「 女たちの殺意 」 松村比呂美
お薦めブログで松村さんのブログに出会い、アミの会の活動を知りました。
ブログは「 最初の一冊~松村比呂美 」です。
本の紹介はもちろん、旅先の風景や美味しい食事やスイーツなど見ているだけで楽しいです。ご主人がお料理上手です。
アミの会のメンバーに大好きな柴田よしきさんの名前を見つけ、アミの会のアンソロジーを次々に読みました。
初めての作家さんが多かったですが、それぞれ同じテーマに添って書かれていて、とても面白かったです。
なかでも松村さんの短編はどのテーマも面白く読みました。なので、次は、きっかけになった松村さんの本を読んでみることに。
「 女たちの殺意 」は、松村さんのデビュー作です。
第4回新風舎文庫大賞ミステリー部門賞受賞。5人の女たちが抱く、それぞれの殺意。
~~~~~ネタバレあり
「 暖かい殺意 」
夫の姉・久里子が仕事を辞め、また、転がり込んできた。無神経でルーズな義姉が、時子の日常を侵食していく。ストレスが殺意へと、、、。
( やっと手に入れた狭いながらも大切なマイホームのリビングを占領して、家事は手伝わず、遺産があるのに、お金も入れない図々しい義姉。
情けない夫にもイライラしてきます。 私も共感して、いなくなればいいのにと願いました。 殺しはしないけれど )
「 茶箱ー乾いた殺意 」
ずぼらな主人公と綺麗好きな女友達。
( 余りにも人の善意や気持ちを踏みにじった結果、大変な結果になってしまって、後悔先に立たず。人との距離間を誤ったのかな。)
「 カルシュウムー白い殺意 」
潔癖症の育美は埃やチリ1つ、水滴1滴さえ我慢できない。料理はすべて手作りで家事は完璧。なのに夫は安らげないと家を出て行った。
弟を心配して、夫の姉・美登里が様子をうかがいに来るが、毎回、卵の殻で作ったカルシュウムを土産に渡される。
( まさかと思って読んでいると、大どんでん返しの面白い結末に。私は潔癖症でないのでこんな考えは起こさないけれど、面白かったです。)
「 アレルギー 溢れ出る殺意 」
結婚するまでは何ともなかったのに、アレルギーが出て医者に行くと、異物に反応しすぎる体質だと診断された。
体重は10K減り、あちこちに湿疹が出る。夫婦生活はままならず、月に一度、姑の様子伺いに行くとイヤミを言われて、余計に悪化。
夫の浮気が分かり、夫も姑も嫌だと思う気持ちが、体も心もアレルギーに侵され。
( ひどい結末だが、これでアレルギーから解放されるのかな?)
「 どうしてもー振り向いた殺意 」
どうしても結婚したい女性が、知り合ったホームレスの戸籍を調べ、黙って籍を入れて会社を寿退職し同窓会に出席する。
上手くいきそうだったのに、ホームレスに恵んだ1万円が競馬で万馬券が当たり、あれよあれよとお金が入り、ホームレスは知り合った女と結婚することに。
戸籍を見るとすでに入籍されていて、それもいいかと女性の部屋に転がり込んできた。 女性は知恵を絞り、、、。その後、思わぬ結果が。
~~~~~
どの作品もイヤミスで面白かったです。 女性たちは、みんな究極の選択をしています。
嫌な、夫、義姉、姑、義兄、友人。その立場になれば、逃げ出したくなるのも分かる気がします。
幸い私は、小姑はなし、義弟は頼りになり、私を窮地に陥れる意地悪な友人もなし。姑には少し苦労はしたけれど、助かったところも多々あったので概ね良し。
松村さんのブログでは、美しくて、優しいご主人や友人に囲まれて、優雅で幸せそうな毎日で、何処からこんな話が書けるのか不思議です。
ブログで紹介している他の本も探して、読んでみます。
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