2020年6月26日、NASAの宇宙飛行士ボブ・ベンケンとクリス・キャッシディは、国際宇宙ステーションの右舷6トラス構造のバッテリを交換し電力システムを改良する、今期2回の船外活動の初回を行った。6時間7分の船外活動の間のベンケンがここに描かれている。
<出典>: 「宇宙ステーション(Space Station)」
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<ひとこと>: 国際宇宙ステーションでは、2017年以降、古いニッケル水素電池をより効率の良い新しいリチウムイオン電池に交換する作業が続けられてきた。この作業は、(1) 新しいリチウムイオン電池を日本の「こうのとり」の外部露出部に搭載して運び、(2) ステーションのロボットアームを使って地上からの遠隔制御で取り出して運び、(3) 宇宙飛行士達の船外活動で旧来の電池から新しい電池に切替え、(4) 廃棄のために古い電池を所定の位置まで運び (5) 最終的に地上から切替の成否を確認する、という手順で行われてきた。
スペースシャトルの廃止後重量物の運搬可能な貨物船は日本の「こうのとり」のみとなり、これらの切替作業は「こうのとり」の運行に依存することになった。新しいリチウムイオン電池の運搬は今年5月末の「こうのとり9号」の到着で終えており、今回の船外作業はあと2回を残すのみとなった。なお、現在の「こうのとり」の運用は今回の9号で終わり、今後は新しいバージョンに移行する。また、知られているように、リチウムイオン電池は先般ノーベル化学賞受賞者になった吉野彰氏らの成果である。