時間薬

私たちはとても悲しい事辛い事を人生の中で何度か体験します。心が折れそうになってこれ以上一歩も前に進めないような時もあります。私にもそんな体験がありました。その時の感覚は今でもはっきりと覚えています。

そんな時に当時の私の師匠から「一番効くのはお医者さまの薬ではなく、時間薬だよ」と慰めていただきました。その時はその意味がまだまだよくわかっておらず、この悲しみが癒される時が来ることすら全く想像がつきませんでした。

出来事の本当の意味はずっと時間が経過して振り返った時に、腑に落ちて、思考ではなく感覚として受け取られるものかもしれないと思うようになりました。体験そのものの意味付けをその時にしたとしても、時間が経過した後では全く違う意味付けになっている事がよくあります。

時間薬の効果は、様々ですが私たちのマインドの本質はすべての出来事を癒やしのきっかけとしてとらえ、自らを癒やし再生させるパワーを持っているようです。

ですから 今苦しみの渦中におられる方は、自分自身をこれ以上追い込んだり傷つけたりしないで、せめて自分自身に対して優しい気持ちを少しずつでも向けていかれたらと思います。朝のこない夜はありませんからね。