酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「小保方切り」で一件落着??

2014-03-15 09:00:42 | ニュース
 「世紀の大発見」公表から40日余、夢の万能細胞STAPが疑惑の泥沼で窒息しかかっている。登場が華々しければ華々しいほど、しおれて散るさまは哀れだ。門外漢には詳細を知るすべもないが、このままだと「すべて小保方のせい」ということになりかねない。一番反省しなければならないのはいったい誰だろう。

 理研やネイチャーの査読能力がまず問われる。外部から指摘されるまで「生命科学の常識を覆す成果」と誇りながら、一転「論文の体をなしていない」。理研のしかるべき人たちも論文に目を通していたはずだ。論文の不備を言う前に自分の査読能力のなさを恥じたらどうか。

 煽るだけ煽って舞い上がらせ、浮上力が落ちてきたと見るや足を引っ張りまくるメディアの責任も重大だ。物語ありきの報道は「佐村河内事件」と全く同様の構図だ。美談をつくり上げる報道はいい加減打ち止めにしてもらいたい。

 佐村河内の時もそうだったが、一応「メディアの側にも問題あり」というポーズはとっている。しかし、どこか他人事だ。「論文の筆頭著者の小保方晴子氏が30歳の女性であることに焦点を当てた報道が過熱した」(共同)。報道が過熱したのではなく「私たちが過熱させました」だろう。おばあちゃんのかっぽう着やらムーミングッズやら研究と関係ないことをはやし立てたのは新聞やテレビではないか。その自覚を欠くようではまた同じ過ちを繰り返すことになる。

 理研は小保方を切り捨てる方針らしい。14日の会見では「未熟、倫理観の欠如など」厳しい声が相次いだ。小保方は「会見で説明したい」と話していたらしいが、理研幹部はいまはその時ではないと拒んだという。小保方が何をしゃべるか分からず不安を感じたからだろう。


 理研が小保方をこのプロジェクトのリーダーや論文の筆頭著者に据えたのは何故か。「かっぽう着リケジョ」による世紀の発見、このインパクトに期待していたのではないか。小保方を生贄にして責任を逃れるつもりなら、理研に未来はない。

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