#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

異常性愛記録ハレンチ

2007-11-13 | BOOKS&MOVIES
1969年、石井輝男の作品。

白羽根に埋め尽くされたベッドルームに
鮮血のごとく赤い液体が飛び散る冒頭、
オープニング映像の新しさもさることながら、

仮面ライダーの悪役、ショッカーのごとく
気を許さない執拗さで、女を求める「深畑さん」がスゴイ。

「愛してるんだから、ボク愛してるんだから」

と、懇願しながらも目は剥き出し、涎が垂れ、
衣服を破り、下着をはぎ取り、舌がカラダを這うシーンは強烈。

そしてそれがエンドレスに繰り返されるのだから、たまらない。
しかも、何度犯されても、無碍に断れない「典子さん」もスゴイ。

異常性愛の果てが、ゲイとの戯れという
当時としてはかなりハレンチな描き方にも脱帽だ。

ゲイバーでのダンスシーンはストロボ映像で、
ストップモーションのゲイと「深畑さん」の醜態が、
光の明滅に紛れてしつこくしつこく流れるのだから、ものすごく、イイ。

場面一転いつの間にか、金髪女のレズシーンになったかと思うと
それを小窓から眺め、ゲイとまぐわう「深畑さん」。

どこまでもハレンチ。究極のハレンチ。

いったいこの映画は、どのように当時扱われていたのだろう。
「成人映画」というジャンルでは括りきれない異常性である。

この映画が成立していた背景が、知りたい。
人間の欲望をここまで醜悪に描いて、
現在でもその映像が残っていることが、ボクはうれしい。

綺麗事だけで世俗を測ろうとする
片輪な視点より、よっぽど正常である。





「異常性愛記録ハレンチ」映画をめぐる怠惰な日常
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網走番外地~南国の対決~

2007-11-13 | BOOKS&MOVIES

  娑婆を娑婆を 追われて網走へ
  はるばるやってきたけれど
  新米新米馬鹿にされ
  俺らの出しゃばる すきがない

  こんな こんな俺らに何故ほれた
  ほれてくれても 幸せに
  やってやれない 北の果て
  早く見つけろ いい奴を

  寒い 塞い季節も通り過ぎ
  やっと芽が出る 顔が出る
  俺らの名前を教えましょ
  その名も 網走ごくつぶし



こちら「網走番外地」の主題歌。
なんと、放送禁止になっているらしい。
その理由が、これ。

「退廃的・虚無的・厭世(えんせい)的言動を、肯定的または魅力的に表現したもの」

世俗に背を向けたような内容は、
青少年に悪影響を及ぼす…との理由だろうか。

しかし、高倉健が演じる「橘真一」は、
見事に筋の通った男だ。

「飲む打つ買う」のやくざな世界にあって、
酒も飲まず、博打もせず、女も買わないストイックな生き様。
曲がったことが嫌いで、間違っていることには、命を張って戦う姿勢。

見ていて、惚れ惚れする。
その自信はどこから来るんだ?

自分自身をしっかり持っていないと
周りの意見とぶつかって、すぐ揺らいでしまう。

しかし、橘は決して言い訳もせず、
自分で自分に問いかけ、成すべき事を成す。

復帰前の沖縄が舞台となっていて、
映像としても大変貴重な作品。


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