ゆきげ道小さな青空映りをり
雛の宴翁媼も笑顔みせ
酢飯の香る集ひ楽しき
・・・・・・・・・・・
ひな祭りのひなを飾り忘れると、ひなは箱の中でしゅくしゅく泣くのだという。
伊豆の民話「雛の夜ばやし」にある。手傷を負った鎌倉の仏師を助けた天城山の旧家のお話だ。
救ってくれた老婦人のため、仏師は一対のひなを彫って贈った。
ところが、ある年、その女性が風邪で寝込み、飾り忘れた夜のことだ。「こよいは節供であるのに」という嘆きとともに、笙(しょう)の響きや鼓の音が聞こえてきたという。
児童文学作家松谷みよ子さんのエッセーにあった。
戦争が激しくなってからは、どの家もひなは箱にしまわれていた。
毎日が生死の境である。しゅくしゅくと泣く声も夜ばやしも、耳には届かなかったのであろうか。
松谷さんにも楽しいひな祭りの記憶はあった。友達を招いたひなまつりのちらしずしの彩り。母親を観客に披露したひな人形のお芝居。すべてはひな人形を焼いた戦火とともに葬り去られた。
ひなの原型は、陰陽道(おんみょうどう)のはらえの呪具に用いられた「ひとがた」だ。
季節の節目に汚れや災いを人形に移し、無病息災を願う儀礼である。箱に閉じ込められたままではその役割も果たせなかったことだろう。
松谷さんは初めて身ごもった子に桃子という名を用意したが、生まれることなく亡くなってしまった。
2度目は無事に女の子が生まれたが、もう「桃子」と名付ける気持ちにはなれなかったと記している。人の思いも一期一会である。(北海道新聞卓上四季2023.3.3より)
・・・・・・・・・・・
お雛様にもいろいろな歴史があるようですが、現代はお雛様を飾る家庭も少なくなってきたように思います。
祈りの儀式に使われていたお雛様、無病息災は永遠に続くお祈りでもあります。
大切にしたいものです。
~~~~~~~~~~~
わが家のお雛様も、もこにゃんがイタズラをするので今年は飾りませんでした。
だからせめて夕食はちらし寿司を作ろうと寝ながら考えてました。
私は酢飯が大好き具材を一杯いれて美味しく作りましょう。
何入れて作ろうか迷ってま~す。
昨日はママから施設の七段飾りのお雛様の前でカメラに向かっている母の写真が送られてきました。
施設は何かと行事を入れ込んでくれて有難いな~と思います。
母も幸せそうです。
今年になってから札幌の家のことは言わなくなりました。
母は幸せだと思いたいです