ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレスからのこのイメージは、火星のピルレー領域(Pyrrhae Regio)の、クレーター、谷、混乱した地形を示している。フレームの右側に見られる混乱した地形には、氷が溶け、その水が流出し、多くの異なる壊れた「ブロック」が空洞として残されている。驚くべきことに、これらの空洞は、左のクレータ近くの平坦な地面の、高さが大きく異なる約4キロメートル下にある。(参考までに、ピレネー山脈とアルプス山脈の最高峰はそれぞれ 3.4 km と 4.8 km を超えている)。このイメージは、2020年8月3日の軌道 20972 の間に、ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレス高解像度ステレオカメラ(HRSC)によって集められたデータで構成された。このイメージは、地上解像度が約 16 m/ピクセル、東経約322度、南緯16度に中心がある。北は右である。
<出典>: 「マーズエクスプレス(Mars Express)」
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<ひとこと>: ヨーロッパ宇宙機関のマーズエクスプレス火星探査軌道船は、立体画像を撮ることを特長とする宇宙船です。このイメージも3Dで表現されていることに注目。なお、クレータが窪みでなく盛り上がって見えることがあります。知られた錯覚の一つです。「クレータ錯視」とも言います。いったん視線を外して見直すと窪みに戻って見えることもありますので試してみてください。<お知らせ>: 今日11月24日夜、国際宇宙ステーションの野口飛行士の、日本のメディアによるインタビューがあります。中継放送時刻等はホームページの 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。なお、チャネル選択に注意!。