あの日の朝、床から出たのは8時少し前だった。洗面した私は、何かの意思に引っ張られるような感じで、北側に窓のある部屋へ行った。
ふだん、朝のその時間に北側の窓を開けることはなかったが、何かに促されるような気持ちで窓を開けたのだ。
集合住宅上空の、西の空からゆっくりと北の空へと視線を移動して行った。
最初は気づかなかったが、数秒眺めていた私は、そこに太陽が輝いているような妙な気持になった。
が、すぐに違う、と思った。太陽にしては眩しくなかったし、だいいち、北の空から昇ることはないはずだ、と。
私はそこで10秒程そのオレンジ色の丸い物体に見入っていた。
しかし、オレンジ色の物体が消えないうちに確かめなくてはいけない、という思いで急いで南側の窓へ行った。
住宅と樹木の向こうに陽は昇っていた。あの物体よりは大きく、白く眩しい光を放っていた。
私はすぐに北側の窓へ戻った。そこにはまだ、あのオレンジ色の巨大な物体はあった。このスケッチのような。
三男の兄が亡くなった、という連絡が入ったのは、それから間もなくのことだった。
この事を※字幕付きで以下で表現してみました。(私の古いスマホでは字幕が見られないのでPCで観ています)
A huge orange object that suddenly appeared
ふだん、朝のその時間に北側の窓を開けることはなかったが、何かに促されるような気持ちで窓を開けたのだ。
集合住宅上空の、西の空からゆっくりと北の空へと視線を移動して行った。
最初は気づかなかったが、数秒眺めていた私は、そこに太陽が輝いているような妙な気持になった。
が、すぐに違う、と思った。太陽にしては眩しくなかったし、だいいち、北の空から昇ることはないはずだ、と。
私はそこで10秒程そのオレンジ色の丸い物体に見入っていた。
しかし、オレンジ色の物体が消えないうちに確かめなくてはいけない、という思いで急いで南側の窓へ行った。
住宅と樹木の向こうに陽は昇っていた。あの物体よりは大きく、白く眩しい光を放っていた。
私はすぐに北側の窓へ戻った。そこにはまだ、あのオレンジ色の巨大な物体はあった。このスケッチのような。
三男の兄が亡くなった、という連絡が入ったのは、それから間もなくのことだった。
この事を※字幕付きで以下で表現してみました。(私の古いスマホでは字幕が見られないのでPCで観ています)
A huge orange object that suddenly appeared