ありは、アリなんです。有り、ではない蟻。まっすぐ立っていて地面のアリが見える人が少ないそうです。目の悪い人が多いんですねえ。お医者さんに薦められる目薬のせいで。
ここ1週間、毎日アリを眺めています。忙しい忙しいから。アリを見ていると、忙しいことを忘れます。
1週間前、キッチンのカウンターの上に置いていたティッシュ・ペーパーの箱の中に入っているアリを見つけました。なにかを拭いたペーパーじゃないですよ。甘いものの付いた指で箱に触ったわけでもありません。2年前にもありましたけどね。ティッシュ・ペーパーに、何故アリが来るのか、判りません。ペーパーが好きなのでしょうか? ペーパーに、アリの好きな匂いが付いているのかも知れません。日本は、余計な所に要らないニオイを付けるのが好きですから、困るんですよねえ。
アリの入り込んだ箱を、縁から外へポンと放り出しました。暑い日で、お日さんがカンカン照ると暖かいペーパーがもっと温もって、アリだって暑いだろうと思います。
1時間ほどして箱を見ると、アリは逃げて行ったのか、みんないなくなっているようでした。箱を逆さままにして、ポンポンとセメントを叩いてみました。
それで、使ったバター・ナイフを拭ったペーパーを小さく小さく千切って、庭のポーチの端っこにピラピラっと撒いてみました。どこからともなくアリが現れました。気に入ったニオイがすると、鼻をひくひくさせて……鼻って、見えませんけど……廻るんですね。そばへ行って、食べられると判断すると、「えい」と持って巣へ帰るんです。担いでいるのか、口で噛んでいるのかはわかりません。後ろ脚に引っかけて、引っ張って行くアリもいます。細長く捻ったのはまっすぐに立てて、ひょろろんひょろろんとジグザグ歩きです。2分ほどの間に20匹ほど出て来て、丸めてのや捻ったのをめいめいに持ってゾロゾロです。1センチぐらいで先だけ捻ったのを、細い方を持って立てて運ぶから、風が吹いたらヒョーンと飛ばされるんです。
長いものを巣へ運び込むのはちょっと難しいんですよ。
また続き、書きます。