札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

小樽 蔵めぐり ⑨

2022-04-27 20:36:23 | 小樽市

参考図書は資料として素晴らしくかなりの軒数が記載されておりますが、全軒訪問が近づいてきました

*参考図書「小樽 蔵めぐり イラスト帖」2017年6月16日発行
*一般住宅の名前・住所は略で 地図は載せません

 

 

「S氏邸 蔵」

 

忍路
1904(明治37)年建築
木骨石造2階建て

S氏の蔵は「小樽 蔵めぐりイラスト帖」にはもう1棟あったが解体されたようだ。
過去にはニシン漁の網元として番屋やいくつもの蔵を所有していた。
現在までの間にニシン漁は衰退し残っている蔵も少なくなったと言える。

とは言え、忍路、高島、祝津には漁業が盛んだったので蔵はまだあるほうだ。

 


2022年3月撮影

 

 

「旧渡辺薬局 蔵」

 

塩谷1丁目
明治30年代建築
木骨石造2階建て

新潟出身の建築主は、ここ塩谷で行商をし薬局として代々続いた。
その時の薬用の蔵と思われる。

現在の子孫は札幌市で商売をしているとのこと。

塩谷は国道5号線を挟んでJR駅のある山側と海水浴場のある海側に
住宅地は分かれる。
この蔵は海側のメーンストリートに面しているが塩谷も現存している蔵はほとんどないかも知れない。

 


2022年3月撮影

 

 

「T氏邸 蔵」

 

高島
明治時代建築
木骨石造2階建て

高島地区には新潟の日本海側からの移住者が多いとのこと。
T氏はニシン漁が絶えてからも、北洋漁業などを営んでいた

会社の名前は「山善水産」で、「山」に「善」を屋号にし蔵にも記したようだ
蔵は住宅街にあり表裏どちらからでも見ることが出来る。


 


2022年3月撮影

 

 

「A氏邸 蔵」

 

高島
建築年不詳
木骨石造2階建て

建築主は不明で1998年ごろにA氏が取得した
そのころは漁具の倉庫に使われており、高島地区はやはり漁業関係の蔵が多い。

窓廻りを木で下見板張りにしたりガラスを入れたりと個性がある蔵だ
ちなみに窓を中心からずらしているのは直射日光を避けるためと記載してある。

住宅街の細い坂道にあり正面からは全景を撮影出来なかった。


 


2022年3月撮影

 

 

「旧青山家文庫蔵」

 

祝津1丁目35-1
1896(明治29)年建築
木骨石造2階建て

青山家は ニシン漁で祝津の三大網元として巨万の富を得た。

その栄華を残すものとして祝津3丁目の「旧青山別邸」や開拓の村に移築された「旧青山家住居」などで見ることが出来る。

当然、蔵も多かっただろうが、この「文庫蔵」はほとんど前浜に面した
場所に建つ。

文庫蔵とは現在の書斎を言うらしいが、数代にわたり栄華を極めた青山家には書斎も必要だったのだろう。

ちなみに併設されている建物は、蔵を購入した方が蔵の雰囲気に合わせて
建てたものである。

こういう方も素晴らしい。

 

 


2022年8月撮影

 

 

 

 

「旧青山家倉庫」

 

祝津1丁目35-2
1896(明治29)年建築
木骨石造平屋

住所は祝津だが、昔のこの辺は豊井と呼ばれた漁村であった。

青山家はここにニシン漁の基地としてかなりの場所を所有して番屋や倉庫として蔵を持った。
蔵は数も多かったようだが現存しているのは先記の文庫蔵とこの蔵だけである。

現在は漁業関係の企業が資材倉庫として活用している
豊井は幼いころに何度か海水浴に来たことがあるが、風景などはすっかり忘れていた。


 


2022年3月撮影


 

 

「旧青山家倉庫」

 

祝津3丁目117
明治時代建築(推定)
木骨石造平屋

この倉庫の近辺に、現在開拓の村にある「青山家本邸」があった。
道路を1本挟んだ隣は祝津3大網元の茨木家蔵と本邸が建っており、この地域がニシン漁の重要な場所であったことがわかる
倉庫は「小樽大正硝子館」の倉庫として使われたが現在未確認。
前記した祝津1丁目の蔵と同じくらいの大きさか。



2020年10月撮影

 

 

「茨木家蔵①」

 

祝津3丁目118
建築年不詳
木骨石造2階建て

蔵は2棟並んで建っており、バス通りに面したのがこちら。
茨木家は、他に本邸や番屋も現存している。
中には食器やお膳など家庭用品が多く収められていたそうだ
それだけたくさんの人がここには暮らしていた。


2020年10月撮影

 

 

 

「茨木家蔵②」

 

祝津3丁目118
建築年不詳
木骨石造2階建て

前記の蔵と背中合わせに建っていて、蔵の状態は上々である。
中に収納していたのは隣と一緒で家庭用品が多いようだ
この2棟の間から垣間見える見事な本邸を見てほしい。





2020年10月撮影

 

 



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