私たちは時々、2人の自分がいると感じることはありませんか?
前からお話ししている、「主人格」と「別人格」という見方もありますが、もう一つの見方として、「自分の中の父親と母親」という見方をしてみると、さらにいろいろと見えてくるものがあるように感じます。
例外はありますが、ほとんどの場合、私たちの両親からは対極のエネルギーを感じるのではないでしょうか?
私の場合、温厚で冷静で無口な父親と、感情的で心配性で口うるさい母親という組み合わせでした。
今となっては、自分の中に、この両親の対極のエネルギーがあることを実感しています。
そして、このどちらもが、自分の中にあるということを認めてからは生きることがずいぶん以前よりは楽になったように思います。
それまでは、この対極のエネルギーをうまく統合できず、矛盾した感覚の中で生きにくさをずっと感じていました。
何か大きなイベントが起きた時、2人の自分が立ち上がってくるので、それをどう調整してよいか、よくわからなくなって混乱していた時期も長く続きました。
私たちは矛盾を感じた時に、それをなんとか統合して、一つにしたいと思いがちですが、それをやればやるほど、自分自身が嫌になっていったのです。
私の中に対極のDNAがあり、それは紛れもなく、父と母からいただいたものです。
そのどちらのエネルギーが立ち上がっていて、矛盾を感じてもいいと思えるようになってきて、矛盾を楽しめるようになってきたのです。
私は冷静であり、感情的であり、私は非社交的であり、社交的であり、私は無口であり、お喋りでもある、私は堅実でもあり、どんぶり勘定でもある。
その全てを自分自身として楽しんでいます。
きっと皆さんも、矛盾の気持ち悪さに耐えれずに、自分のセルフイメージを一つにしたいと思われていらっしゃるかもしれませんが、矛盾をも楽しんでしまえば人生の味わいが深くなるかもですね。
2つの対極さのどちらかを極端に嫌ったり斥けた場合、必ず身近な大切な人にそのエネルギーが投影されるので、それに振り回されてしまっている方にもよく出会います。
恋愛の最初がうまくいっても、徐々に不協和音になっていくのは、このメカニズムがあるからだと思います。特に両親に対する抵抗が大きい場合はこの壁にぶつかりやすくなりますね。
自分の中に対極の父母のエネルギーがあることを認めてあげるまでそれは続きますので、早めに認めてあげて、人生を楽しめたらいいですね。