「 アンソロジー 隠す 」アミの会（ 仮 ）

　　　　　　　　　　「　アンソロジー　隠す　」　アミの会（　仮　）

　　　　　　　　　　　　　　　

アミの会のアンソロジー３冊目です。　
あなたが隠したいものは、なんですか？　机の中に、記憶のなかに、人生のどこかに、、、。「　隠す　」をテーマに描かれる１１の不穏で切実な人間ドラマ。
～～～～～ネタバレあり
「　理由　」柴田よしき　　
被疑者・辻内美希は、もと芸人でコメンテーターの松本コタローを刺したことは認めたものの、頑として動機はしゃべらない。
時間切れのまま、裁判へ。そして刑事は気づく。意外な理由が暴かれ、辻内の復讐が始まることを。　
（　リコシリーズの麻生龍太郎が探偵になる前の優秀な刑事として登場。もっと読みたい　）

「　自宅警備員の憂鬱　」永嶋恵美　
不登校の姉は家事一切を引き受けていた。自称、自宅警備員。弟が隠れて友人を家に匿った。
友人が帰った後、友人の不自然な行動を見とがめベッドの下に隠している物を発見して１１０番。事件解決に。

「　誰にも言えない　」松尾由美　　
探偵事務所の所長・安西と助手の夏野は、アメリカの留学生・リンジーがホームスティー先の夫婦が急によそよそしくなったと悩んでいるのを推理して解決してあげる。
リンジーが帰国するとき、安西が年下の夏野に思いを寄せているのを見破られてしまう。それは秘密。

「　撫桜亭奇譚　」福田和代
不動産王だった父は６０年前にハゲ山を手に入れ家を建て、埋蔵金伝説を信じ、山を掘っては後に杉とヒノキを植えていった。所々に桜も。
父の死後、遺産相続で借金が発覚。次男三男は放棄して、父親の「　山だけは売るな　」の言葉に従い、長男が会社で借金を相殺した。
長男は父の遺品から忌まわしい事実を知る。親族が帰った後、大雨で山の土が露出して桜の木の下から驚くべきものが見つかる。
４０年来父の世話をしていた家政婦から、恐ろしい父の秘密を知らされることになる。
（　父の秘密を隠すことに。　恐ろしすぎて寒気がした。　三男は父の会社の社員の子供で７歳の時、両親が交通事故で亡くなり引き取られている。
以前は植える木は桜が多かったが、その頃からヒノキばかりになっている。三男が可哀相すぎる。　桜の木の下の子たちも。悪魔の所業　）

「　骨になるまで　」新津清美
祖母が亡くなった。祖母には一人娘の母がいるだけだと思っていたら、以前、結婚していて息子がいることが分かった。
孫は息子の消息を探し当てるが、祖母の死因には意外な関連が。
（　命をかけた母心。辛いな。　孫は息子に会いに行くが、結局、祖母の気持ちを思って伝えられず形見をことづけて病院を後にする。息子に伝わるかしら。息子も辛いな　）

「　アリババと四十の死体　」「　まだ折れていない剣　」光原百合
「　アリババと四十人の盗賊　」と「　折れた剣　」の、パロディ。

「　バースディブーケをあなたに　」大崎梢
デイケアサービスの９４歳の老女・早瀬奈美子に毎年Mさんから花が届く。届くたびに奈美子のＭさんの話は違う人になる。
（　奈美子さんは２０年分の花代を前払いしているのは秘密。奈美子さんのＭさんって、本当は誰なんでしょうね　）

「　甘い生活　」近藤史恵
子供のころから人の物を欲しがる癖がある千尋。最初の犠牲者は姉。次は学校の友人。そして大人になり、人の恋人を欲しがる。
（　些細なことと思っていても、そのために他人を不幸にしてしまっている。因果応報で最後は自分が。嫌な終わり方でした　）　

「　水彩画　」松村比呂美
母は塔子の欲したものはすべて取り上げ、抱きしめられた記憶もなく、目が合うと顔を背けられ育った。１００点を取っても、クラスで一番になっても徒競走で1等になっても。
（　母には母の理由があったのだけれど、子供には全く理解できないこと。愛を感じられなく性格がねじれてしまう。それでも、いい子に育って。
母は亡くなる一か月前に急に優しくなった。可哀相すぎる。死ななければそのままだったのかな。父に会えてよかったね。）

「　少年少女秘密基地　」加納朋子
（　子供の頃の秘密基地、私も神社の裏の木に囲まれた落ち葉の降り積もった場所でよく遊びました。今では木が切られ、すっかり見通しが良くなっていますが。）

「　心残り　」篠田真由美

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