雑記帳(新居)

移転完了しました

意外と見所のあったフェド杯 (JPN vs. SWI)

2006-04-28 23:46:18 | テニス
先週末に行われた試合なのだが、やっとゆっくり見ることができた。
予想外に見所の多い対戦となった。スイスの4選手は全員がジュニア世代、世界ランクを持っている選手はBacsinszky1人だけ。まして日本ホームの開催だから、勝負になるとは思えなかった。正直なところ「ナメとるのか」とさえ思ったくらいである。しかしその予想はいい意味(?)で外された。スイスの若手選手は予想以上に強打で反撃し食らいついてきた。ついでに言えば、かわいい選手も多い!?

シングルスの第3試合を除いて、いずれの試合も同じような展開となった。第1セットは経験の差か粘りの差というところで日本の選手が次第に流れをつかんで、最終的には大きなリードで奪う。それで日本選手があっさりと勝つのかと思いきや、そうはならない。第2セットは例外なくスイスの若手の反撃を受けて、セットを落としてしまう。そして第3セットになると、スイス選手にミスも増えて、日本の選手が難なく奪う。
# 録画のミスの関係でまともに見られたのはシングルス第2~4試合の3試合

シングルス第2試合は杉山とVogeleという選手の対戦。練習を見ている限りBacsinszkyよりも格下という話だったけれども、試合開始からVogeleがいきなり6ポイントを連取、場内も一瞬静かになった。特にサーブは到底ランクなしの選手とは思えないもので、威力もあるしぎりぎりのコースをついてくる。(あのサーブ、エレーナ姫にほしいぞ…)ストロークもフォアもバックも力がある。
第1セット序盤は、杉山は様子を見ながらという感じだったけれども、次第にVogeleの攻撃に慣れてきたのだろう、それを拾って返すようになりVogeleにミスが増えて、リードを広げた。ところが、第2セットは、杉山に大切な場面でミスが出たこともあり、Vogeleがさらに打ちまくって押し切ってしまう。しかし、第3セットは序盤からVogeleにミスが続いて杉山の一方的な展開になった。
とはいえ、VogeleにはBacsinszky以上に驚かされた。しかもとても可愛い!まずはサーブが魅力である。ほとんどフラットの強打一本槍のように見えたが、試合途中、ドロップショットだのロブだの見せた場面もあり、全く技を持っていないわけではない。それをどこで使えば効果的かがまだわからないのだろう。解説の評価も一貫して高く、磨けばどこまで強くなるかわからないと言っていた。
Vogeleはそれでも世界ランクなし。ジュニアのランクはあるけれども、それすら世界トップというわけではなく、70番台である。女子テニスの世界は恐ろしいものだと感じさせる一戦でもあった。
# ちなみに今大会の観戦で、「ジュニアのランク」なるものを初めて調査した

さて、唯一展開が違うシングルス第3試合は、浅越とBacsinszkyの対戦だった。この試合は、最初から最後までBacsinszkyのバックの強打が炸裂、浅越にほとんど何もさせずにBacsinszkyが勝ってしまった。Bacsinszkyは「左右に振れば何とかなる」「精神的に波がある」という話だったけれども、この試合では左右に振られてもカウンターショットをねじ込んできたし、波も全くなかった。「嘘だろうおい」の連続になった。

第4試合は中村とRinerという選手の対戦となった。なぜ前日杉山相手に粘ったVogeleを出さないのか、と不思議に思われた。第1セットを見る限り、あまりにも力の差がありすぎ、全く試合にならないと思われた。少なくとも、BacsinszkyとかVogeleは「勝負にならない相手」ではなく、日本が力を出し切らないと大変なことになるという印象だった。
ところがこの試合ですら、前日の2試合と同じ展開になってしまう。第1セットはストロークが続いたら全く勝負にならなかったのに、第2セットには、Rinerは中村に左右に振られてもついてくるようになった。Rinerはわずか1セットで大きくレベルアップしたように見えた。
昔ながらのRPGを思い出してしまった。さしずめリーナちゃんの大冒険(?)。主人公は最初は極端に弱く、すぐに虐殺される寸前になって町に逃げ帰ってくる。ところが、それを繰り返しているとすぐにレベルアップして、いつの間にかボスにも勝てるようになる。
そして第3セットも、第1ゲームの中村のサービスでブレークポイントがRinerにあった。これを取られたら、まさか大逆転で最終ダブルス突入かとさえ思われる場面だった。そのブレークポイントをしのぎ、それ以降はようやく中村がペースをつかんで勝利。これで日本対スイスの対戦全体としても日本の勝ちが確定した。しかし、またしても第1セットには予想もしない展開になった。

次のフェド杯ワールドグループプレーオフでは、日本はオーストリアと対戦する。ランクからいえば、今度も日本が勝って当たり前の対戦だ。しかし、オーストリアにもジュニアの有望選手がいる。Bacsinszkyと大差ない世界ランクで、ジュニアのランクではVogeleよりかなり上である。全く油断ならないということである。