……………………(安全大会(2))…………
他人事のように話をされる人の後から講演する時には何時も平常心がブッ飛んで行く。
「安全衛生規則の上からも保護帽は必需品であるが、熱中症を予知していな がら保護帽を被らせて、腰に命綱を着装させて部屋の掃除をする必要性が、どこにあるのですか?」
横に、労基署のお偉方がいようといまいと、否、いるだけでヒートアップして喋りまくる。
私が現場所長時代、安全大会に参加して、講師から安全の規則を守るような話とか事故からの安全訓話をじっと半日間聞かされていたものだから、聞く方の気構えも分かっている。
しかし、会場のドアから出た途端に麻雀仲間のウインクで、全てを忘れてしまうのだった。
「さっきの人の名前も忘れたね、現場とあの話は違うンだよね……それロン!」
安全大会が何であったかと軽んじていた償いとして、
(せめて現場で一度は私の話を思い出してくれたら、事故はなくなるよ)
と講演の途中でメッセージを発しているので、やがてアンテナに届くと思っている。
講演の持ち時間をいつもオーバーしているが最後に、
「来年もこの続きを話たくて来たいけど、どうだね?」
一言も聞き逃さないような顔をしていた若手現場マンから拍手が来る。
「来年まで事故もなく、元気でな、また来るよ」
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優しい安全大会の話題にしよう……(日立建機PR誌ティエラ77号から)……
建設行政関係や建設会社の労務安全部からヤマのような安全取り決め事項が毎月工事現場に通達されて来ます。
建設業の躯体職種について今まで話をして来ましたが、今号から数回、安全衛生規則に掲げられていない「現場の安全について」話をしましょう。
建設会社の安全を示す最大イベントは「安全大会」です。
最近は協力業者さん主催の大会も多くなり
「来年の安全大会まで無事故で頑張ろう」
と社長が声を出している会社は職人さんから見れば向こう一年間仕事も廻って来る(支払いも大丈夫)と信頼関係が増して更に安全の重要性が肌で伝わるものです。
一方、
「来年の安全大会は中止します」
という会社からは今月の賃金が貰えるのか、経営危機なのか?と疑えば、いくら安全書類が整っていても毎日現場で安全に作業出来るはずはありません。
年間の安全監理計画書に基づいて、各現場は安全大会及び安全衛生協議会を毎月実施し、記録を残し「無災害竣工」を合言葉に安全第一で頑張っています。
それでも建設現場の事故発生率が高いのはなぜですか。
《安全大会3へ 続く》
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