皆既日食2024:太陽の下での月の瞬間
2024年4月8日には、北米の多くの地域で日食(太陽、月、地球の順番で宇宙が一直線に並ぶ蝕)が起こる。月の影の経路は、メキシコの太平洋岸に上陸し、テキサス州からメイン州まで米国を横断し、カナダのニューファンドランドを経由して北米を離れ、大西洋へと続く。
日食が何故もっと頻繁に起こらないのか疑問に思ったことはないだろうか? 月の軌道は太陽の周りの地球の軌道に比べて約5度傾いているために、地球、月、太陽は、毎月、完全に一直線に並ぶことはない。ほとんどの場合、月の影は地球から外れる。
日食を観察する予定がある場合は、このような影の経路マップを参照したことがあるだろうが、月が何時、何処に影を落とすのか、どうやって正確に知ることができるのだろう?
(右図は4月8日の日食の経路)
日食の予測は、何よりもまず、月、太陽、地球の位置と動きを理解することにかかっている。これは、人類の日食予測の長い歴史の上に成り立っている。そして、2009年以降、NASAのルナー・リコネッサンス・オービター(LRO)は、かつてないほど詳細に月の地図をつくっている。この軌道船の月面地形データによって、これまで以上に正確な日食予測が可能になる。
光のバースト:ベイリーのビーズとダイヤモンドリング効果
何気なく観察している人は、通常、月のシルエットが端が粗いことに気付かない。地球と月の間の平均的なギャップ、382,400キロメートルの距離では、この宇宙で最も近い隣人は丸く見え、山でさえ人間の目では区別できないほど小さく見える。しかし、日食中の二つの短い間、ごつごつした月の地形がスポットライトを浴びる。
月が完全に太陽を遮る位置に移動する皆既になる寸前、太陽の端が一気に暗くなることはない。月面の谷間から最後の太陽の光が顔をのぞかせる。強烈な明るさのこれらの孤立した領域は、輝くビーズの列や指輪の宝石のような、劇的な光の爆発に似て見える。ベイリーのビーズやダイヤモンドリング効果と呼ばれることもあるこの現象は、月が皆既(または金環)から外れたときにも起こる。月の形や位置は良く知られているので、太陽の光の最初と最後の部分がどこに見えるかを予測することができる。
<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。この日食は中継放送が予定されています。後日詳細をお知らせします。なお、米国では昨年秋にも金環日食がありました。
<出典>: Caela Barry(著者名です)
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