
どうにもこうにも苦しくて目が覚めた。
長年患っている不整脈。心不全を起こしかけたのは息子が亡くなってから一年後。隣のベッドの鼾で眠れなくなってから三日後だった。
30cmほど離れている夫のベッドを短い私の足が蹴ると、「うっ」と言って鼾が止まった。そのような攻防を繰り返していたのだが、ついに私の心臓が悲鳴を上げた。隣の座敷に布団を敷き、寝床を移したが、胸が苦しくて重ねた布団に上体を伏せて眠った。
不整脈と診断されてから、内服薬は三度変更して現在の薬に落ち着いた。効き目は変わってきているのだろうか? 年々気温の高くなっている日本列島。ここのところの暑さが、不整脈を引き起こさせたのだろうか。
ふと、自分の終焉が近づいているのかもしれないなどと頭を横切る。死にたいから、自分では死ねないから、などと事件を起こしたニュースがあったばかりだ。家族間の事件も多い。みな、どう過ごそうとも、いずれは自分の番になるのに、慌てることではないよね。そんなことを思いながら、苦しい胸をさすり、起き上がっては、水分補給をし、トイレに行ったりした。そういえば、心不全になりかかった時、頻尿になって、トイレと二階の座敷の寝床を何度も往復した。
しばらくの間苦しさに眠れないでいた。3日後のダンスのレッスンは休もう。不整脈だとは言いにくい。暑さで体調を崩しました。とでも言おうか。
いつの間にか眠っていた。目覚めたときは、不整脈は治まっていた。それでもレッスンは休みたいと思っている。エアコンの効いたサロンで、夫の淹れた熱い珈琲を飲んでいるうちに、気が変わり、3日後に着るダンスウエァーはどれにしようかなどと、思い始めていた。私の終焉は遠のいたのだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俳句・めいちゃところ
https://haikumodoki.livedoor.blog/
写真と俳句のブログです。
こちらもよろしくです。
