NASAは、5月5日に、インサイト火星着陸船とともにマーズキューブワン(MarCO:Mars Cube One)と呼ばれる二つのキューブ衛星を打上げました。これまでの小型衛星は、大型の宇宙船打上げの際の空スペースを使って軌道に送る、国際宇宙ステーションから軌道に放出する(代表例:日本の「きぼう」の放出設備)などがあり、特に後者は縦横高さを10センチメートルを基準とし、その倍数になるように標準化されています。これまでの小型衛星は地球周辺の近軌道のみが対象されていたために地上800キロメートル以上を飛んだことはありませんでした。今回のキューブ衛星はインサイト宇宙船とともに火星に向かい、宇宙船の火星大気入り、着陸などを監視する実験機です。但しインサイト着陸後の地球との交信の中継は従来通り火星偵察軌道船(MRO)が行い MarCO は行いません。小型衛星は、宇宙船による探査のコストを下げるばかりでなく、親機を含む複数の探査機によって同時にある事象を観測する(例:惑星の回転に伴う地軸や重力の変化など)ことが容易になるなど、最近特に注目されている技術です。
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<ひとこと>: この記事の詳細・ビデオ等は「ホームページ」の 「火星探査キューブ衛星マルコ」から。
<お知らせ>: オービタルATKシグナス CRS-9 貨物船は、日本時間5月24日午後6時26分に、国際宇宙ステーションのロボットアームによってとらえられました。