現在、2月4日午後8時。
自室でパソコンに向かっているところに、息子が就寝のあいさつをしに来た。
「おやすみ。たくさん寝れば、あしたは元気になれるよ」
「うん。おやすみ」
昨晩から頭痛を訴え、今朝には発熱もあって、きょうは学校を休んだ。
オレも妻も仕事をもっている。息子はきょう一日、ひとりで自宅で寝ていた。正午から午後1時の間だけ、おれが帰宅して面倒を見たが。
小学4年生時分の自分を思い返してみた。
風邪で休んだ日は、やはり両親が勤めているのでひとりきりだった。天井の木目を数えながら、母親の帰りを待った。猛烈に長い一日だった。
◇
午後6時半、帰宅すると息子は眠っていた。
枕もとには、体温計、エアコンのリモコン、洗面器、熱を冷ますシート、マンガ本。あと、携帯電話。「調子が悪かったら、ためらわずにお父さんに連絡しなさい」と言っておいたが、結局、電話はよこさなかった。
自分で体温を測り、冷熱シートをおでこに張り、さらには、パンを焼いて食べて過ごしていたらしい。台所のシンクの中に、ジャムのついた皿が残っていた。
◇
「そういえば、久しぶりの病気だな」
5歳くらいまでは、本当によく病気をした。
よく言われることだが、女の子に比べて、男の子は育てずらい。よく病気をする。病気じゃないときは粗暴だし、育てる際の苦労は女の子より格段に多い。で、苦労の末に育ててみると、女の子と違って親をほったらかして、どっかに行ってしまう。
まぁ、自分もそうだったし、息子もきっとそうだろう。
ただし、病気の一日を経ると、互いへの愛おしさが増す。
病は、互いを思いやる気持ちを醸成してくれる。
おれの母親は「病を得て、家族のありがたみを知る」と教えてくれたが、まさに病は「得る」と表現すべきものなのだなぁ、とも思う。
息子が、親に頼らなくても自らを維持できるようになってきたとこを喜ぶと同時に、巣立ちが着実に近づいてくることを実感する。
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