読書録「剣聖」4
著者 池波正太郎、津本陽、直木三十五、五味康祐、綱淵謙錠
出版 新潮社
P77より引用
“季節がうつろうごとく、川床に水のながれるごとく、すべての
事態に対して、あくまでも自然に寄りそい、しかも上泉伊勢守秀
綱という我身を生かしきろうとするこころの自由自在なはたらき
を無意識のうちに、つかみとっていたのであろうか。”
名だたる作家陣による、日本の歴史に名を残す剣の達人たちを
描いた作品を集めた一冊。
上泉伊勢守から柳生石舟斎まで、知らない人が少ないであろう
剣の達人について書かれています。
上記の引用は、上泉伊勢守について書かれた作品での一文。
水はどこに移しても水でありながら、その移された器に合わせて
カタチを変えることができる。融通無碍と言った考え方でしょう
か。こういった気持ちの持ち方を手に入れるには、余程の時間と
経験を必要とするのだろうなと思います。
短編を集めてありますが、どの剣聖についてもそのひとりひと
りで、何冊もの長編になる人物ばかりです。マンガの中にもよく
登場する人達いるので、多くの人達に馴染みの深い有名人なので
はないでしょうか。
時代小説なので、言葉遣いが少々難しいような気がしますが、
普段読み慣れていない私のような人でも、少し読んでいると慣れ
て気持ちよくなってきました。
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剣聖―乱世に生きた五人の兵法者 (新潮文庫) | |
池波 正太郎,直木 三十五,綱淵 謙錠,津本 陽,五味 康祐 | |
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