札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

増毛の建築探訪② 増毛館 山形屋旅館 本間家店舗・住宅 千石蔵 旧小林廻船問屋

2021-11-20 10:41:54 | 増毛町

 

⑥「旧増毛館」*道北の建築探訪124

 

所在地:増毛町弁天町1丁目21-1
開業:昭和7(1932)年ころ
建設年:昭和7(1932)年ころ
廃業:平成10(1998)年 *現、ぼちぼちいこか増毛館として営業中


増毛町のレトロストリートにある駅前旅館である

ファサードが印象的で漆喰モルタルの外壁と半円の2階上げ下げ窓、1階には菱形の窓を配し
アーチ型の玄関など凝った意匠になっている。

旧増毛館から町が土地を買い取りドミトリー民宿の「ぼちぼちいこか増毛館」が営業している
左端の突出部分をカフェに改修し、人気を博している。

 

 

 

 

 

 

2021年11月撮影

 

 

 

⑦「旧山形屋旅館」

 

所在地:増毛町弁天町1丁目
開業:昭和8(1933)年
建設年:昭和8(1933)年
廃業:?


増毛館の向かいにある古くからの駅前旅館

昭和8年の建設が近辺の建物に多いのは大火で焼けた後の建設が多いからのようだ
外壁や内部の補修はあったようだが、訪問時では営業をしているようには見えなかった。

玄関屋根と中央の屋根、2階の上げ下げ窓がレトロ感を誘っている。

 

 

 

2021年11月撮影

 

 

 

⑧「本間家旧呉服店店舗・旧住宅・文書蔵」 *道北の建築探訪123

 

所在地:増毛町弁天町1丁目27
開業:明治26(1893)年
建設年:明治26(1893)年上棟
指定:増毛町指定文化財


本間家は増毛を代表する豪商で名家である

レトロストリートでもひと際目を引く建物群は多くの観光客が見学をしている。

元は佐渡出身の本間氏が小樽の呉服店に勤務し独立して増毛に店を出した
他に荒物や醸造、海運、不動産業、ニシン漁などで事業を拡大した。

呉服店舗は石蔵で他に住宅と二つの土蔵がある
平成9(1997)年に町文化財に指定後、大規模修復を経て2000年に一般公開された。

有料ではあるが、ここはぜひとも内部を見たいところ
訪問時は今年の公開が終了したため叶わなかったが機会があれば見学したい。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

増毛館との間の倉庫もレトロ感ありです

 

2021年11月撮影

 



⑨「千石蔵」

 

所在地:増毛町稲葉海岸町53
建設年:明治末期


元は本間家の倉庫として建てられたもので〇に一の屋号が入っている
場所は本間家呉服店舗を海側に曲がると左にある。

鉄の扉も木造の扉も重厚さが目立つ蔵だ

現在は国稀酒造が活用し資料館としてニシン漁船や関連品を展示している
こちらは無料で見学が出来、カフェもあるので一服出来そうだが、
やはり今年の見学は終了したようだった。

 

 

 

2021年11月撮影

 

 

 

⑩「食堂志満川店舗・住宅 / 今野鉄工所住宅」 *道北の建築探訪122

 

所在地:増毛町稲葉町1丁目1
建設年:明治25(1892)年


この2軒は元は同じ所有者で繋がった建物である
本間家の向かいに位置し食堂はレトロストリートに面している

小林氏は本間家と同時期に廻船問屋を開業しここに店舗兼住宅を構えた
その後、鉄道開通により廃業し昭和50年ごろに住宅を分割したようだ。

食堂は現在も営業しており人気店である
隣接した方の住宅棟は和洋折衷の造りで昭和の初期ころに改装したと思われる
玄関廻りが秀逸である。

石蔵もあり由緒ある場所のようだ。

 

 

 

 

 

海側の住宅棟の所有者は別人である
一見普通の家に見えるが、先の千石蔵側から見ると3階の意匠が気になる

和風の本間家に対抗して造られたといわれ、内外部とも洋風になっている
正面から海が見える また山側は上げ下げ窓でシンプルにしている。

 

 

 

 

2021年11月撮影

 

 


増毛の建築探訪① 増毛小学校旧校舎 増毛灯台 旧増毛駅 旧富田屋旅館 風待食堂

2021-11-20 08:27:16 | 増毛町

 

道北の増毛町に行って来ました。

日本海側にポコンと突き出たところが増毛町です
前回訪問の美唄市が炭鉱で栄えた町であったが増毛町はニシン漁であった。

美唄が炭鉱遺跡や関連施設が多いのに対し、増毛は石造りや倉庫・蔵が多いのが特徴です。

現在の産業は海産物では甘えびが有名で、日本最北の酒造会社「国稀」や
サクランボなどの果実、暑寒別岳への登山など道内の街の中では個性があるほうでしょう。

レトロな建物は旧増毛駅を基点に道道301号線沿いに多く残っている
うち、3軒はいわゆる駅前旅館で国鉄時代にたくさんの人が訪れたことだろう。
また高倉健の主演映画「駅 STATION」のロケ地として各所に写真や色紙がある

それと北海道を代表する木造校舎があるのも増毛町の特徴でよくぞ残してくれました。

 

 

①「旧増毛町立増毛小学校」 *道北の建築探訪126

 

所在地:増毛町見晴町
開校:明治11(1878)年
建設年:昭和11(1936)年
閉校:平成24(2012)年


増毛小学校旧校舎は現存する北海道の木造校舎で最古で最大である

平成13(2001)年には駅前の歴史的建造物とともに北海道遺産に選定された。
普段は内部の見学は出来ないがイベント的に見れる時があるらしい

増毛町が2016年度のふるさと納税の用途指定項目に「旧増毛小の保存・活用に関する事業」を追加したところ、目標の3000万円を大きく超える4200万円が集まった

2017年には、そのうち2900万円を費やして体育館などの屋根を張り替え、煙突7本を撤去する工事が行われたとのこと

 

校門は道路から石段を上がったところに健在で
一つに校名プレートがあった。

校舎は教室棟と体育館がロの字に繋がっており、ぐるりと一周できそうだ
そして中庭もある。

正面玄関にはシンボルツリーがあり眼前が校庭である
校庭は雑草が生い茂っており、改めて閉校するとこのようになるのは自然の摂理と思った。

体育館側には立派なグラウンドがあり、こちらは現役で練習や試合に使用していそう。

車道向かいに鳥居があるのでそこから眺めると一角が少し高い目線で見られる
学校敷地内はロープ等は無いが学校長名で関係者以外の車進入は禁止とある。


これまで当別町の弁華別小学校や栗沢の雨煙別小学校が大きいと思ったが
規模が違う
これだけの建物を維持するのは、やはり外部からの資金も必要であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*尚現在の増毛小学校は別所にあります

 

 

 

②「増毛灯台」

 

所在地:増毛町弁天町5丁目96
開設:明治23(1890)年 初点灯
建設年:昭和24(1949)年


ルート的には先の増毛小学校旧校舎の向かいに鳥居方向に入る細道があるので進む 車でも進入できる。

その後下りで一本目のさらに細い道を右に曲がると突き当りが灯台だ
数台分の駐車場がある。

わかりやすい看板があり、増毛港を眼下に見る
赤と白のカラーは平成2(1990)年に塗装したものだ。

初点灯時は木造であった
明治23年でも道内では13番目の古さである。

 

 

 

 

 

 

 

③「旧増毛駅跡」

 

所在地:増毛町弁天町1丁目
開業:大正10(1921)年
建設年:昭和34(1959)年
廃止:平成28(2016)年


留萌本線は留萌までの鉄道であったが、留萌港の完成が遅れる可能性があり
そこで早く使える増毛港のある増毛町まで延線した経緯がある。

1970年代に貨物、1980年代には荷物が廃止、そして1990年代には無人駅となる
2016年に廃止、2018年から観光利用となった。


増毛駅は終着駅であり現在の構内を見たところ鉄路の先は海だった
駅舎自体は数回の補修や改装があるようで、随分と綺麗だ。
最近では2018年の改装がそれである。

駐車場は広くあるので付近の散策時に使える
ホームや線路に身近に接することができ、鉄道ファンならずとも楽しめるはず。

駅舎内は売店や駅の歴史の展示物がある
増毛駅で有名になったのは「増毛」が頭髪増毛に繋がると記念切符が売れた
また、高倉健主役映画「駅 STATION」でのロケ地などほかの映画のロケ地としても使われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④「旧富田屋旅館」 *道北の建築探訪130

 

所在地:増毛町弁天町1丁目15
開業:昭和8(1933)年
建設年:昭和8(1933)年
廃業:昭和50年代前半


富田屋旅館は現存している駅前旅館の中で一番駅に近く目の前に建っている
見た目も珍しい木造3階建てである。

旅館としての営業はとうに終わり、施主が平成30年まで住んでいたが退去し町が管理保存することになった。
建物は痛みが激しい箇所を早急に補修工事を行った(11月上旬まで)
濃いグレーに塗り替わった外壁は重みがあり素敵に見えるがどうか

2階と3階の縁側がある窓が印象的なファサードで
「旅館 富田屋」と書かれた破風部分がとてもいい感じだ

場所柄、歴史的建物めぐりのスタート場所にあるので
ほとんどの観光客が見物していくだろう
内部も補修が終わったら見てみたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⑤「風待食堂 観光案内所」 旧多田商店 *道北の建築探訪125

 

所在地:増毛町弁天町1丁目
開業:大正2(1913)年
建設年:昭和8(1933)年


多田商店は大正2年創業の雑貨店
富田屋旅館の隣にあり駅前の風景に一役買っている

下見板張りに寄棟屋根が印象的で最近ではこのような2階建て木造建物は珍しくなった

現在は観光案内所として活用され、広い所内ではないが増毛町の紹介、特産物の販売、「駅 STATION」のセット再現などところ狭しで楽しい
風待食堂の名前だが食堂ではない。

増毛町のレトロストリートの基点としてまずは覗いてみては。