今年の9~10月に放映されていたNHKドラマ『植木等とのぼせもん』を面白く見ていた。原作は喜劇役者の小松政夫さんで、小松さんは植木等さんの付き人兼運転手だったそうだ。クレージー・キャッツの全盛期に、小松さんが植木さんに弟子入りし、運転手から役者に育てられていくという師弟愛がとても楽しく描かれていた。小松さんは現在、日本喜劇人協会会長を務める重鎮であり、名実ともに“小松の親分さん”になっている。歴代の協会会長を調べてみると初代にエノケンこと榎本健一さん、そして柳家金語楼さん、森繁久彌さん、森光子さん、大村崑さんらが務められており、小松さんは10代目になる。ドラマを見逃された方は、小松さんの著書『昭和と師弟愛 植木等と歩いた43年』をお薦めしたい。
写真はキンポウゲ科サラシナショウマ属の「イヌショウマ(犬升麻)」。初秋に純白の綺麗な花を咲かせたあと、長さ6~7ミリの果穂が出来ていた。果実が並んだ様子は、電線に止まったスズメのようにも見えて面白い。
『デンセンマンの電線音頭』 作詞:田村隆 作曲:不詳
歌:デンセンマン・伊東四朗・小松政夫他 昭和51年
(JASRAC許諾期間終了のため歌詞省略)
別所やまざくら公園の林縁に生えている「ソヨゴ(冬青)」。モチノキ科モチノキ属の常緑高木で初夏に目立たない小さな花を咲かせ、秋に直径7~8ミリの赤い果実を稔らせる。草木の葉が風に吹かれかすかに音を立てて揺れ動くことを“そよぐ”というが、ソヨゴは風が吹くと葉が擦れ合って『サラサラ』と音がすることから名付けられている。また漢字表記の“冬青”は、冬でも青々とした光沢のある葉という意味になる。
今年11月に初めて小山田緑地で見ることができた「キッコウハグマ(亀甲白熊)」だが、それより2か月前に長沼公園でそれと知らずに閉鎖花を見ていたことを先日記事にした。そこで今日は、我が家から首都大学東京の丘を越え、更に下柚木から野猿峠まで2.5キロ続く登り坂を走って再度長沼公園に向かった。そして2か月前に見た“霧降の道”を念入りに探していると、やっと草丈10センチほどの綿毛のキッコウハグマを見つけることができた。最初は1株だけだと思ったが、薄暗い山道で目が慣れてくるとあちこちに綿毛の株が生えていて、おそらく20株ほどはある。これなら来年は開放花もたくさん見られるだろう。楽しみがひとつ増えた。キッコウハグマはキク科モミジハグマ属の多年草。