雛祭り友の幸せ祈りをり
比べてもせん無いことと知りつつも
吾の幸せをつい祈りたる
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小津安二郎の映画「晩春」に笠智衆演じる父親が原節子演じる27歳の娘に結婚をせかす場面がある。
「お父さんはもう56だ。もう先は長くない」。男性の平均寿命が60歳に満たない1949年公開の作品。
いつまでも親に頼れないという実感があったと山田昌弘中央大教授は言う。
男性平均寿命が80歳を超え、独身者の大半が親と同居する現代では考えられないやりとりだろう。
総務省によると、親と同居する壮年未婚者(35歳から44歳)は2016年で288万人いた。
問題はその独立を妨げる要因だ。雇用の非正規化や失業者の増加で親に依存せざるを得ない人々が増えた。
親の死亡を隠し、年金受給を続ける事件の背景でもあろう。
政府の人口動態統計の速報値で22年の出生数が初めて80万人を割り込んだ。
低所得者ほど子供がいる割合が低下傾向にあることからも、雇用や収入の状況が大きな要因であることは否定できまい。
そこには結婚によって中流生活から転落するかもしれないという不安がある。
親との共同生活の水準を維持できないとなれば、結婚もためらうと山田教授は分析する(「結婚クライシス」東京書籍)。
肝要なのは待機児童解消や児童手当拡充などとともに将来の不安を払拭する対策だ。
いかに「中流転落」を防ぐか。雇用の非正規化を推し進めた新自由主義的政策を改めることこそ、「異次元」の少子化対策となろう。(北海道新聞卓上四季2023.3.2より)
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過去最少の出生率となったようです。
戦後の新自由主義的政策はたくさんの不自由を生んだようです、政治は本当に大事だと思います。
神かまうな、仏ほっとけもそうですが、長いものには巻かれろ、お上には逆らうななどの戦前の人民の立ち位置が変わらない限り良くなることは無いように思います。
日本人は他人と比べることが好きなようですね。
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明日は3月3日ですね。
短歌の仲間でもあるS子さんは、短歌の会を立ち上げて数年目の時脳梗塞になりリハビリが続いています。
その彼女は2月に転んで2週間ほど入院していたようです。
3月の短歌のことで電話を入れたら、声も細々と大変な様子が伝わってきました。
彼女も普段はご主人と二人です。
いつも仲良く助け合って生活されているのが伝わってきます。
3月の短歌に以前作った手作りのお雛様の裏には夫の字で日付けがサインされていたそう。
物凄く羨ましくなりました。
わが家は二人で何かをすることも無く、日々淡々と過ごしていますが、それもこれもその家の形と言うのでしょうか?羨んでもせん無いことです。
その彼女の誕生日が明日のお雛様の日と同じです。
彼女が楽しく嬉しく幸せに暮らせますようにとお祈りいたします。