感を生み、緩みに繋がってしまったでしょうか。
9分、中盤でパスミスとなった所を原川が拾ってセレッソの攻撃、左へ展開して為田が手前からのクロス。
このボールをニアサイドでメンデスが巧に合わせ、ヘディングシュートがゴール左へと突き刺さり。
決して攻撃機会が多くなかったセレッソが先制点に辿り着きました。

しかし入り同様に、ここでも「やられたらやり返す」流れとなり。
10分の広島、右サイドでの攻撃から森島が手前からのクロス、ファーサイドでの東の折り返しを経てカリファがシュート。
ゴールネットを揺らしすかさず追い付いた……と思われましたが、カリファの抜け出しがオフサイドかどうかのVARチェックに持ち込まれ。
そして判定はオフサイドへと切り替わりノーゴールとなってしまいました。
映像で見る限り、セレッソ・ヨニッチが作るオフサイドラインからは半身が出ていたという際どい場面であり、どちらに判定が転んでも文句は無いようなシーン。(なおDAZN中継ではVARによるゴール取り消しは「意見の分かれる判定」と表示されますが、この場面はまさにその通り)

気を取り直し、前半同様にサイドから圧力を高めて攻め上がる広島。
しかしヨニッチを中心とするセレッソの守りも厚く、フィニッシュに辿り着けない時間が続き。
それでもセレッソの攻撃が成り立つ事はほぼ皆無と、一方的な展開へと切り替わります。

23分にセレッソが最初にカードを切り、メンデス→加藤へと交代。
するとすかさず広島も24分にサントス→ドウグラス・ヴィエイラへと交代と、お互いにエースを代える選択となり。
ヴィエイラはこれが故障離脱からの復帰戦という事でしたが、その出番が文字通りに目出度い方向へと向かいます。

25分の広島、右からの森島のクロスがクリアされると今度は左から佐々木がクロス。
分厚い攻撃らしい連続のクロスに、抑えにいったGKキムジンヒョンがファンブルしてしまい、エリア内で満田が拾ったもののシュートは撃てず。
27分には右サイド手前から野津田がクロスを上げ、跳んだヴィエイラには合わなかったものの、角度のついたボールはゴール左を襲いGKキムジンヒョンが何とかセーブ。
シュートが絡まなくても危ない場面が作られる等、苦しくなってきたセレッソ。
(なお、これ以降広島は森島・満田のシャドーの位置を左右入れ替えたようであり)

30分を過ぎた所で、ベンチも逃げ切りを図ります。
為田→進藤へと交代すると共に、フォーメーションも弄り。
<後半31分~41分までのC大阪> 3-4-2-1
GK キムジンヒョン
RCB 進藤 CCB ヨニッチ LCB 鳥海
RWB 松田 DH 奥埜 DH 原川 LWB 西尾
IH 毎熊 IH 森島
FW 加藤
てっきり西尾がCBに移動するかと思われましたが、(故障者による)左SBの不足は深刻なようで。

完全に後ろ重心になるセレッソに対し、時間も押し迫った事で総員攻め上がる姿勢を見せるしかない広島。
そしてついに結実したのが33分、ヴィエイラのポストワークから右へと展開すると、奥を突いた藤井はクロスを選択せずに戻し。
満田を経由して受けた野津田、左足でミドルシュートを放つと、ボールは豪快にゴール左へと突き刺さり。
エリア手前に生まれたスペースを突いた格好で、ゴールを固める姿勢を綺麗に打ち破る同点弾となりました。

一方、守り切りの意識が仇となってしまったセレッソ。
直後にコーナーキックへと持ち込み、そこから押し込んで勝ち越しへと意識を振り始めます。
しかし36分に広島にカウンターに持ち込まれる(森島が中央長距離をドリブル→エリア内へスルーパスも繋がらず)という具合に、選択がまたも裏目になるような危機を招き。

結局守備を厚くせざるを得なくなったセレッソですが、迎えた38分。
ここも右サイドから展開する広島、今度は藤井はクロスを選択、クリアされたボールを塩谷→満田とヘッドでエリア内へ繋ぎ。
そしてヴィエイラが受けて奥へ切り込まんとし、クリアにいったヨニッチに引っ掛かって倒れると、主審の笛が鳴り反則・PKに。
これも際どい場面ながら、ヨニッチがクリアするよりも早くヴィエイラがボールに触れたのが分岐点となり、言い訳は利かないといった判定。
キッカーはヴィエイラが務め、ゴール右へ蹴り込んだシュートにGKキムジンヒョンが反応するも及ばず、逆転のゴールが生まれました。
自ら復帰を祝うゴールを挙げたヴィエイラ。

一気に追う立場になったセレッソ、再び交代を機に布陣変更。(鳥海→ジェアン・パトリッキ)
<後半41分以降のC大阪> 4-2-3-1
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB ヨニッチ CB 西尾 LSB 進藤
DH 奥埜 DH 原川
RSH 毎熊 CH 清武 LSH パトリッキ
FW 加藤

最初の布陣に戻し、何とか同点に追い付きたいセレッソ。
しかし元から攻撃機会を作れる下地が無いうえ、運気も失った状況ではやはり苦しく。
目立つのは広島がサイド奥までボールを運ぶシーンとなった残り時間、VARによる長めのアディショナルタイム(7分)も、ほとんど意味を成しませんでした。

道中、広島スローインの場面で松田とカリファが幾度も競り合い、お互いに倒し合い。
そして広島のミヒャエル・スキッベ監督が激高する珍妙な場面も生まれるなど、反撃の機運はまるで高まらないセレッソ。
最後に西尾のラフなロングパスがエリア内右を突き、走り込んだ加藤が角度の無い所からシュートした(GK大迫キャッチ)のが唯一のフィニッシュ。
結局逃げ切った広島が2-1で勝利し、両者順位が逆転するに至りました。(広島5位・セレッソ6位)


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