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DAZN観戦 2022年J3リーグ第34節 AC長野パルセイロvs藤枝MYFC

2022-11-21 16:01:06 | サッカー視聴記(2022年その他)

<長野スタメン(守備時)> 3-3-3-1
GK 矢田貝
RCB 池ヶ谷 CCB 秋山拓也 LCB 杉井
RWB 原田 DH 佐藤 LWB 水谷
RSH 三田 CH 山中 LSH 森川
FW 山本
<藤枝スタメン> 3-4-2-1
GK 内山
RCB 小笠原 CCB 川島 LCB 鈴木翔太
RWB 久保 DH 水野 DH 鈴木惇 LWB 榎本
IH 杉田 IH 横山
FW 渡邉

2戦連続で相手の昇格を阻むべき一戦となった長野。
しかし藤枝は仮に負けても13-1とか余程の事が無い限り、昇格は手中に収めているという状況を得たクラブであり、既に防ぎようが無く。
即ち「昇格正式決定2時間前」といった状態で、後は勝ち点を得て自力で決められるかどうかの戦いとなりました。

ホーム最終戦の長野は、GKに2節以来の矢田貝をスタメン出場させたり、ベンチには既に退団ないしは引退が決まっている選手(坪川・東・牧野)の名を並べたりとそれに相応しいメンバー選択。
先に好機を得たのは藤枝でしたが、右サイドのスローインからの攻めで中央へのパスを渡邉がシュートにいくも、ジャストミートせず不発に。(前半2分)
以降コーナーキック攻勢に持ち込むも、この不完全燃焼ぶりが、長い先取点への道のりの幕開けを象徴するシーンだったでしょうか。

その後は長野のビルドアップvs藤枝のプレッシングの戦いに突入。
長野・水谷の左ウイングバック→ボランチへの可変を受け、そこに右WB・久保が付いていくかどうか迷いを見せていたような藤枝サイド。
序盤はその動きが見られ、久保が中央寄りで構える事が多く。
何度かボール奪取からの好機を作っていた藤枝でしたが、次第にその久保の穴を突いて左サイドで前進していくシーンを目立たせていったのが長野サイド。
そんな攻めの下地を作ったうえで、ゴールを狙いにいきます。
10分、秋山拓の山中を狙った長いパスから、こぼれ球をダイレクトで繋いで佐藤のスルーパスで藤枝最終ラインの裏を取り。
受けた三田が中央からGKとの一対一に持ち込まんとするも、追走した藤枝・榎本がエリア内でクリアしてシュートは撃てず終わりました。

押され気味で進む展開を受け、右サイドを埋める姿勢へと移っていった藤枝ですが、そうなると4-2-3-1へと可変する長野とのギャップに苦戦する事となり。
久保が誰にも付かずに前に出た小笠原のスペースを埋める守り方を見せたり(23分)、鈴木惇がプレスにいくも、最終ラインにまで食いついた隙を突かれて前進を許したり(25分)という具合。
それでも長野はさしたるフィニッシュシーンを作れず、ボールを失ったのちのゲーゲンプレスで、藤枝に攻撃の形を作らせないといったリズムの得方が最も際立っていたでしょうか。

守勢だった藤枝も、次第に持ち味のボールポゼッションを思い出すかのように攻撃を組み立て。
長野のディフェンスは、前節ではリトリート・プレスという具合に、相手がパスを受けた際の素早い囲い込みを重視。
しかしこの日は選手の距離を大きく取る藤枝が相手ゆえ、そうした囲みは厳しい状況であり、一転して前線からのプレスへと舵を取っていたようでした。

そんな長野のディフェンスに対し、攻撃でも苦戦していた藤枝。
基本であるボランチが最終ラインに降りてのビルドアップの形からこちらも変え、次第にボランチが降りずにパスを繋ぐ割合が増え。
水野が一列前の中央でアンカーとなり、片割れの鈴木惇は左ワイドに張り出してパスを受けるという役割へと変節していきました。

こうしてボールを握って崩しを掛ける体制を築きましたが、エリア内へチャンスボールを運んでも長野の粘り強い守備を前にシュートは撃てず。
かくして両者ともフィニッシュまで辿り着けないという流れが出来上がりつつありましたが、前半も終盤に来てそこから脱却を見せたのは長野の方。
40分に左サイドからのスローイン、奥でのキープを経て杉井がクロスを上げ、跳ね返りを繋げて水谷がミドルシュート。(GK内山セーブ)
43分には中央から素早い前進で、スルーパスを受けた三田がエリア内左を突いてシュート(左サイドネット外)と藤枝ゴールを脅かし。
しかし結局長野の前半のシュートはこの2本のみで、藤枝も立ち上がりに放った2本のみ。

アディショナルタイム、最後に好機を掴んだのは鈴木惇のドリブルが佐藤に倒されて反則(佐藤に警告)となり、フリーキックを得た藤枝。
右サイド中盤からという遠目ながら、時間も無いので放り込みを選択し、川島がエリア手前左の位置でヘッドで折り返し。
さらに小笠原のフリックで繋いだ所に久保が跳び込むという理想的な流れになるも、僅かに合わずに終わり。
それと同時に前半終了の笛が鳴り、スコアレスで折り返しとなりました。

共に交代無く迎えた後半。
何とか「超攻撃的サッカー」に相応しい内容を見せたい藤枝、後半2分の好機。
自陣でのボール奪取から、長野のゲーゲンプレスをかわした末に鈴木惇のミドルパスが最前線の渡邉に渡り。
エリア内右へと切り込んだ渡邉でしたが、クロスを選択した結果精度を欠いてモノに出来ず終わります。
前半と同様、渡邉の今一つなプレーで幕を開けてしまった攻撃。
一方の長野は、3分に三田が右サイドをドリブルしたのちのクロス、5分には左サイドで森川のドリブルが反則で止められてFKという好機の作り方。
両翼の突破を前面に押し出した立ち上がりとなりました。

藤枝サイドが中々波に乗れないという流れが出来上がり、それを象徴したのが10分の藤枝のCK。
クリアされたのち、長野が前線に残していた山本(この日のCKの守備は常時この形)がその落下点に入った事で攻撃権が入れ替わり。
これは藤枝陣内へのこぼれ球となるも、その後バックパスのミスに山中が走り込むという願っても無いシーンが生まれましたが、GK内山が飛び出して間一髪クリア。

冷や汗を掻いた藤枝でしたが、このボールを水野が拾ってから長いボールポゼッションを敢行した事で幾ばくか落ち着きを取り戻し。
16分、小笠原のボール奪取から右サイドで前進、水野のスルーパスに走り込んでエリア内右奥を突いた久保。
彼のバックパスを受けた杉田がシュートするも、ブロックに当たり枠外に。
22分にはゴールキックからショートパスによる前進、左へ開いた鈴木惇がスルーパスに走り込む役となり、エリア内左からマイナスのクロスを入れるもブロックに阻まれ実らず。

藤枝がらしさを見せ始めた所で、23分に双方最初の選手交代。
長野が山中→山口へ、藤枝が渡邉→岩渕へと交代します。

以降次第に中央寄りへと位置を変える鈴木惇から、攻めの形を作る藤枝。
28分には鈴木惇の右への展開から、受けた久保がドリブルでエリア内右を突いてマイナスのクロスを入れるも、中央の岩渕の手前でカットされ繋がらず。
31分には鈴木惇の自陣でのボール奪取から、拾った久保が右サイドで長い距離をドリブルし、奥から再びマイナスのクロス。
エリア手前の杉田を経由し岩渕に渡るもディフェンスに遭い撃てずと、チャンスボールをエリア内へ入れる流れは出来つつありましたが崩すには至りません。(長野は28分に佐藤・三田→坪川・東へと交代)

逆に守備では、鈴木惇の食い付き傾向を突かれるというシーンは相変わらずで、30分にそこから前線へと運ぶ長野。(右サイドでの森川のクロスにまで繋げるも撃てず)
時間も押し迫った事で、32分に鈴木惇を諦める選択を採る藤枝。(河上と交代・同時に鈴木翔→神谷へと交代)

試合が進み、自然と藤枝が攻撃権を支配する展開へと移っていき。
坪川・東と長野でのラストゲームとなる選手が投入されたものの、それ故に戦術の薄まりが見られてしまった感じでしょうか。

最大の好機は34分に訪れ、久保が右サイドを前進したのち中央の岩渕へとパスを通さんとし、カットされるも奪い返す久保。
今度は水野経由で縦パスが岩渕に渡り、エリア内へ切り込みシュートを放ったものの、判断良くGK矢田貝が前に出てブロックで防ぎます。
以降も長野ゴールに迫る藤枝、勝利で昇格に花を添えるべくの終盤戦を展開。
42分にも久保→岩渕のホットラインからシュートが放たれるもゴールならず。(ゴール右へ外れる)

直後に藤枝・小笠原が足を痛めた(攣らせた?)というタイミングで、長野が最後の選手交代。(43分)
引退表明済みの牧野を投入(森川と交代・同時に山本→佐野へと交代)し、ラストゲームの選手が揃い踏みとなります。
同時に藤枝も小笠原→久富へと交代。

ここから長野へと針が振れ始める、藤枝の攻め疲れが露呈するような流れとなり。
しかし後半ここまでシュート皆無の長野、奇しくも前節と同じような展開。
勝負を賭けたい時間帯で伸び悩むという、意外と深刻な悩みを抱えているのかもしれません。

敵陣でパスを回す時間が増えた長野ですが、藤枝の守備ブロックを崩すまでには至らず。
AT突入後もフィニッシュに辿り着く事は無く、逆に藤枝は一度の好機で、左サイドから横山がカットインシュートを放つ(坪川がブロック)シーンを創出します。
藤枝攻撃陣には最後までやらせなかったものの、自力昇格を阻止する流れを作るには至らなかった、そんな展開だったでしょうか。

結局最後のセットプレーの好機(中盤からのFK)からもシュートには繋げられなかった長野。
スコアレスのまま試合終了の笛が鳴り、勝ち点1を積み上げた藤枝が2位を確定させるに至りました。

来季は初のJ2を戦う事となった藤枝。
そこには偶然にも、同じ静岡県で雲の上的な存在であった清水と磐田がともに降格し、同一カテゴリで肩を並べる事となります。
清水vs磐田という図式に初めて割って入る権利を得た歴史的なシーズン、果たしてその歩みはどんなものとなるでしょうか。


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