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DAZN観戦 2022年J3リーグ第34節 いわきFCvsY.S.C.C.横浜

2022-11-22 16:00:54 | サッカー視聴記(2022年その他)

<いわきスタメン> 4-4-2
GK 坂田
RSB 吉田知樹 CB 家泉 CB 遠藤 LSB 日高大
RSH 嵯峨 DH 山下 DH 宮本 LSH 山口
FW 古川 FW 有田
<YS横浜スタメン> 3-4-2-1
GK 佐川
RCB 柳 CCB 藤原 LCB 土館
RWB 吉田明生 DH 山本 DH 松井 LWB 古賀
IH 菊谷 IH 田場ディエゴ
FW 長澤

既に優勝を決定させ、ホーム最終戦を迎えたいわき。
Jリーグ初年度とは思えない強豪ぶりは衰えを知らず、その栄冠まで見事に走り切り。
そして1年でJ3を後にして、来季はJ2という一段上への戦いへとステップアップしていきます。

そんな送別のお相手を務めるのはYS横浜で、いわきとは対照的に開幕からテールエンドの状況を打開できずに最後まで進んでしまったクラブ。
最下位脱出は何とか果たしたものの、いずれ幕が開けるJFLへの降格制度を凌ぐ戦いを展開するには不安だらけのシーズンとなってしまい。

夏場の補強ではオーストラリアのクラブに在籍していた古賀が加入。
さらに助っ人のロリス・ティネッリを加える等した結果、無国籍と言わんばかりの選手編成になってしまった感があり。
大ベテランの松井や、古賀と同じ海外クラブ経験者の菊谷・中村海渡と、異色の経歴を持つ選手は枚挙にいとまが無く。
そしてこの日の1トップには、ドイツ所属経験があり、かつ今季前半は故障により登録抹消状態となっていた長澤が初スタメンとなりました。

試合が始まると、YS横浜がボールを握りパスを回すシーンが繰り広げられるも、それはいわきにとって望んだ展開でもあり。
つまりはビルドアップvsプレッシングの図式を容易に成り立たせる事であり、走力・フィジカルを活かしたプレスを存分に発揮する状況となります。

最終ラインから繋ぎ続けるYS横浜ですが、そんないわきの圧力を受け、とてもじゃないがポジションの可変・5レーンを意識した立ち位置を取る余裕など無く。
必死で繋ぎプレスをかわし続け、いわきサイドの密集を作ったうえでのサイドチェンジに活路を見出すという攻撃。
前半9分にはGK佐川のスローから右サイドで前進、吉田明のスペースへのサイドチェンジに走り込んだ古賀が繋ぎ、田場がカットインからミドルシュートを放ったもののゴール上へと外れ。
その成果は見られたものの、大半はボールを奪われるか、苦し紛れにロングボールを送るかに終始するという具合に圧に屈する流れとなりました。

縦に速い攻撃のイメージが強いいわきサイドも、ある程度最終ラインがボールを持つシーンを作り。
15分、家泉の左サイドへの長いパスを受けた日高大、すかさず自身も中央へグラウンダーで長いパスを送り。
カットされるも山口が拾って攻撃継続(シュートまでは行けず)という具合に、ボールを地面に突けてのパスワーク+前線へのロングボールの融合体らしき攻撃という斬新さを見せます。

序盤はある程度ボールを回せたYS横浜も、次第にただ自陣でボールを奪われるシーンを量産してしまう流れに。
そこからショートカウンターで脅かすいわき、18分には一旦攻撃が途切れたのち左サイド深めに追い込み、こぼれ球を日高大が落として再度攻撃に転じ。
拾った宮本がエリア内左を突いてシュートするも、GK佐川がセーブ。
27分にはYS横浜のビルドアップを右サイド(YS横浜から見て左サイド)に追い込み、パスミスを誘発させて古川→宮本→山口と繋がり、山口がミドルシュート(ブロック)と成果を順調に積み上げます。

いわきは最終ラインでボールを持った際、左肩上がりの形になる事が多く。
それを見たYS横浜にとってはいわき・日高大が上がった隙を突きたい所あり、実際右サイドで吉田明がボールを持って敵陣で展開しようとする場面を何度か作ります。
しかしそうなっても、いわきの素早い寄せの前に流動性を失い、結局は前述のようなサイドチェンジを使わなければままならない状況でした。
結局前半全体では、YS横浜の攻撃機会は7度のみ(自分の集計です)と限りなく少ない結果に終わり、シュートは立ち上がりに放った2本。
その他の成果では、42分に菊谷のドリブルでカウンターになりかけた所を、いわき・宮本が反則で阻止して警告を受けた事ぐらいだったでしょうか。

逆にいわきの攻撃機会は26度あり、その半数以上は25分以降に集中。
その25分では、日高のドリブルをYS横浜・菊谷に反則で止められ、フリーキックを素早くリスタートしてシュートにまで持っていった(嵯峨が左ワイドからクロス気味に撃つもGK佐川セーブ)という流れ。
この揺さぶりを境に、YS横浜サイドはひたすら我慢の展開を強いられる事となったようでした。
2トップ中心にボールが集まるいわきの攻撃を凌ぎ、攻撃を切ってもゲーゲンプレスにより前へ運べず。
奪われて二次攻撃を浴びるというシーンも膨れ上がるという、一言で言えば厳しい状況へと追い込まれ。
それでも無失点に抑えるというミッションは何とか果たし、前半をスコアレスで折り返します。

逆にほぼワンサイドゲームという状況ながら、得点出来なかったいわき。
ハーフタイムに選手交代を敢行(古川→谷村)し、メンバーに刺激を与えにいったでしょうか。

その効果は抜群だったようで、キックオフの攻撃では、左サイドへの放り込みから代わって入った谷村が奥へと切り込み。
クロスが流れた所を吉田知がシュートにいく(ジャストミート出来ず)というシーンを作り。
YS横浜は切り替えるべき入りで、いきなり危機に晒された事で浮足立ってしまったでしょうか。
続く後半2分に再び自陣深めからのビルドアップを強いられた末、苦し紛れの縦パスを吉田知が拾っていわきのショートカウンター再び。
右から嵯峨の低いクロスが入ると、有田のポストプレイで落とされたボールに走り込み、シュートを放ったのは谷村。
GK佐川の脇を抜いてゴールネットを揺らし、投入後2分で結果を出した谷村により先制点が齎されました。

追い掛ける立場へと突き落とされたYS横浜。
それでも攻めなければならない状況故に、ベクトルを前向きにして強敵に立ち向かう姿勢が出来たでしょうか。
後半最初の攻撃機会は5分で、吉田明のロングパスを頭で受けた古賀、そのまま収めてエリア内中央で溜めを作り。
そして戻しのパスを田場がダイレクトでエリア内へ送り、走り込んだ土館がシュートを放ちましたが、GK坂田のセーブに阻まれます。

今まで殆ど可変の無い攻撃だったYS横浜、センターバックがフィニッシュに絡むという変節を見せた事で反撃の狼煙を上げた……とはいかず。
やはり順位が示す通り力の差は歴然で、その後も厳しい展開が続きます。
7分のいわき、またも敵陣で山口のボール奪取からの攻めで左ワイドから山口→谷村→有田とエリア内へ流れるようにパスが渡り、中央左寄りから放たれた有田のシュートが右ゴールポストを直撃。
辛うじて難を逃れたものの、9分に今度は吉田明が足を痛める事態が発生し、しかもディフェンスに遭ったいわき・山口が倒れた所と交錯してしまうという不運な痛め方。
一度はプレー続行したものの13分に再度倒れ込み、担架で運ばれて途中交代となってしまった吉田明。

彼の代わりに花房が投入されて右CBに入り、柳が右ウイングバックに回る事となったのが16分。
その前の12分に既に長澤→脇坂へとカードを切っており、吉田明が退いたのちも準備に追われる事となったベンチにより、数的不利での凌ぎが続いたYS横浜。
その間の15分にいわきの決定機が訪れるという踏んだり蹴ったりで、しかもその内容がGKへのバックパスをミスしてのものなのが印象悪く。
藤原がエリア内同士という距離にも拘らずGKへのパスが短くなってしまう有様で、走り込んだ有田のシュートを浴びるもGK佐川が足でセーブ。
跳ね返りをさらに谷村がシュートしましたが、これもGK佐川が今度は左に跳んでセーブと、絶体絶命の危機を2連続で救いました。

バタバタとした印象を残したYS横浜、とても前半のようなボールポゼッションから同点の機会を伺う余裕は既に無く。
反撃のチャンスは、いわきがベクトルを前に向けた所を逆手に取る攻撃で、21分にクリアボールを巧く繋げた末に山本のスルーパスに脇坂が走り込み。
GK坂田が前に出てクリアして防がれましたが、この姿勢を根気良く続けるのが一匙の希望といった所でしょうか。

22分にいわきベンチも動き、既に今季限りでの退団が発表されている鈴木を投入。
吉田知と交代し、空いた右SBに嵯峨がシフト、さらに右SHに山口が回って鈴木は左SHに入るという具合に激しく動いたポジション。
やや隙を見せた風にも感じられ、実際20分の山下のミドルシュート(枠外)を最後にフィニッシュは小休止状態に。

その間に試合を動かしたいYS横浜、28分にいわきの左サイドからのスローインを花房が直接拾うという、再びベクトルの逆を突く好機が訪れます。
そしてそれを松井のスルーパスで突き、受けた菊谷がさらに右からエリア内へとスルーパス、中央で走り込む脇坂。
手前でいわき・家泉がカットに入ったものの、掻き出せずにこぼれた所を脇坂が反応してシュート。
ゴールネットに突き刺し、見事狙い通りに同点に追い付きます。

31分にもエリア内から脇坂がシュートを放つ(ブロック)など、勢いに乗らんとするYS横浜。
王者の威厳を取り戻したいいわきは、32分に山口→江川へと交代。
これにより嵯峨がスタートの右SHへと戻り、それによりペースを揺り戻しに掛かります。

再び押し込む流れを作った事で、35分以降YS横浜に攻撃する余裕は全く生まれず、ひたすらいわきがゴールに迫る時間帯となりました。
投入された江川のロングスローをはじめ原始的な攻撃が幅を利かせる、いわきの体力・フィジカルが活きるという内容であり。
36分にその江川のロングスローから、こぼれ球を日高大が拾いシュート(コース上の有田に当たる)した事でエリア内で混戦となり。
一度は拾われるも谷村が奪い返して後方に繋ぎ、宮本がミドルシュートを放つもGK佐川がセーブ。
38分には敵陣で左→中央→右へとサイドを移し、嵯峨のクロスが直接ゴールに向かうもGK佐川が跳ね返し。
43分には右サイド奥からのFKを得て、キッカー山下はクロスと見せかけて直接シュートを狙いましたがこれもGK佐川のセーブに阻まれるという具合に、攻めまくるも最後の壁を破れず。

直後にYS横浜は最後の交代カードを使用、田場→古山へと交代するも流れを変えられず。
そのままアディショナルタイムへと突入し、尚もいわきは宮本のミドルシュートがYS横浜・土館の決死のブロックに阻まれるなどフィニッシュの量産体制を維持。

しかしその流れが最後に途切れると、YS横浜の左サイドからのスローイン、エリア脇で受けにいった古山をいわき・山下が引っ掛けてしまい。
PKかどうか際どい位置での反則と、来季上のカテゴリで戦うには不安を残すシーンを演出してしまう事となりました。
結局FKとなり、このラストチャンスにYS横浜はこぼれ球をエリア内で古賀が拾う好機となるも、シュートはミートせず。
1-1のままスコアは動かずに、引き分けで幕を閉じました。

順調なステップアップを果たし、とうとうJ2へと辿り着いたいわき。
今後は試合後セレモニーの大倉智氏の「来季は優勝できるとは思わない」とのコメントの通り、一筋縄ではいかない戦いが待ち受けており。
それでも各リーグを圧倒してきたその力が通用するかどうか、注目度は頂点に達する事でしょう。


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