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読書録「0能者ミナト5」ほか

2025-01-30 | Weblog
読書録「0能者ミナト5」4

著者 葉山透
出版 メディアワークス文庫

p143より引用
“「心の贅肉をそぎ落とす。富をすべて捨て
なければならない。そうすれば死者と自由に
会えるようになる。それが彼岸の会の教義な
んです」”

目次より抜粋引用
“第一話 『石』
 第二話 『詐』
 閑話 『避』”

 霊力や法力を持っていないにも関わらず、
怪異と相対する青年を主人公とした、短編連
作小説。
 田舎のまちおこしの展覧会場で受付をする
女性職員、客も来なさそうな様子に、閉館し
ようと同僚と話している所へ、二人の客がやっ
てきた…。

 上記の引用は、降霊術を売りにする団体に
ついて語る僧侶・孝元の台詞。
何とかして人の財布の手を入れようとする連
中が、現実にもフィクションにもいて嫌にな
る話です。ただ、物語の中でなら、ちゃんと
因果応報となることも多いので、話のネタと
しては面白くはあります。人を嘲った主人公・
ミナトに因果が巡るのもフィクションなら笑っ
ていられます。
 一話目には、妖怪と言えば必ず出てくる大
物が登場。主人公・ミナトの助言もほとんど
なしにその大物との戦いを繰り広げる、巫女・
沙耶と法力使い・ユウキの活躍が描かれてい
て、二人のファンには嬉しい巻となっていま
す。

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読書録「0能者ミナト6」5

著者 葉山透
出版 メディアワークス文庫

p22より引用
“「誰にでも優しいっていうのは、大事なも
のを持ってないってことだ。特に一番大事に
しなきゃいけないものを大事にしてない」
「一番大事なもの?」
「自分だよ」
「だから異常者か」”

目次より抜粋引用
“第一話 『首』
 第二話 『件』
 閑話 『戯』”

 霊力や法力を持っていないにも関わらず、
怪異と相対する青年を主人公とした、短編連
作小説。
 大雨の中、携帯の電波も届かない田舎道を
歩き、目的の家へ辿り着いた少年。電気の点
いている家の中へ呼びかけるものの、返事は
なく…。

 上記の引用は、主人公・ミナトと刑事の会
話。死んだバイトの先輩に付いてのもの。
自分の身を顧みることなく、人に手を差し伸
べられるというのも、どこか変なことなのか
もしれないと、考えさせられる一節です。
自分を労りつつも、人に優しく出来る人間で
あれたらいいなとは思いますが、なかなか出
来ることでもないのではないでしょうか。
 主人公・ミナトの過去と人間らしさが、大
いに描かれる重要な巻。巫女の理彩子との因
縁も描かれ、物語に奥行きを持たせる人間関
係の始まりを見ることが出来るのではないで
しょうか。

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