…………(安全大会(1)・熱中症)…………
7月1日から全国安全週間が始まり、ゼネコン1週間の安全行事日程を製作して、全部の現場に安全点検を勧告しパトロールも実施する。
この期間に『安全大会』の講演依頼も多くて出かけているが、最近の大会では建設現場に直結せず「安全」にも関係ない話で、マンネリ化からの脱却を試みるかのような大会もある。
大会の内容はトップ挨拶に始まって、過去一年間の安全実績の報告・優良協力業者の表彰・安全部署からの報告と真新しい安全書類の配布等で2時間に渡って職員と協力業者の代表が神妙に話を聞いているものの、毎日動き廻っている親方は座っているのが苦痛である。
配布される資料を説明している事も多いが、半日現場を空けて参加しているにしては、安全大会に参加しても得るものが見えて来ない。
一応の安全連絡・報告が終わって、何がしかの講演を聴いて安全大会が終わる。
建設現場に関係ない講師によって安全大会の会場で講演を聞く場合もあるが、主催者が安全活動を本気で立ち向かっているとは思えず、安全監理の底の浅さが見える……場合もある。
とある真夏の安全大会の話をしよう。
労基署の所長さんが来賓として出席されていて、挨拶があった中で、
「……昨年は所轄管内で死亡事故が2件発生しました……。これからは暑い日が続きますから、皆さん熱中症に気をつけて作業を・・・」
決まり文句で話をされて、万事普通に議事が進んでいたが、私の講演はいきなり、
「アンタ達!熱中症に気をつけて仕事せよの命令を出して、職人が死亡したら、業務上過失致死で逮捕される事を、現場監督は覚えておきなさい!」
と瞼の閉じかかっていた現場マンを一発で目を覚まさせてやった。
「事故になる事を知っていながら、開口部にネットを張るのを忘れて事故になれば《未必の故意》に問われますよ。
それと同じで熱中症の予知が出来て熱中症対策を本気で言うのならば、真夏の暑い盛りには休憩時間にスポーツドリンクを配りなさい。
30人の職人さんへ20日で六百本、まとめて買えば一本百円として6万円で大切な職人さんの命が守れるのですよ。
安全ネットもドリンクも手を打つ事をこまねいたら、結果は同じです。
予算にないから事故にもならないと、誰が保証出来るのですか!」
一気に喋っていると怒りが湧いて来る。
安全認識と言うよりも《誰の為の安全なのか》と聞いている人の琴線に響く話をしたい気持が強くなって、私が熱くなって来た。
本音を遠慮なくズバリと言うのは簡単であるが、講演料を頂きながら、安全担当者が気まずい思いをしないように心がけていても、他人事のように話をされる人の後から講演する時には何時も平常心がブッ飛んで行く。
「安全衛生規則の上からも保護帽は必需品であるが、熱中症を予知していながら保護帽を被らせて、
《安全大会(2)へ 続く》
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