酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

聖火様のお通りで~す

2008-04-26 05:16:06 | Weblog
 国賓はおろか、天皇の行幸さえも上回る厳戒ぶりだ。警護の対象は北京五輪の聖火である。騒ぎすぎだ。

 NHKに至っては、連日のトップ扱い。しかも、肝心のチベット情勢にはほとんど触れない。「聖火騒ぎブーム」盛り上げの第一人者となっている。

 世界中でこれだけ話題になれば、北京五輪は大成功疑いなし? 中国政府が聖火に込めた意図は見事に開花しつつある。

 それにしても経済力を中心とした中国の存在感はたいしたものだ。自国の問題は棚に上げて、外国の人権問題に口を挟むのが大好きなブッシュ大統領も、ことチベット問題に関しては、モゴモゴ言っているだけだ。

 最初は威勢のよかったフランスのおサルさんは、「開会式に行かないと決めたわけではない」などといい始めている。

 こうした各国の反応に気をよくした? 中国は「ダライ・ラマ」と対話する用意がある」と発表した。五輪前に何らかの接触がある可能性が高まったと見ていいだろう。

 だが、その先は全く不透明だ。中国もチベット派も、五輪以後の戦略を持っているようには見えないからだ。チベット自治区内の封じ込めは、五輪後に強化されると考えた方がいい。世界の関心が遠のくからだ。

 一過性で物事を飛ばしていくメディアの風潮が改まらない限り、中国に限らず少数民族の悲哀は続く。マイノリティーに世界の耳目が集まるのは、悲惨な状況が隠しおおせなくなったときだけだ。

 現にアフリカや東南アジアでは、苛烈な軍政や虐殺、内紛が多発しているのに、日本国内では無視されるか、新聞のベタ記事どまりだ。人の目に触れないということは、事実がないというに等しい。

 北京五輪開幕までの主役は聖火様である。会期中のそれは、何だろう。もちろん選手もその候補であることは間違いない。だが、本当の主役は「騒動」だと見る。何か起きるのが期待されている。困った風潮だね。

 これではオリンピックがかわいそうだ。
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