―がん治療と性 出産年齢・・・継続か悩む ―
ホルモン治療の止め時に悩んだ女性(38)。「来年には、患者会の参加者 を仲間以外にも広げたい」 北関東に住む女性(38)は、31歳だった2003年夏、左胸に乳がんが見つかった。がんは8センチ以上で、東京都内の病院で左の乳房をすべて切除する手術を受けた。
当初は乳頭と乳輪だけは残せるかもしれないと聞いていたため、全摘と聞いた時はショックだった。医師の前でも涙が出た。「きれいに作り直せるよ」と説得され、切除と同時に乳房の再建手術を受けることにした。
手術して2日間は、手術跡を見ることができなかった。看護師から、「きれいになっているから見てみたら」と声をかけられ、思い切って目をやると、目立たない縫い方をされ、膨らみもあった。再建が完成するには時間がかかるが、「新しい乳房のことを考えて前をみよう」と思った。
膨らみのおかげで、手術直後から今までと同じ洋服も着られた。1年後には再建が完成。思ったよりもきれいで、喪失感が和らいだ。
だがその後、思ってもいなかった別の悩みが訪れた。
手術後すぐ、再発防止のためにホルモン療法を始めた。乳がんの6~7割は女性ホルモンが関係しているため、注射や飲み薬によって働きを抑える。
2年間続け、飲み薬はさらに2年間続けた。ところが治療が終わりかけた07年夏、リンパ節に再発が見つかった。手術し、注射も再開することになった。
卵巣機能を抑える注射をすると月経が止まる。女性は、いずれ結婚して子どもが欲しいと思っていた。
30代後半になって出産年齢を意識するようになり、いつまで注射を続けるか悩み始めた。中止すれば月経は戻るのか、漠然とした不安も感じる。
夫や婚約者がいれば、妊娠、出産のためにやめる決断ができるかもしれない。けれど、そんな予定もない。やめて再発するのも怖い。
一人で悩むのに耐えられず、院内の患者会に参加した。年下の独身女性がいた。
「すぐ生理は戻るかな」
「それから婚約者を探して間に合うわけ?」
自分と同じような不安を持つ人がいるとわかり、少し心が上向いた。二人で、若い乳がん患者が性や妊娠、出産を語り合う会を作った。不妊治療はできるのか、胎児に影響はないか、悩みは尽きない。
会の世話人の一人である慈恵医大講師(看護師)の渡辺知映さんは「治療期間が長くなったことが、出産年齢にある若い患者に新たな悩みをもたらす」と話す。
女性は6月に注射をやめ、9月に月経が戻った。「様々な不安はあるが、仲間となら共有できる」と話す。
(読売・医療大全記事より)
☆東京慈恵会医科大学
成人看護学 講 師 渡邉 知映
・専門はがん看護、特に化学療法とそれに伴う有害事象やQOLに関する研究。教育は慢性期・がん看護学、成人期ヘルスケア実習等を担当します。人が病を患うこと、その傍らに寄り添うことの意味を探求することが教育のテーマです。
◆当事者、とりわけ年齢が若い場合のこの種の手術は深刻だと思います。同じ立場の人と話せることが、大きな励みになると思います。そのようなネットワークを広げていくことも大切ですね。体験者しか分からない部分があると思いますから。
◆医療機関案内
ホルモン治療の止め時に悩んだ女性(38)。「来年には、患者会の参加者 を仲間以外にも広げたい」 北関東に住む女性(38)は、31歳だった2003年夏、左胸に乳がんが見つかった。がんは8センチ以上で、東京都内の病院で左の乳房をすべて切除する手術を受けた。
当初は乳頭と乳輪だけは残せるかもしれないと聞いていたため、全摘と聞いた時はショックだった。医師の前でも涙が出た。「きれいに作り直せるよ」と説得され、切除と同時に乳房の再建手術を受けることにした。
手術して2日間は、手術跡を見ることができなかった。看護師から、「きれいになっているから見てみたら」と声をかけられ、思い切って目をやると、目立たない縫い方をされ、膨らみもあった。再建が完成するには時間がかかるが、「新しい乳房のことを考えて前をみよう」と思った。
膨らみのおかげで、手術直後から今までと同じ洋服も着られた。1年後には再建が完成。思ったよりもきれいで、喪失感が和らいだ。
だがその後、思ってもいなかった別の悩みが訪れた。
手術後すぐ、再発防止のためにホルモン療法を始めた。乳がんの6~7割は女性ホルモンが関係しているため、注射や飲み薬によって働きを抑える。
2年間続け、飲み薬はさらに2年間続けた。ところが治療が終わりかけた07年夏、リンパ節に再発が見つかった。手術し、注射も再開することになった。
卵巣機能を抑える注射をすると月経が止まる。女性は、いずれ結婚して子どもが欲しいと思っていた。
30代後半になって出産年齢を意識するようになり、いつまで注射を続けるか悩み始めた。中止すれば月経は戻るのか、漠然とした不安も感じる。
夫や婚約者がいれば、妊娠、出産のためにやめる決断ができるかもしれない。けれど、そんな予定もない。やめて再発するのも怖い。
一人で悩むのに耐えられず、院内の患者会に参加した。年下の独身女性がいた。
「すぐ生理は戻るかな」
「それから婚約者を探して間に合うわけ?」
自分と同じような不安を持つ人がいるとわかり、少し心が上向いた。二人で、若い乳がん患者が性や妊娠、出産を語り合う会を作った。不妊治療はできるのか、胎児に影響はないか、悩みは尽きない。
会の世話人の一人である慈恵医大講師(看護師)の渡辺知映さんは「治療期間が長くなったことが、出産年齢にある若い患者に新たな悩みをもたらす」と話す。
女性は6月に注射をやめ、9月に月経が戻った。「様々な不安はあるが、仲間となら共有できる」と話す。
(読売・医療大全記事より)
☆東京慈恵会医科大学
成人看護学 講 師 渡邉 知映
・専門はがん看護、特に化学療法とそれに伴う有害事象やQOLに関する研究。教育は慢性期・がん看護学、成人期ヘルスケア実習等を担当します。人が病を患うこと、その傍らに寄り添うことの意味を探求することが教育のテーマです。
◆当事者、とりわけ年齢が若い場合のこの種の手術は深刻だと思います。同じ立場の人と話せることが、大きな励みになると思います。そのようなネットワークを広げていくことも大切ですね。体験者しか分からない部分があると思いますから。
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