
執着に苦しんで、どのように手放したらいいかというご相談を受けることがよくあります。
そもそも、「執着とは何か?」ですが、「心が何かに囚われてしまって、他に向かわない、いつもその事を考えてしまう状態」を指すように思います。
今のパートナーと出会った時、「執着」し尽くした経験が私にはありました。
その時は、夜も眠れないほど苦しんだこともあったのて、そのきつさは今でもはっきりと覚えています。
当時は仕事もしていましたし、忙しくもあったので、他に気を紛らわせる環境ではあったのですが、何をしても全くダメでした。周りからは呆れられ、馬鹿にされたりもしました。
自分の頭の中がお相手の事でいっぱいになってしまい、日常生活もままならなくなり、痩せてしまいました。ここまでの執着は生まれて初めてだったので、完全にお手上げ状態になっていました。
しかし、そんな中で、底を打った瞬間がある時訪れました。それはいきなり起こった心境の変化でした。
ただただ、相手の事が愛しく、自分との関係なんてもうどうでもよくなって、ひたすら相手の幸せを願える気持ちになれたのです。もう一生、会えなくてもいいと思えました。ある意味、自分の自我が小さくなった瞬間でもありました。
それは、確かクリスマスの時だったと記憶しています。それから約10日後、私は交際0日で、2年近く、振り向いてもらえなかった今のパートナーから突然、プロポーズされたのです。
執着は、手放そうとすればするほど、追いかけてくるものです。逆に執着し尽くしてみようと決めて、執着を抱き抱えた時、気づいたらいつのまにか執着が消えていったのです。
いつもお伝えしておりますが、感情は感じきったら消えていきます。
感じきるまではずっと残っていきます。
執着に囚われて苦しい時、その執着というエネルギーと、私たちの間に知らず知らず対立が起きています。
その対立が、苦しみを生み出すのだとわかりました。
私たちの苦しみの原因は、自分の身内でもある「執着」という感情と私を、無理やり切り離そうとするところから起きるのです。
私たちが、執着し尽くしてもう一段、認識力が上がり、「執着している自分」を俯瞰して見れる時は必ずくると思います。
焦って無理やり手放しても戻ってくるのて、ゆっくり「執着さん」と仲良くされてみてください。
そして、執着するほど、誰かを好きになれた自分を労っていただけたらと思います。
執着するには、必ず理由があります。何かその方との間で、未完了の感情があったり、今世でそれを完了したかったり。
それが何かは、し尽くした時に自然と理解されていくと思います。