札幌・北海道のレトロ建物大好きおぢさん日記

札幌(北海道)のレトロでモダンな建物を見たり撮影するのを趣味としています。

旭川市の建築探訪②

2023-10-19 21:19:05 | 旭川市

旭川市の建築探訪は10月の2日間で廻りました 雲もあったが両日ともまぶしいくらいの好天であった。

 

「㈱西倉倉庫」 旭川と道北の建築探訪NO22


所在地:旭川市5条通13丁目右10
建設年:昭和3(1928)年

 

旭川市内に石造りの倉庫群があるのはここだけ。

倉庫のNOは1~6まであり、1と2は同じ倉庫で左右に分かれている
また4と6は背中合わせに建っているので片側からだけだとどちらかしか見れない
5は道路向かいに単独で建っている。

ほぼ同時期に建てられ、妻側上部に屋号の「二」がある
2号は政府指定の低温倉庫として建てられ、駐車禁止の看板がある。

角地に建つNOの無い倉庫は個性的で瓦葺の寄棟屋根とアーチ型窓を持つ。

木造の事務所棟も味があり、硬い倉庫群に柔らかさを与えているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「高砂酒造」 旭川と道北の建築探訪NO9


所在地:旭川市宮下通17丁目
建設年:明治40年代・昭和4(1929)年

 

高砂酒造は、以前は創業者の名前をつけて明治32年に「小檜山酒造店」として醸造工場を始めた。

この時は市内で4番目の酒造会社であった。

宮下通を挟み両側に工場群が出来上がり、今や現存する数少ない建物になった。

建物は現在の売店や並ぶ蔵などが明治40年代の建物で
以前は連なる平屋と土蔵2棟があったが現在は解体された。

売店と2階建て住宅部分は1階で仕込み水が飲める 過去の酒類、ポスターなどが
あり一見の価値があると思う。
またここまでの通路は明治時代から変わっていないとのこと。
蔵の部分は休憩所になっている

道路向かいの事務所、作業所が昭和4年のRC造りである。
これは市内でも時代的に貴重なRC造りの建物で
正面に三角形のペディメントがあり屋号が記されている。

奥の線路側にはレンガ造りの瓶詰工場が現存している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「F氏邸」


所在地:旭川市宮下通
建設年:昭和5(1930)年

 

令和3年「旭川の歴史的建物の保存を考える会」が建築賞に選んだのが
こちらの住宅。

酒造業者の社長の自邸として、上川神社の旧敷地内に建築されたとのこと。

現在も建設当時の状態をほぼ保っている
あいにくと撮影時は逆光のため外壁の状態はわからないが
しっかりとし建物に見えた。

また2階窓や玄関廻りの意匠も素敵なものがある。

このような建物(住居)が大きな通りに面して建っているのは珍しいのではないか?

作家の三浦綾子さんのデビュー作「氷点」の主人公の家のモデルになったことでも知られ、朝日新聞の連載第一回には、その外観が挿絵として描かれているそうだ。

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

「旭川バプテスト教会」旧新町幼稚園


所在地:旭川市8条通西1丁目1-11
建設年:()年


別の目的地付近をストリートビューで見ている時に
偶然に目についた。

果たして行ってみると、いい味わいの建物である
正面側は逆光で撮りづらかった。

すぐ隣には牧師館もある。

印象的な形の窓が連続するさま、横側の壁の窓などが見た目の特徴であった。

そこに表示看板を補修している人がいたので声をかけてみたら
教会の関係者とのこと(男性)
外観の撮影許可をいただきながら、少し会話させていただく。

築70年は経っているとのこと

教会として建てられ、次に「新町幼稚園」そして現在の「旭川バプテスト教会」へ変わっていったことを聞いた。

古い建物なので特に屋根の修理は大変だったらしい。

こちらは話を聞かせていただきありがたいが
先方も撮ってくれてありがとうと言ってくれた。

とても嬉しいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは「牧師館」


2023年10月撮影

 

 

 

「明治屋」 旭川と道北の建築探訪NO11


所在地:旭川市1条通5丁目
建設年:昭和26(1951)年

 

札幌軟石、美瑛軟石の二種類が使われている珍しい建物。

それは倉庫として建てたものを戦後に解体し、その一部を使用して
この建物を作ったからのようだ。

1階下部と玄関廻りに石の違いが出ている

整然と並ぶ縦長窓が石造りの建物のアクセントになっている
窓枠は代えたものだろう。

大通りに面しているので大きくは無いが目立つ建物だ。

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「タカラ市場」 旭川と道北の建築探訪NO12


所在地:旭川市1条通5丁目76
建設年:昭和6(1931)年

 

その昔は数十件もの件数があった市場の数少ない貴重な現役である。

大通側から見ると左右とも新しくサイディングなどに変わっているが、中央部分にわずかにかつての外壁が見える。

また中央の入り口は通り抜けになっており
裏側の通りから見ると片側はまだ窓枠以外は以前のままのようだった。

2階以上は住居で玄関が別にあったが、そこは使われていないように見えた。

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「道北バスの洋館」


所在地:旭川市2条通4丁目1
建設年:()年

 

この洋館もストリートビューで見つけたもの
スーパーの向かいでもあり地元の人は建物のことは認知しているだろう。

大きく角度のある切妻、玄関のアーチ、縦長の上げ下げ窓、下見板張りなど
印象的な個所が多い建物だ。

敷地は「道北バス」のもののようだが、それ以外は一切わからない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「旧西家邸」 旭川と道北の建築探訪NO4


所在地:旭川市4条通3丁目1694
建設年:大正13(1924)年

 

以前は北側に大きな庭園があったようだが、現在は駐車場になった

それでも切妻屋根の和風建築建物自体が旭川市内でも現存する代表的なものであり
角地にあり蔵もある造りは昔から有名なものだろう。

駐車場(以前は庭園)に向かい縁側があるので当時は庭を眺めながらの暮らしは
心も満たされただろう。

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「日本醤油工業」旧笠原酒造 旭川と道北の建築探訪NO29


所在地:旭川市曙1条1丁目2-302
建設年:明治23~40(1890~1907)年

 

明治23年に建築されたときは酒造倉庫だったが、昭和19年に醤油製造業となった。

倉庫など多くの棟があるが通りに面している木造建築の事務所棟と
大きな切妻屋根の売店が連なる姿がいい。

売店では「キッコーニホン」ブランドの醤油ほか多くの商品を販売しているので
お土産に良いのでは。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「Y氏邸」 旭川と道北の建築探訪NO28


所在地:旭川市曙
建設年:昭和12(1937)年

 

住宅街にある個人住宅は撮影がしづらい
この住宅は「旭川と道北の建築探訪」に掲載されており
庭から邸内まで写真が掲載されているので施主さんは寛容な方なのだろう。

正面から見る洋風の造りに1階にある丸窓などが印象的
中庭は広く、外からは見えないが庭から見る邸は奥行きがある

また邸内にはペチカがあるとのこと。

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

「旭川道銀ビル」

 

所在地:旭川市1条通9丁目92-1
建設年:昭和40(1965)年

 

北海道を代表する建築家、田上義也氏は
昭和26年に設立したばかりの北海道銀行初代頭取である島本氏に自邸に呼ばれた。

その邸は田上氏の代表作である北大の旧小熊教授邸であった。
小熊邸を購入しすっかりこの家が気に入った島本頭取はその後この家の増築、
東京の自宅、それに70を超える北海道銀行の支店や寮、保養所の建築を田上氏に依頼した。

田上氏の建築人生には戦後の空白期間があるが、その時に島本さんと出会ったことは
田上氏の人生において大きな意味があったのではないか。

この道銀旭川ビルは昭和40年に竣工している
その1年前に札幌市中央区に現存している北海道銀行本店ビルを設計、竣工した。

本店ビル並みに大きな旭川支店なのでおのずと似ているところがあるだろう
今回は時間が無かったが本店にある道銀カラーであるグリーンタイルの
階段があるか見てみたいものだ。

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 


旭川市の建築探訪

2023-10-16 19:22:36 | 旭川市

旭川市は人口北海道第二位の都市であり道央から道北地区への重要な場所にある
古くからの個人住宅などに多くの見るべき建物がある
または古くは第七師団が常備軍として設置され、それらの遺構も多い。

 

「福吉カフェ 旭橋本店」旧北島製粉所 旭川と道北の建築探訪NO26


所在地:旭川市常盤通2丁目1970-1
建設年:大正13(1924)年

 

道央道の旭川鷹栖で高速を降りて、旭川市の代表的な橋「旭橋」を渡ると
左側に廻りに合わない古い建物がある。

現在は「福吉カフェ旭橋店」として営業しているが、元は製粉所であった。

両側の石の部分は美瑛軟石を使用 当時は周りにたくさん建物があったとみえて、うだつが目立つ建物であり先端の部分は一般会社としては珍しい。

 

ちなみに福吉カフェは旭川の会社であり、札幌でも古い馬小屋を改造してカフェを展開している

また「旭橋を語る会」の事務局もあるという。

 

 

 

 

 

 

「旭川の歴史的建物の保存を考える会」による建築賞として平成14年に表彰された。

 

 

 


2023年10月撮影

 

「福吉カフェ 旭橋本店並びの建物」

 

 

 

「福吉カフェ」からより「旭橋」に近い場所にある
特異なデザインが目を惹いた。

横の外壁が剥がれて木が見えている 解体しないと危険かも?

 

 

 

「旧宮北秀吉邸」 旭川と道北の建築探訪NO27


所在地:旭川市9条通10丁目
建設年:大正4(1915)年ころ

 

木材業を営む宮北秀吉氏が自宅と事務所をかねて建てたもの

上記の福吉カフェよりも、さらに周りに異彩を放っている建物だ。

正面両サイドに密接した建物が現在は無いのでよく見ることが出来る
現在は旭川市教育委員会が倉庫として使用している。

正面玄関は向かって右側にある
自宅と事務所を兼ねていたので玄関が二つあるのだと思う。

建物は倉庫によくみられる木骨石造りで石には美瑛産の軟石を使用
屋根はマンサード屋根に見えるがこれが素敵である。

 

 

 

 

 

裏手に廻ると、以前は他の建物が繋がっていたのがわかる。

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「旧吉池病院」 旭川と道北の建築探訪NO21


所在地:旭川市6条通10丁目54-2
建設年:昭和2(1927)年


この建物の全容を、まともに見るのなら完全に木々の葉が落ちる晩秋から
冬がいいだろうと思ったが
針葉樹もあり冬でも見づらいらしい。

これからの紅葉シーズンにはどのような木々になるのだろうか。

医院の後に住まれた桑島氏は医学博士で国立療養所道北病院院長をされた方
同じ医者の繋がりでこの住宅を購入したのだろうか。

その後は無人の時間が長いようで建物の痛みが進んでいそうだ
奥に見える2階部分には縦長の上げ下げ窓を用い、木製の柵もお洒落なものを使用している。

木製の塀が続く光景はタイムスリップでもしたかのような
懐かしさをおぼえる。

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

「旧小笠原法律事務所」 旭川と道北の建築探訪NO20


所在地:旭川市5条通11丁目1725-8
建設年:大正初期・昭和29(1954)年


連なる2棟は別の時期に建てられ、向かって左が大正初期に
右が昭和29年に増築されたもので設計は田上義也氏である。

小笠原六郎氏は富良野市出身で旭川市で法律事務所を開設
弁護士であり、旭川弁護士会会長、日弁連副会長を歴任された。
昭和35年旭川市功労者、昭和53年に勲三等瑞宝章を受章している。

田上氏との関係は不明。

大正期の建物はマンサード屋根が印象的
昭和期の増築部分に新たに玄関を設け、その上部に田上氏お得意のパーゴラが現存している。

田上氏建築の師匠であるフランク・ロイド・ライトが大正10年に建築した自由学園を
一部彷彿させるような外観に見えた。

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

「㈱旭川キーセンター」

 

 

旧小笠原法律事務所の向かいにある店舗
小さく可愛らしい建物だったのでつい撮影した
会社は40年以上続いているそうだが、建築年ほか不明。

 

 

 

「旧旭川酒造組合事務所」 旭川と道北の建築探訪NO19


所在地:旭川市5条通11丁目761
建設年:昭和6(1931)年

 

旭川酒造組合の寄合所として建てられ、戦後の昭和21年には米国民間調査部に撤収された。

その後は旭川市立図書館、北海道ドレスメーカー女学院旭川分校、旭川調理師専門学校として使用した。

 

建物の用途により幾度の改修がされているが
外観のデザインは竣工当時の状態を保つよう補修されている。

1階がドイツ下見板張り、2階がモルタル
縦長の上げ下げ窓が連続し特徴のある外観となっている。

現在は「ラシックヘアー」(美容院)が営業しており
内部も歴史的センスのある素敵なお店との評判がある。

 

 

 

 

 


平成22年に「旭川の歴史的建物の保存を考える会」より建築賞を表彰された


2023年10月撮影

 

 

 

「松岡家住宅」 旭川と道北の建築探訪NO23


所在地:旭川市6条通13丁目58-3
建設年:大正14、昭和12(1925,1937)年

 

角地にあり地域のランドマークになっている大きな建物と敷地を持つ。
入母屋造の和館に,切妻造の洋館が接続する
他に蔵と会社事務所が連なる。

和館は人目を惹く見事な造りで堂々としている
洋館は段状のコーニスで囲まれたドイツ壁が印象的
事務所はスクラッチタイルが特徴的で縦長の上げ下げ窓が歴史を物語る。

創業者の松岡源之助氏は自ら斧を持って山林に入り木を伐りだし
会社を設立 やがて”日本の松岡木材”と言われるまでになった。

上記の小笠原氏同様に旭川市の功労者に昭和13年表彰された

住宅は登録有形文化財に指定されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影

 

 

 

 

「おかだ紅雪庭」


所在地:旭川市5条通16丁目1099
建設年:昭和8(1933)年

 

「一般財団法人旧岡田邸200年財団」より抜粋

昭和8年(1933年)

清酒北の誉創設者岡田重次郎宅として建築された和の要素を取り入れた洋館造り。

重次郎は北の誉ご三家(野口、西尾、岡田)の一人で明治40年には、酒造工場を造り、野口合資会社設立

昭和11年に岡田重次郎社長の丸ヨ岡田商店に衣がえ

岡田邸は、重次郎、正平、正雄と三代に渡り住み。

重次郎氏は商工会議所会頭、パルプ工場誘致、北海ホテル社長、北海道酒造組合連合会長を歴任。

正雄氏も北の誉社長、会長、アサヒビル社長と、道内経済界をリードした。

明治大正昭和と、北海道、旭川において貢献した岡田家の邸宅である。”

岡田氏は旭川市の功労者にも昭和13年に表彰されている。

 

小樽市の「北の誉」の流れをくむ創業者の邸宅として有名な住宅であり皇族も宿泊された由緒あるお屋敷。

豪華な和洋折衷の建物で「見積もりの無い建て方」とまで言われた。

岡田家が転居の後、資産家が買収したが使用されずじまいだったので
市民による保存活動により「一般社団法人旧岡田邸200年財団」が建物を買収し今日に至る。

外壁は白地のモルタルと下見板張りであったがライトブルーの
綺麗な外観に変わっている。


現在は「おかだ紅雪庭」として蕎麦、料理店として利用が出来る
紅葉時には撮影会があるので参加するのも良いだろう
(2023年は10月29日)

紅葉時には例えようのない素晴らしいお屋敷になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2023年10月撮影