ちょっと待って!

見たこと聞いたこと、すんなり納得できません。あ、それ、ちょっと待って。ヘンじゃありません?  ヘンです。

いつまでも難しい

2022-08-17 22:16:17 | 雑記・エッセイ
三日前(と思う)に新規文章をアップした。写真も7枚ほどアッした。
なにかコメントがあるかと思ったけど、書いた記事もない。

 ああ。ログイン出来なくて、パスワードを変えた。いま、新しいパスワードで入ろうとしたら、
「IDがちがいます」という。IDなんか変えてないよ。
 「お気に入り」からここのトップへ来たら、「ようこそ。baioill さん」と出た。
それに、書いた記事を読み返したら、必ず文章が重なっていたり飛んでいたりする。なんで??

  ああ。昔からそうなんだ。長い記事書いて、アップする時に全部消えてしまう。
 ハラ立つよりがっかりする。
 ところでここ、ジャンル分けすぎで、さりげなく重要なこと書いたのは見えない。
 記事の種類分けないで、あんなのもこんなのもずらーッと並んでいる方が面白くない?


油断

2022-05-14 19:48:31 | 雑記・エッセイ
 階段を四段踏み外して転落。まだ下に着いてない途中で、腿のつけ根にビリッ強烈電流が走りました。
夕食の支度をして、二あげて降りているところでした。
 立てません。「落ちたーッ。来てぇ」とショーを呼びました。座布団を持って来てもらい、掌と踵を使
って食卓の下まで行くのがやっとでした。足に力の無いショーが89歳、杖が必要な私が86歳、両脇の下へ
腕を入れてひょいと立たせて貰うのは無理です。
「どうなったん?」「どこか骨折したみたい。バキッいうたから」
「救急車、来てもらおか」
「明日の朝でええわ。今晩はここで寝る」
 どこの骨が折れているのか判らない状態で、毛布二枚と枕とで兎に角寝ました。
 翌朝7時半ごろ、ショーは近所では一番若い後ろの家の奥さんを呼んで来たので、両脇腕のひょいで立
たせて、着替えやトイレを手伝ってくれたりしました。奥さんは啼き犬を飼っていて、16年、よく喧嘩せ
ずにいたことです。こんなところで(気気は損気)と納得しました。ショーも、アルツハイマー来てなく
て幸いでした。


-----続く------

90点と10点。

2021-10-05 22:50:06 | 雑記・エッセイ
goo のメールが来た。「あなたの今週のハイライト」というの、ハラタツわぁ。
だーれも読まないのに、HIRETEもピースもないでしょ。

むかし、タバコの袋を見て「ひれて」と読んでいた大学生がいたなぁ。oneを「おね」と読んだし。
ああ。生きていたら、96歳だ。
子供が74歳ぐらいで、孫が56,7か。あの「ひれて」さんの学友の、私が捨てた前のオットは、
30年ぐらい前に死んだ。最近よく思い出す。大手の会社で、字とそろばんが上手くて、早く出世
したけど、家ではどんな時でもアホやった。同じ会社に定年まで勤めて、子供に一円も残してやら
なかった。退職金も、後妻さんが全部取ったそうだから。
生きていたころ、「死ぬときは苦しんで死ね」といつも願っていた。
「どんなに恨んでいた人でも、死んだら恨みは消しましょう」と、誰かが言っていたけど、私はま
だ恨んでいる。
ずっと一緒にいたら、いま老後の貯えもなかったやろねえ。

今暮らしている人は口喧しいけど、なにを話してもよく合わしてくれる。金婚式も過ぎた。私の仕
事を応援して、生活費は私もち。私の交通事故の慰謝料と叔父の遺産は半分取ったけれど、私の老
後はなんの心配もない。だから、賢い人やと思う。90点ぐらい。前の人は10点。

いろいろルール

2017-10-01 01:27:50 | 雑記・エッセイ
 白いノラネコがエサをねだりに来るようになったのは、16年前だった。背中の左側と左ミミから目にかけて、薄い茶色の模様があった。シロと呼んだ。3年ほど経って、真っ黒な子猫を連れて来るようになった。クロと呼んだ。愛想の悪い子猫で、そばへも来ないし「にゃー」とも言わなかった。我が家から100mばかり西の、家の前に置いてある大きな木の箱の上に、クロが座っているのを通りすがりに見たから、夜は箱の中で寝ているようだった。


 ムカシは、ネコは家の中で飼ったものだったけど、イマは絨毯や衣類に毛が付くのを嫌って、外に置いて餌だけやっている人がよくある。猫用の箱を置いている家はおばあさんがいて、クロは穢いヒモを首に結んで貰うようになった。それがあまりに見すぼらしいので、うちへ来た時、ハサミで切ってやったけど、4,5日するとまた、同じような紐を付けて貰っていた。

 白は、毎日一度はエサを食べに来た。市の職員が戸別訪問で、「ノラネコに餌をやらないで下さい。猫が増えますから」と言いに来た。シロは、人間でいうと50歳ぐらい、クロは6歳ぐらい。コドモが増えるか⁉ 通達は聞かなかったことにして、毎晩、車の下に餌を置いてやった。

 10年あまり経って、シロの足はだんだん遠のき、シロの代わりにクロが来て餌を食べて行った。

 そして、一昨年の春からシロは来なくなった。河原の方へ行って死んだと思う。河原には烏や鳶がいつもいるから、素早く死骸の始末をして貰える。

 玄関のポーチの隅でクロを飼っていたおばあさんも、身体かアタマの具合が悪くなったのか、おじいさんになったクロが、我が家のポーチに座っている日が多くなった。玄関ドアのまん前に、「この家に住んでおります」というように、大きな顔をして寝そべっていたりする。魚より、ハムやパンやポテトチップの方が好きなネコだ。食パン一枚なにもつけずに千切ってやったらすぐに完食するのに、ご飯にカツオの削り粉をまぶしダシジャコをほぐして乗せて醤油ちょびっと落としてやっても半分残して帰ってしまう。

 スリムでうんと若い、クロのニセモノもいる。前の広い空地で、蛙か虫を取っているところを時々見かける。

 ニセモノではないクロが、一昨日私を怒らせた。

 ここから書こうと思ったのに、説明が長くなった。

わいやーいや

2014-04-15 00:02:36 | 雑記・エッセイ

 ちくわとこんにゃくの焦げ煮、半分食べて半分は「ごちそうさんの猫」にやった。多分、アホ犬の家の猫だと思うけど、平たい発砲スチロールの容器に魚の骨や頭を入れておいてやると、夜の間に来てキレイに平らげ、「ゴチソーサン」とお皿を俯けて帰るネコ。「ごちそうさんの猫」と名前をつけている。飼い犬は鎖に繋がれているから一生“ドッグフ-ド”で我慢だが、猫は自由だから好きな時間に好きな場所に出没し、変わったものは喜んで食べる。

 で、焦げ鍋の方だ。たっぷりの水に米糠を一掴み入れて火に掛け、沸騰させて冷ましてから洗うといいと昔母に教わった。祖母はおかずを焦がしたことがなかったが、母はよく焦がした。勿論わざとではない。煮ている時に人が来たり電話が掛かってきたりすると、火を消さずに「はい」と出るから焦げてしまうのだ。ポットが無い時分は、茶瓶の底にもよく穴を開けていた。

 お鍋に水を入れて、(糠)と思ったが生憎切れていた。代わりになにを? と考えて、油分ならヌカに負けないあれがいいと探したら、有った。古いきな粉。2回ほど使って缶に入れたまま置いてあった。昨年のお正月か、いや、一昨年やったか……日付を見たら、2011年だった。密封してあったのに、虫が粉綴りの巣を作っていた。何処から来て子供を産んで、どうして外へ出るつもりなんだろう? この密閉場所に穀象虫が何代も生れ変わり生れ変わりしていたら、どんなことになるのだろう?

 まあ、とにかく、きな粉を軽く一握り、焦げ鍋に入れてくらくらっと沸かした。冷ましてみると、鍋にこびりついていた黒い焦げは大方取れているようだった。不器量なワイヤーたわし……これ、ほんとに不器量……丸めた削り錫の真ん中にスポンジの芯があり、縛ってあった外側がボッカンと破裂して、見苦しいことこの上ない……で軽くこすると、たちまちピッカピカの鍋になった。へえええ。ヌカより優秀。ついでに流しも洗い、ガスレンジも掃除した。わっはっは。ラクピカ。別の鍋もみんなきれいにした。

 もう一つ発見。手がすべすべと綺麗になった。

 このブログ、数日前に別のサイトにアップした。年齢不詳の男性からコメントがあった。「うちも、ワイヤーたわし重宝しています」って。この日記の主はワイヤーたわしだったのか!?

 


燕のいる季節 1

2011-06-19 22:24:29 | 雑記・エッセイ
 車は3日間ずっとあった。ほんとうに3日かと訊かれたら、4日だったような気もする。本当に4日? と念を押されたら、5日だったかな? 他人の家の車が何日間動かずに置いてあったかということなど、本当ははっきり判らないものだ。
 3日の午後、外から帰って来たら、向かいの人が素早くそばへ来て、囁いた。
「ここの人、亡くなられたようですよ」
 うちの東隣のT川さん宅を目で示す。
「救急車が来て、そのあとパトカーが来てましたよ」
 T川さんは一人暮らしだ。5年ほど前に奥さんが亡くなって、結婚した娘さんはT川さんとは仲が悪いのか家へ寄りつかない。息子さんは他県に住んでいる。
 4月の初めに、植木に水をやっていたらT川さんが箒片手に横へ来て、「花の好きな人は優しいんやそうですね」と言った。T川さんの奥さんは病身で、なんの花も植えてなかった。家の周囲全部コンクリートで固めて植木鉢一つ置いてなかったのは、T川さんの好みだと思っていた。
「水遣りもタイヘンですやろ。うちのヤツは病気やったから、なんにもせんかった。かいもんにも行けへん、料理もせん、掃除もせん。その代り、一人になっても困れへん。けどなあ、喧嘩相手にはなったから、おらんようになったら寂しい。一人には家が広過ぎる」
「晩に、よう遊びに行かれるんでしょう?」
 車が帰らない夜がよくあった。
「警備の会社へ行ってますねん。遊んでても仕様ないから」
「そうやったんですか。」
 同じような寡の飲み友達か女の人がいるのだと思っていた。小柄だったけど、若々しい顔の人だった。


おばあさんの簪

2010-12-07 22:54:04 | 雑記・エッセイ
 子供の頃、裏通りに小さなお店がありました。
 一戸建ちだったか二戸建ちだったかはわかりません。
 入口を入ると土間で、正面の格子戸の向こうは炊事場。土間続きです。
 左側に三畳の板の間。襖の奥は六畳と押し入れ。縁があって、小さな庭、トイレ。それだけの家でした。
 おばあさんが一人で住んでいました。その板の間の端っこに洋食焼きの材料を並べて、子供たちに一銭の洋食焼きを作って売っていました。練炭火鉢を二つ置いて、小さな鉄板を渡して、三つか四つ焼くのです。仕切りのある木の箱に、細かく刻んだ沢庵、ネギ、天かす、紅生姜、のり、薄く切った竹輪などが入っていました。その横に、溶いたメリケン粉と刻んだキャベツの入った鍋。
 いま考えたら、六十歳ぐらいだったでしょう。歯が無くて、その代わり皺があって、いつも縞の木綿の着物を着ていました。厚手木綿の割烹着を着て、その上からやっぱり木綿の紺の前掛けをしていました。割烹着は茶色というより、いつ洗ったか判らない色合いでした。八割白くなった髪を後ろで纏め、小さな髷を作っていました。その髷に、赤い珊瑚の簪を挿していました。
「これはお父んが買うてくれた簪やで。お嫁入りの時にな。いっつもいっつもこれを挿してた。ヨソへ行く時も、何処へも行かん時も。とうちゃんが、よう言うてた。『もっと上等の綺麗な簪買うたろな。それもよう似合うけど、一つきりやさかいな』て……」
 父ちゃんというのはおばあさんの連れ合いで、オトンはおばあさんのお父さんのことです。息子さん二人は「兵隊に持って行かれた」ということでした。夏は襖も縁のガラス戸も開けっ放しなので、奥の間に敷きっぱなしの万年床が見えました。
「おばあさんでもお嫁に来たん?」
 子供たちは、おばあさんの顔を眺めてみんな不思議そうでした。シワがあって歯の無い花嫁さんを想像して、クスクスげらげら笑いました。戦争が厳しくなって材料が手に入らなかったのか、昭和十九年の春ごろ、おばあさんは店をやめました。店をやめる少し前、おばあさんの簪は古くなった珊瑚がポロンと足から抜けて、足だけを髷に挿していました。
 大阪が空襲で丸焼けになったとき、おばあさんがどうなったか、誰も知りません。
 おばあさんの家にはラジオもありませんでした。



一番悪いのは?

2009-02-04 00:42:46 | 雑記・エッセイ
 誰が見ても美人のあの人「威張っている」と一時顰蹙を買ったけれど、にこにこと新婚旅行に行った。心がけ変えて愛嬌ふりまいたけど、にこにこ、いけなかった。歯並びのキタナイこと。ふぎゃー!
 ダレが見ても美人なのになあ。
 
 話すときや笑う時、歯が一本無いと相が変わる。前歯となると、とんでもない滑稽な顔になる。左右の前歯の隙間が開いていたのを、少し大きいめの差し歯にしてくれた歯医者さんは、ずいぶん上手だったのか10年なんの支障もなかった。
 ある日、少しグラグラしているのに気が付き、隣の市の歯医者へ行った。
「歯茎が痩せて来たので合わなくなったんです。土台から作り替えましょう」
 と2本とも外された。
「2本、ひっついてますから、一本ずつにします」
 すぐにプラスティックの仮歯を作って土台の型取りをした。4回通ってちゃんと入った。
 4ヶ月めに右側のが抜けた。同じ医院へ入れなおして貰いに行った。元通りにしてくれたあと、「3ヶ月に一度はクリーニングをしないといけません」と言って、次の診療予約を勝手に決めた。車で連れて行ってくれたショータンは、1時間半待たされて「もう絶対に来ぇへんぞ。大邸宅の掃除やないで。歯の掃除ぐらいに何時間掛かるねん!?」と怒った。3ヶ月後、電車で行った。電車で行くと、片道1時間と800円かかる。また3ヶ月後の予約をさせられたけど、すっぽかした。
 そのあと、前歯は何度も外れ、あちこちの歯医者を転々とした。どの歯医者も、「土台が悪い。作り替えましょう」と言っては土台を作り差し歯を新しく作り、「掃除に来てください」と言った。
 一昨年のお正月前、またしても抜けた4度目も歯を入れてもらいに、すぐ近くに出来た歯医者へ行った。若いドクターが3人もいた。しかし、言うことは同じだった。
「これは何度も抜けるんじゃないですか? 土台から作り替えないとダメですねえ。新しくしましょう。いいですか? 4回通って頂いたら出来ますよ」
 自信ありげに言ったけど、仮歯した翌々日に右の歯がコロンと落ちた。
 「はい。出来上がり」となるまでに、6回通った。「これでもう大丈夫です」のあと、2月に右が抜け、3月に左が抜け、4月に右が抜け……かてて加えて掃除……と毎月通うはめに。一人で歩いていけるからいいようなものの、今までで一番の下手ッピー歯科。
 7月の旅行前にまたグラグラしたから「付け直してほしい」と行ったのに、「ダイジョーブですよ」と付け直してくれなかった。旅行最後の日に案の定抜けて、帰るなり付けて貰いに行った。
「やっぱり抜けましたよ」
 さすがのドクターも、「済んません」を3回ほど言い、「今度はもっとしっかり付けます」とできるだけシッカリ付けてくれた。8月に抜けた。「あかんわ」
 とうとう愛想を尽かしてトンダ市の歯医者へ行った。
「これは、土台から作り替えないとダメですねえ。3回通って頂いたら出来ます」
 ここはプラスティックの仮歯が思いっきり下手クソだった。出来上がりに似た仮歯ではなくて、いきなりプラスティックをペタペタと塗って固め、真ん中に筋を入れただけのお粗末さ。
 尤も、この方法は外れるということは無かった。ドクターが約束した通り3回は3回だったけど、お盆休みを挟んだので、完治(完成か?)したのは9月だった。11月にクリーニングの予約をした。10月にやっぱり右側のが抜けた。ショーに車で連れて行って貰った。
 役所(保険課)から「医療費支払い通知」が来てびっくりした。4万5000円も掛かっていた。こんなにスゴイ水増し請求は初めてだ。抜けたのを付けて、掃除しただけなのに。「これはおかしい」と、保険課に言った方がいいのだろうか?
 この高い医療費をふんだくったやり直し歯(右側1)が、12月にまたもやポロンと落ちた。
 何処でやっても同じなのだ。差し歯の作り直しと掃除以外に、学校でなにを習っていたのだろうか? そもそも、金持ちの子しか歯医者になれないこの国のシステムが悪い。本当に上手な歯医者さんはいないのか? 何処も同じか?
 サイトで検索してみると、歯医者の広告が沢山ある。しかし、どれも信用し難い。
 それなら交通費の要らない近くがマシかと、「済んません」と言ってくれるコヤギ歯科へ後戻り。

 ドクターは言った。
「これは、土台から作り替えないとダメですねえ」

百以上も数えられます

2009-01-11 00:04:01 | 雑記・エッセイ
 今年は一度も日の出を見ない。
 生まれて数十年だけど、初めてのことだ。
 未曾有の不況を暗示するのか、毎日暗い。
 東京の方はカラカラと聞いた。なんでだろう。
 今日も一日雨だった。97歳で一人暮らしの母を訪ねようと思うけど、天気の悪い日は行かないことに決めている。
 私が半月余りも行かないと、母は勝手に(風邪ひいたんや)(足が痛いのやろ)と思っている。
 母は昨年の暮、入院して死にかけていたのに、無理に退院して元気になった。「あのまま病院におったら、とうに死んでた」と何度も言っている。
 確かにそういう人、多いと思う。
 一人暮らしは危ないと、姉が老人ホームのパンフレットをあちこちから貰っては持って行き、入所を勧める。「高いからもったいない」と、全然行く気がない。
 毎日一時間来て貰っているヘルパーさんに、「勿体無い学」を教えている。新聞を丹念に読んで、折込ちらしに赤丸をつけ、買い物を頼む。
「言うことがおかしいと思ったら、すぐに知らせてください」
 とヘルパーさん達に頼んであるが、
「なかなか、しっかりしてはりますわ」
 とみんなが言う。
「百まで大丈夫ですよ」
 と言う人に答えて、
「百までとは小忙しいでんな」
 と笑っている。





シンセツなヒト

2007-10-04 01:58:11 | 雑記・エッセイ
「おめでとう。当たりました」
 というメールが来る。
 2ヶ月前から、「あなたのIDナンバーが当選しました」「メールアドレスのaとoとbがラッキーでした」などと書いてある。aとoとbぐらい、誰にでもある。競馬サイト。くじサイト。アフリエイト・サイト。わけのわからないサイト。
 そのあとは、「すぐに登録して配当を受け取りましょう」「1万円のマニュアルが5千円で買えます」「あと一日で権利が無くなります」「急いでください」と来る。
「急がなかったらどうなるの?」
 と放っておいたら締め切り日が過ぎる。と、また「おめでとうございます。当選です」と最初に戻る。
 どれもこれも根気がいい。
 と、ある日、「そんなうまい話はない」というメールが来た。
「何もしなくて儲かるなどはウソだ」「こんなものは買っても稼げない」「気をつけろ」「相談はうちへおいで」と書いてある。
毎日毎日、「気をつけろ」「騙されるな」と。
「●1日一分で1億円!?  たった30秒の作業を一日2回やるだけで一億稼いだそうな。 そんなんで稼げるかっ!」「買うんじゃないよ」と。
 親切な人だなあと思っていた。メールを最後まで読んだ。 
「絶対に騙されない方法」と書いてYRLがあった。
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