監獄島に居た時、土門がまるで気のふれた様な場面がありました。
自分は罪など、おかしてはいない。
自分は親友を殺してはいない。
そんな思いが、土門を狂暴で残酷な行動へと向かわせていました。
看守の目をくりぬいたんですねぇ。
土門の牢獄の前に、古株看守が「餌」と書かれた入れ物を背負った新人看守を連れて来ます。食事の時間です。
監獄島に響く囚人達のわめく声に怯える新人。「囚人達は食事を貰う時は大人しい。」と古株が言います。
しかし、新人が土門の檻へ近づこうとすると、「そいつには気をつけろ!」と古株が言いました。古株は眼帯をめくり、見事にぐっちゃぐちゃな片目を新人に見せます。土門がエグったんですねぇ。
「十年前の話だ。」と古株が言うと、暗がりから
「十年っ?もうそんなに経っちまったのか?」
と言う、とうてい土門とは思えない、又は、上川隆也だとは思えない高い声が聞こえました。
「おめーの目玉はうまかったよ、今度はそっちの若いヤツの目玉を喰わせてくれ!」
と牢獄の暗がりを背に己を閉じ込めてている檻にしがみつき、甲高い声でまくし立てる土門はマジで狂っており、非常に怖いのです。
「頭の芯まで狂ってやがる。」と古株は言いますが、看守が居なくなった後土門は一人、
「誰が好きこのんで目玉なんて喰うか!」
と、独白します。先程とは別人の様な低くて激シブな声で。こちらが土門の本当の声です。
ホッとします。
土門は狂ったフリして脱獄の準備を進めていたのです。
しかし上川さん、色んな声が出せるんですねぇ。言い方も、狂ったフリの時は語尾がなんだか曖昧で、あやうい印象だし。
マジでやばーい。何が?
そんなこんなで大変な思いをして十年と言う長い年月、我慢に我慢を重ね土門は外の世界に出て来たのでした。
白髪の教祖を、昔なじみの人々は誰も土門だとは気づきません。
何者かに殺された親友の妹、土門の婚約者であった、稲森いずみさん扮する「美古都(みこと)」も、初めは彼をかつて愛した男と気づかないのです。
土門は、国の王の后となった美古都さえも憎み始めますが、時折彼女の見せる「弱さ」に心中は揺らいでいます。それをサジは見破ります。
一秒、一秒、殺しの事しか考えていない監獄島で出来た土門の「友人」、サジと言う男の言動が少しづつ土門の進むべき策略にヒズミを生じさせてゆくのです。
策略につぐ策略の果てに、ついに土門は自分を陥れた二人の男と伊達土門として対峙します。
目の前に居る男が土門だと気づいた二人は慌てふためき、相手をしようとするも力が入りません。そんなふがいのない二人の元に向かって刀を放り、自分が越えて来た年月はそんな事では倒せない、もっとしっかりかかって来い、と土門は凄みます。
憎しみの炎がメラメラ燃えている土門の目。
しかしながら、この男達はお互いを売り合い斬り合い、土門が手を下す事もなく死にました。
死にさらしました。
最初からそんな嘆かわしいやつらだったのです。
劇中の台詞の言葉をお借りするなら「見下げ果てた」奴らだったのです。
つづく
自分は罪など、おかしてはいない。
自分は親友を殺してはいない。
そんな思いが、土門を狂暴で残酷な行動へと向かわせていました。
看守の目をくりぬいたんですねぇ。
土門の牢獄の前に、古株看守が「餌」と書かれた入れ物を背負った新人看守を連れて来ます。食事の時間です。
監獄島に響く囚人達のわめく声に怯える新人。「囚人達は食事を貰う時は大人しい。」と古株が言います。
しかし、新人が土門の檻へ近づこうとすると、「そいつには気をつけろ!」と古株が言いました。古株は眼帯をめくり、見事にぐっちゃぐちゃな片目を新人に見せます。土門がエグったんですねぇ。
「十年前の話だ。」と古株が言うと、暗がりから
「十年っ?もうそんなに経っちまったのか?」
と言う、とうてい土門とは思えない、又は、上川隆也だとは思えない高い声が聞こえました。
「おめーの目玉はうまかったよ、今度はそっちの若いヤツの目玉を喰わせてくれ!」
と牢獄の暗がりを背に己を閉じ込めてている檻にしがみつき、甲高い声でまくし立てる土門はマジで狂っており、非常に怖いのです。
「頭の芯まで狂ってやがる。」と古株は言いますが、看守が居なくなった後土門は一人、
「誰が好きこのんで目玉なんて喰うか!」
と、独白します。先程とは別人の様な低くて激シブな声で。こちらが土門の本当の声です。
ホッとします。
土門は狂ったフリして脱獄の準備を進めていたのです。
しかし上川さん、色んな声が出せるんですねぇ。言い方も、狂ったフリの時は語尾がなんだか曖昧で、あやうい印象だし。
マジでやばーい。何が?
そんなこんなで大変な思いをして十年と言う長い年月、我慢に我慢を重ね土門は外の世界に出て来たのでした。
白髪の教祖を、昔なじみの人々は誰も土門だとは気づきません。
何者かに殺された親友の妹、土門の婚約者であった、稲森いずみさん扮する「美古都(みこと)」も、初めは彼をかつて愛した男と気づかないのです。
土門は、国の王の后となった美古都さえも憎み始めますが、時折彼女の見せる「弱さ」に心中は揺らいでいます。それをサジは見破ります。
一秒、一秒、殺しの事しか考えていない監獄島で出来た土門の「友人」、サジと言う男の言動が少しづつ土門の進むべき策略にヒズミを生じさせてゆくのです。
策略につぐ策略の果てに、ついに土門は自分を陥れた二人の男と伊達土門として対峙します。
目の前に居る男が土門だと気づいた二人は慌てふためき、相手をしようとするも力が入りません。そんなふがいのない二人の元に向かって刀を放り、自分が越えて来た年月はそんな事では倒せない、もっとしっかりかかって来い、と土門は凄みます。
憎しみの炎がメラメラ燃えている土門の目。
しかしながら、この男達はお互いを売り合い斬り合い、土門が手を下す事もなく死にました。
死にさらしました。
最初からそんな嘆かわしいやつらだったのです。
劇中の台詞の言葉をお借りするなら「見下げ果てた」奴らだったのです。
つづく