読書録「世界は分けてもわからない」3
著者 福岡伸一
出版 講談社
p274より引用
“この世界のあらゆる要素は、互いに連関し、
すべてが一対多の関係でつながりあっている。
つまり世界に部分はない。部分と呼び、部分
として切り出せるものもない。そこには輪郭
線もボーダーも存在しない。”
目次から抜粋引用
“ランゲルハンス島、一八六九年二月
相模原、二○○八年六月
ES細胞とガン細胞
細胞のなかの墓場
治すすべのない病”
生物学者である著者による、細胞の作用に
ついて書かれたエッセイ集。
自らの研究発表についてから他の研究者の
成果についてまで、世の中の生物とは違った
ことなども例えに使って書かれています。
上記の引用は、エピローグでの一節。
境界線を作ったりそこで分断したりするのは、
人間ならではの行いのようですね。
少し強引でも分断して境界を一応決めておか
ないと、デタラメに世の中が動いてしまうか
らかも知れません。ただ、デタラメに動くこ
とで上手く行く人達もいるから、結局いつま
でも落ち着くことは無いのかもしれないなと
思いました。
今年日本でとても話題になった、研究結果
の捏造について、過去の例が記されています。
日本で話題になったあの人のことではなく、
海外のまた別の研究者の話です。
科学において、目覚ましい結果を得ようとあ
せってしまうと、そういう事を起こしてしま
うことは多くなってしまうのでしょう。
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