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脱力日記

スポーツ、本、映画ときどき仕事。自分の身の回りにある、ふとしたことを書き留めたいと思います。気軽にコメント下さい。

陰陽

2012-04-29 01:12:46 | 日記
3月31日、カンプノウ。バルセロナベンチ横のコーチングゾーンには、全く落ち着きのない男がいました。

ペップグアルディオラ41歳。

右へ動き、左へ動き、上を向いて、今度はうつむく。腕を組みジーッと考え込み、ふと気づいたかのようにベンチに戻りコーチと話し込む。

その姿は一種、病的に見えました。

消耗。彼が退団の理由に挙げたその言葉は、嘘偽りのない本音でしょう。愛しすぎるクラブゆえ情熱を注ぎすぎたのです。

4月27日、長良川競技場のアップゾーンに観客の視線を浴び続ける男がいました。

三浦和良45歳。

前半の20分過ぎからのアップ開始は、後半からの出場を期待させるものでした。しかし出番は
やってきません。

後半半ばにはスネ当てを装着し、短パン姿になりました。今度こそ出場か…。しかしまだまだお呼びはかからない。

結局、試合に出場したのは残り5分。ボールには競り合いで一度触れただけでした。

試合終了後、キングの表情は曇っているように見えました。コーヒーのテレビCMで見せる笑顔とは対極にある苦悶の表情。

それでも視線は鋭く前を向いていました。

プライドをズタズタにされたって、這い上がり続ける精神力には全くもって頭が下がります。

輝くピッチの横にも、自分と全力で向き合い戦っている男たちがいます。

そんな彼らを通して見るサッカーは、かなり苦いけれど、凄く深くて魅力的な味わいがあるのです。