【ソウル=桜井紀雄】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を求め毎週末にソウルなどで行われている大規模集会は、過激なデモで知られる労働組合組織や「親北・反日」団体が中核を占める。

 そこに崔順実(チェ・スンシル)被告の事件に反発した多数の市民が合流した形で、「民意」の後ろ盾を得て反政府左派勢力が勢いづく可能性が高い。

 集会を主催した「朴槿恵政権退陣非常国民行動」は、約1500の市民団体で構成されている。その中心を担うのは、全国民主労働組合総連盟(民主労総)など、過激な反政府活動を展開してきた労組団体だ。

 もともと、労組側がデモを計画していたところに崔被告をめぐる疑惑が拡大。「反朴政権」でその他の市民団体が相乗りし、ソフト路線に切り替わった。

 慰安婦問題で反日姿勢を鮮明にしてきた「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」も加わり、集会で慰安婦問題の日韓合意の破棄などを訴えてきた。これまでの集会では、日本の複数の労組など左派団体の参加も確認されている。

 北朝鮮とのつながりから当局が利敵団体とみなす組織も中核に位置する。「ハヤ(下野)、ハヤ、ハヤ~」の歌詞で韓国でブームとなった集会の主題曲を作詞した尹(ユン)ミンソク氏自身が、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席をたたえる歌を作るなどして逮捕された経歴を持つ。

 北朝鮮は一連の事件に便乗し、朴氏を誹謗(ひぼう)する報道を連日行っており、当局は、韓国の親北勢力を通じた北朝鮮による反政府世論の拡散を警戒している

 

 

 


ヘリパッド反対派「私たちは日本人ですけど実は韓国語のほうが得意なんです(笑)」 2016年11月26日