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サワギキョウ・1~開花

 岡山県倉敷市真備町は小説家の横溝正史氏が戦時中に疎開していた町(当時は吉備郡真備町)。横溝氏は昭和20年4月から3年間、真備町岡田地区に住み、昭和21年に金田一耕助シリーズの第1作となる『本陣殺人事件』を発表した。その後『獄門島』『八つ墓村』『犬神家の一族』『悪魔が来たりて笛を吹く』などを次々に発表していったのはご存知の通り。真備町の周辺には小説の舞台として登場する駅や池などがあり、横溝ファンの聖地になっているそうだ。
 しかし先月の西日本豪雨で、真備町公民館岡田分館に保管されていたイベント用の金田一耕助の衣装30点や小道具50点が浸水で泥にまみれてしまった。そこでそれらの復元のために地元の有志が“金田一募金”を呼びかけたところ『キンダイチコウスケ』『エドガワランポ』『アガサクリスティ』などという名で続々と寄付金が集まっているようだ。一日も早く被災地が復興し、金田一耕助イベントなどで再び町が盛り上がることを願っている。
 写真は長池公園里山地区で咲き始めた「サワギキョウ(沢桔梗)」。キキョウ科ミゾカクシ属の多年草で全草にアルカロイド系の毒がある。以前にも触れたが、横溝正史作品の『悪魔の手毬唄』では、このサワギキョウが“お庄屋ごろし”として殺人事件に利用されている
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