脱力日記

スポーツ、本、映画ときどき仕事。自分の身の回りにある、ふとしたことを書き留めたいと思います。気軽にコメント下さい。

呼吸

2012-04-07 01:39:35 | 日記

土曜日の昼下がり、春の陽気につつまれたバルセロナのカンプノウスタジアムには活気があふれていました。

午後22時に行なわれるビルバオ戦へのチケットを求める長蛇の列。

スタジアムツアーへの入場を待つ観光客。メガストアにあるメッシのユニホームは飛ぶように売れていきます。

敷地内の道路に座り込み、太陽を浴びながらビールやワインを片手に、パンをかじる家族。

世界最高のフットボールを側に感じられる空気感は、もはや同じ街にあるガウディ建築よりも魅力的なのかもしれません。

スポーツ新聞を手にすれば、メッシ、イニエスタ、シャビ…めくってもめくっても青とエンジのユニホームが飛び込んできます。

最大のライバルであるレアルの試合が始まれば、バルのテレビには真剣な男たちの視線が降り注がれます。

フットボールが呼吸をしている街。

現在バルセロナの育成を統括するブッチ氏はこう言います。

30年以上前からクライフの哲学をもとに、バルサは種を巻きつづけているんだよ。

そして今、その教育をたっぷり受けたグアルディオラが花を咲かせているというわけです。

深夜のビルバオ戦には、恰幅のいい老人が一人でスタジアムに座っていました。愛するクラブと一緒に苦しい時も何十年と戦ってきたんだろうな。きっと。

継続は力なり。

世界最高のサッカーは、世界最高のサポーターに支えられているのです。

ロシアや中国がいくらお金を積んでも、魅力的なフットボールの空気は手に入らない。

そう確信します。





都市

2012-04-07 01:30:19 | 日記
しかし、凄いところで毎日働いてるな…。ふと思ったわけであります。

なんてことない風景写真は、私の会社近くでの一枚。三車線の道路に車が行き交い、見上げれば何重もの高速道路。人の視線なんてお構いなし、車が縦横無尽に主役を張る、流通だけは一人前の都市。

 これじゃあ空を見上げる気にもなりませんよねぇ…。

そんな気分になるのも千葉大・建築学教授の岡部明子さんが書いた「バルセロナ」を読んだから。

バルセロナがどういう都市作りを目指したのかー建築学的視点から地中海の人気都市の過去を紐解く。普段なら敬遠しがちな歴史書。こんなにわくわくしながら、一気に読んだこと、私、記憶にありません。素晴らしい作品でした。

簡単に言うと、バルセロナは昔、マンチェスターのような紡織工業地帯であったそう。労働者が大量に街に流れ込み窒息寸前の街だったとか。

狭い路地には、悪い輩が巣を作り、麻薬の取り引きが行われ…。

暗闇から脱却するための都市拡大、都市再生。そんな目標を達成するためにバルセロナが重視したのは公共の空間、いわゆる公園。人が自然と集まれる街作りだったそうです。

荒れた地区に、美術館を作り、広場を作った。人の流れをかえ、都市のイメージを変える。

バルセロナは単純に歴史が積み重なり、昔から美しい街だと思っていた私にとって衝撃でした。

バルセロナは一日にしてならず。

なんでも、1992年のバルセロナオリンピックまで、魅力的な地中海を感じられるビーチなども整備されていなかったそう。

たった20年でバルセロナネタと言われる海沿いの地域には、レストランが並び、商業施設が立ち、太陽を求める人が集まるようになりました。

念ずればかなう。
念じなければ叶わない。

河村名古屋市長、ビーチを整備して下さいとまでは言いません。せめて自転車優先道路くらい作りませんかねぇ。